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ロシア海軍、Ka-62艦載型を採用?

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『イズべスチア』より
2012年10月12日13時50分配信
【海軍は2年後にKa-62を受領する】

海軍総司令部は、新たな艦上ヘリコプターの為の条件を策定する。

ロシア海軍は、ヘリコプターKa-62「カサートカ」の海洋バージョンを2014年に軍備として採用する。
海軍総司令部が『イズべスチア』に伝えた所によると、新たな機体の戦術-技術的要件は、今年末までに準備が整う。

ヘリコプターは、小型艦、特にプロジェクト20380コルベット(排水量2500トン)へ配置されるだろう。
コルベットに標準的な艦載機Ka-27を配置する事は、非常に労力を伴う。

海軍総司令部の情報提供者は、Ka-27が大きな格納庫を必要とすると述べた。

「それ(Ka-27)は2本のローターを有し、重量は12トンもあり、全高は5メートル以上です。
排水量3000トン未満の艦に大型の格納庫では、耐航性及び安定性が悪化します。
風力5では、艦が容易く転覆するかもしれません」

彼は説明した。

彼によれば、この問題は、全てのプロジェクト20380コルベット「ステレグーシチー」、「ボイキー」、「ソーブラジテルヌイ」~に共通している。
これら(コルベット)は、格納庫が艦の上部構造物の50パーセントを占めている。
しかし、だからと言ってヘリコプターを載せないわけには行かない。
それ(ヘリコプター)は潜水艦と効果的に戦う事が出来る故に。

「コルベット及び警備艦は、軽量ヘリコプターを必要とします。
フランスの"ステルス"フリゲート"ラファイエット"には、軽量なAS565パンテルが装備されています。
それは全高わずか4メートルで、重量は4トン強です。
フランスは設計段階で理解しておりました。
重いヘリコプター格納庫は、艦を不安定にする事を」

海軍総司令部の士官は続けて述べた。

更に彼は、全てのヘリコプター格納庫に最適なロシア製ヘリコプターはKa-62のみであると説明した。
それ(Ka-62)はKa-27よりも半分軽い6トンの重量であり、ローターは1.5メートルである。
「カサートカ」の広い胴体は、降下式水中音波探知機を含む対潜装備に簡単にフィットする。

戦術-技術的要件は、来年初頭までに海軍から「カモフ」社へ提示されるだろう。
株式会社「カモフ」は、自社主導でKa-62の艦上ヴァージョンの開発に着手したと述べた。

「それは、折り畳み式の回転翼と尾部を有します。搭載機器は未定です。
対潜戦闘の為の装置が必要な場合、例えば、水中音響ステーション、降下式水中音波探知機、対潜魚雷が真剣に力を尽くさなければならないでしょう。
しかし、何一つ不可能な事などありません」

同社の代理人は『イズベスチヤ』に話した。

製造者の予定によれば、Ka-62の艦上バージョンの初飛行は2013年に行なわれ、次の年には量産機の生産に入る。
しかし、対潜型Ka-62の作成について、海軍の飛行士は疑問を持っている。
その内の一人が『イズベスチヤ』に話した所によると、このヘリコプターは潜水艦と戦うには小さ過ぎる。

「フランスの海軍版"パンテル"は、多用途機ではありません。
攻撃型か、救助型のどちらかを選択する必要があります。
最初のケースでは、 "パンテル"は、2基のロケット発射装置、機関銃、降下要員を運びます。
救助型はウインチを装備し、それは負傷者を収容する為の快適なサロンを有しております」

士官は語った。

彼はフランス製ヘリコプターの対潜ヴァージョンは、水中音響ステーションと降下式水中音波探知機を同時に機体に装備できないと述べた。
何故なら、外部懸垂魚雷を搭載しなければならないからだ。
従って、そのような変更は行なわれない。
対談者は『イズベスチヤ』に、「カサートカ」が全ての対潜装備を収容できるか否かについて疑問を呈し、更なる問題として、救助型の為の強力なウインチを付ける箇所も無いと述べた。


記事中に登場するヘリコプターの寸法と重量

Ka-62「カサートカ」
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主回転翼直径:13.5m
全長:13.25m
全高:4.1m
自重量:3730kg
最大離陸重量:6250kg

Ka-27
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主回転翼直径:15.90m
全長:12.25 m
全高:5.40 m
自重量:6100㎏
最大離陸重量:12000kg

AS565「パンテル」
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主回転翼直径:11.94m
全長:13.68m
全高:3.97m
自重量:2380kg
最大離陸重量:4300kg


現在、ロシア海軍プロジェクト20380コルベット「ステレグーシチー」型にはKa-27が搭載されていますが、今回の記事によると、Ka-27は、「ステレグーシチー」型には大き過ぎるとの事です。

そこで、コルベット搭載用として、より小型のKa-62「カサートカ」の艦載ヴァージョンが開発される事になったようです。

しかし、その小型さ故に、Ka-62「カサートカ」艦載型の開発に疑問を持つロシア海軍航空隊のパイロットも居るようです。

今回の記事でも、ロシア海軍総司令部の士官とロシア海軍航空隊のパイロットでは、認識に差がある事が伺えます。
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