ロシア海軍は2013年にアデン湾海賊対処任務を再開する


『イタル-タス通信』より
【2013年、ロシア海軍艦船はアデン湾エリアへの航海を少なくとも3回実施する】
モスクワ、10月16日/イタル-タス
(ロシア)海軍総司令部は、海賊との戦いを継続する為、2013年のロシア艦船のアデン湾及びアフリアの角エリアにおける常時滞在計画の研究を終える。
「現在は審議中であり、10月末には、海賊活動によって影響を受ける同海域の民間船の安全保障に(ロシア)海軍の全ての艦隊の艦船が参加する提案が総司令部に承認されるでしょう」
本日(10月16日)、イタル·タスは、(ロシア)海軍の公式代理人より伝えられた。
「2013年に、海軍艦船は、海賊攻撃阻止任務の為、アデン湾及びアフリカの角エリアへ少なくとも3度の航海を実施するでしょう。
艦は、全ての艦隊から交互に同エリアへ派遣されます。
主な活動は、危険海域を通過する民間船コンボイの先導です。
航路は、アデン湾回廊からアラビア海へ抜け、そこから引き返します。
この間、西部及び東部のポイントで、民間船コンボイが形成されます」
彼は述べた。
アデン湾における海軍力使用の実務経験は、海賊対処任務を解決する為には
「遠方及び大洋ゾーンでの行動を意図し、ヘリコプター複合体を装備する艦が最も適している事が示されました」
代理人は付け加えた。
民間船を保護するロシア海軍の活動は、2009年11月30日の国際連合安全保障理事会決議1897号及び2003年9月3日のロシア連邦大統領令・第1847号に沿って行なわれている。
2008年10月以降、(ロシア)海軍はアデン湾のソマリア沖においてロシアの海洋船舶航行を保護する為の任務を実施している。
1年間に、4.5回の航海が行なわれた。
海賊との戦いの全期間に渡り、ロシア戦闘艦は、民間船への損失を全く被らずに約700の船団を先導した。
(2012年10月16日16時43分配信)
[ロシア海軍のアデン湾(ソマリア沖)海賊対処活動]
[ロシア海軍のソマリア海賊対策(旧ブログ)]
ロシア海軍は、2008年10月の警備艦「ネウストラシムイ」以降、今年5月の大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」まで13回に渡りアデン湾へ海賊対処部隊を派遣しています。
1:警備艦「ネウストラシムイ」
2:大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラドフ」
3:大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」
4:大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」
5:大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」
6:警備艦「ネウストラシムイ」
7:大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」
8:大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」
9:大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラドフ」
10:大型対潜艦「セヴェロモルスク」
11:大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」
12:大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」
13:大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」
アデン湾で行動中の大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」

アデン湾に派遣された水上戦闘艦は、大型対潜艦「ウダロイ」型(プロジェクト1155/11551)と警備艦「ネウストラシムイ」型(プロジェクト11540)です。
「ウダロイ」型は、改型の「アドミラル・チャバネンコ」も含め、太平洋艦隊及び北方艦隊に所属する稼働状態に在る艦全てが派遣されました。
太平洋艦隊の「ウダロイ」型は、「マルシャル・シャーポシニコフ」を除いて2回アデン湾へ派遣されています。
バルト艦隊の「ネウストラシムイ」型は、1番艦が2回派遣されていますが、2009年に就役した2番艦「ヤロスラフ・ムードルイ」は未だ派遣されていません。
戦闘艦はバルト艦隊、太平洋艦隊、北方艦隊から派遣されていますが、この他に黒海艦隊から支援船(給油船及び救助曳船)が派遣されています。
今回の記事から推察すると、ロシア海軍部内で、今後もアデン湾海賊対処任務を続けるか否かの検討が行なわれ、結局、今後も継続する事が決定されたのでしょう。
ロシアには、ヨーロッパ方面から極東方面、或いはその逆を行き来する船舶が多数存在しており、これらの船舶はアデン湾を通過します。
ロシア海軍関連では、つい最近、新世代コルベットの上部構造物がサンクトペテルブルクからアデン湾経由で極東へ海路輸送されています。
[新型コルベット「ソヴェルシェンヌイ」の上部構造物はコムソモリスク-ナ-アムーレに到着した]
これらの船舶を保護する為、即ち航路保護の為、ロシア海軍はアデン湾海賊対処任務を続行しなければならないのです。
・・・・ソマリア海賊が居なくなるまでは。
2013年に派遣される水上戦闘艦も、「ウダロイ」型か「ネウストラシムイ」型になるでしょう。
今回の記事によると、アデン湾海賊対処任務に適しているのは「遠方及び大洋ゾーンでの行動を意図し、ヘリコプター複合体を装備する艦」という事ですが、2014年及び2015年、ロシア海軍には、この条件に最も適している艦が就役する予定です。
それはヘリコプター空母「ウラジオストク」型(ロシア海軍向けの「ミストラル」級)です。
因みに、フランス海軍の「ミストラル」型は、アデン湾海賊対処任務に参加した事が有ります。
この他、黒海艦隊向けにフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」型(プロジェクト11356M)が建造中であり、1番艦は2014年就役予定です。
プロジェクト11356Mは、アデン湾海賊対処任務などに使用する事が想定されています。
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