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ロシア海軍の為の最新鋭小型ロケット艦トゥーチャはタタールスタンのゼレノドリスク造船所で起工された

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『タス通信』より
2019年2月26日18時39分配信
【タタールスタンでロシア海軍の為の最新小型ロケット艦プロジェクト「カラクルト」が起工された】
モスクワ、2月26日/タス通信

タタールスタンゼレノドリスク造船工場ロシア海軍の為のプロジェクト「カラクルト」小型ロケット艦「トゥーチャ」の建造が始まった。
海軍の代理人イーゴリ・ディガロは報道機関へ伝えた。

「ロシア海軍の為の最新のプロジェクト22800小型ロケット艦はゼレノドリスク造船工場で起工されました。
ロシア海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフ大将の指示により、艦はトゥーチャと命名されました」
ディガロ
は話した。

小型ロケット艦の起工は、海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シリーズ建造展開の枠組みで行なわれた。

「ロシア海軍の為の小型ロケット艦の建造の課題は、近い将来の大排水量水上艦の建造へと発展します」
海軍
の代理人は、式典における海軍造船管理部長ウラジーミル・トリャピチニコフ少将の談話を引用した。

彼によると「ロシア海軍は、海軍に在籍する大きな排水量の艦の修理及び近代化を継続しております。
この作業の実行は、海軍の水上構成の能力を必要なレベルに保持する事を可能にします」


プロジェクト22800(コード名「カラクルト」)は、ロシア近海ゾーン多目的ロケット-砲艦(小型コルベット)シリーズである。
2015年に株式会社『中央海洋設計局アルマーズ』(サンクトペテルブルク)の専門家により開発された同プロジェクト艦は、約800トンの排水量を有し、速力は30ノット以上である。
小型ロケット艦の主兵装は、ミサイル「カリブル」或いは「オーニクス」である。
ロシア連邦海軍の為に、合計18隻の同プロジェクト艦の建造が計画されている。



[プロジェクト22800カラクルト小型ロケット艦]

プロジェクト22800「カラクルト」は、ロシア海軍の現用のプロジェクト12341「オヴォード」小型ロケット艦(ナヌチュカ級)及びプロジェクト12411「モルニヤ」ロケット艇(タランタル級)の後継となる新世代の小型ロケット艦です。

プロジェクト12341小型ロケット艦(「ミラーシュ」)
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プロジェクト12411ロケット艇(R-239)
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元々は「オヴォード」「モルニヤ」の後継としてプロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(満載排水量465トン)が建造される筈だったのですが、2001年6月5日に起工された1番艇は工事中止となりました。
[ロシア新型ミサイル艇プロジェクト12300「スコルピオン」]

その後、『アルマーズ』設計局「スコルピオン」の拡大発展型(満載排水量800トン)を設計し、それに小改正を加えたのがプロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦として建造される事になりました。

プロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(拡大発展型)
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プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦
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プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦は、現在までに11隻が起工されています。

最初の2隻:「ウラガーン」「タイフーン」は、2015年12月24日にサンクトペテルブルク近郊の『ペラ』造船所で起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ウラガーンとタイフーンはサンクトペテルブルクで起工された]
「ウラガーン」は2017年7月29日、「タイフーン」は2017年11月24日に進水しました。
[ロシア海軍最新鋭小型ロケット艦カラクルト級2番艦タイフーン進水(2017年11月24日)]

「ウラガーン」改め「ムィティシ」は2018年12月17日に就役し、バルト艦隊へ編入されました。
[プロジェクト22800カラクルト小型ロケット艦1番艦ウラガーン改めムィティシはロシア海軍へ就役し、バルト艦隊へ編入された]
[ムィティシ市はロシア海軍最新鋭小型ロケット艦ムィティシを後援する]

2016年5月10日、クリミア半島フェオドシヤ造船工場『モーリェ』(海洋)「シトルム」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シトルムはクリミアで起工された]

2016年7月29日、『ペラ』造船所「シクヴァル」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シクヴァルは起工された]
「シクヴァル」は2018年5月5日に進水しました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800カラクルト級小型ロケット艦の3番艦シクヴァルは進水した]
今後、「シクヴァル」「メルクーリイ」に改名されます。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800カラクルト級小型ロケット艦の3番艦シクヴァルはメルクーリイと改名される]

2016年12月24日、『ペラ』造船所「ブーリャ」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ブーリャはサンクトペテルブルクで起工された]
「ブーリャ」は2018年10月23日に進水しました。
[ロシア海軍の為のカラクルト級小型ロケット艦4番艦ブーリャは進水した]

2017年3月17日、フェオドシヤ造船工場「オホーツク」が起工されました。
[クリミアのフェオドシヤ造船所でロシア海軍の新世代小型ロケット艦オホーツクが起工された]

2017年12月19日、フェオドシヤ造船工場「ヴィフリ」が起工されました。
[クリミアのフェオドシヤ造船所でロシア海軍の新世代小型ロケット艦ヴィフリ(旋風)が起工された]


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ロシア内陸部タタールスタン共和国『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』は、2016年8月に5隻の「カラクルト」を受注しました。
[タタールスタンのゼレノドリスク造船所はロシア海軍の為に小型ロケット艦カラクルト級を5隻建造する]

『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』は、既に3隻の「カラクルト」を建造していますが、実際には、同社の下請けとして、クリミア半島ケルチ市に在る造船工場『ザリフ』で建造されています。
[クリミア共和国ケルチ市のザリフ造船所はロシア海軍将来空母の建造へ参加できる]
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「ツィクロン」Циклон(工場番号801):2016年起工
「パッサート」Пассат(工場番号802):2016年起工
「ブリズ」Бриз(工場番号803):2017年7月30日起工


そして2019年2月26日、今度は『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』本社で、同社が受注した4隻目の「カラクルト」が起工されました。
通算11隻目となる「カラクルト」は、「トゥーチャ」(雲)と命名されました。
[ロシア海軍の為の小型ロケット艦トゥーチャは2019年2月26日にタタールスタンのゼレノドリスク造船所で起工される]


『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』は、以前に同類のプロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦12隻を起工しており、この内7隻が就役しています。
[プロジェクト21631ブヤン-M小型ロケット艦]
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