ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦アゾフはシリアへ貨物を運ぶ
- カテゴリ:地中海情勢(2019年)

『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2019年3月1日10時24分配信
【ロシアの揚陸艦「アゾフ」は地中海へ入った】
イスタンブール、3月1日、インタファクス
黒海艦隊の大型揚陸艦「アゾフ」は、ボスポラス及びダーダネルス海峡を通過し、その航跡をモニタリングしている西側の海上情報リソースによると、金曜日に地中海エリアへ入った。
艦がボスポラス海峡を通過する写真を公表したイスタンブールのサイトは、大型揚陸艦「アゾフ」は、地中海のロシア海軍の物資-技術サービス供給所が置かれているシリアのタルトゥース港へ向かっていると確信している。
艦の吃水線から判断すると、それは大量の荷物を積んで航行している。
海峡を通過する際、トルコ沿岸警備艇が同行した。
これは、同艦のシリアへの今年2度目の航海となる事は注目される。
伝えられているように、今年初め、大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」及び黒海艦隊補助部隊の貨物船「ドヴィンツィヤ-50」がシリアへの航海を行なっている。
海外メディアによれば、ロシア海軍の大型揚陸艦及び補助船隊、更にチャーター船は、ラタキアのフマイミーン飛行場のロシア航空群、タルトゥースの海軍物資-技術サービス供給基地、そしてシリア政府軍の為に貨物を送り届ける「シリア・エクスプレス」と呼ばれる作戦へ参加している。
ロシア海軍の大型揚陸艦は、2013年1月以降、黒海沿岸(ノヴォロシースク或いはセヴァストーポリ)からシリアのタルトゥースへ貨物や人員などを輸送する任務、いわゆる「シリア・エクスプレス」に就いています。

当初は大型揚陸艦のみが「シリア・エクスプレス」へ参加していましたが、2015年夏以降は海軍がチャーター或いは購入した貨物船も参加するようになりました。
「シリア・エクスプレス」へ参加しているのは、主に黒海艦隊所属艦です。
黒海艦隊の大型揚陸艦「アゾフ」は、2018年には計6回の「シリア・エクスプレス」に従事しました。
(ロシア海軍当局からの公式発表が無くても、ボスポラス海峡を南下すればシリアへ向かい、北上すれば黒海沿岸のロシア海軍基地へ戻っている)
・1月17日にボスポラス海峡を南下、2月3日に同海峡を北上。
・2月22日にボスポラス海峡を南下、3月12日に同海峡を北上。
・3月15日にボスポラス海峡を南下、3月25日に同海峡を北上。
・5月2日にボスポラス海峡を南下、5月11日に同海峡を北上。
・5月19日にボスポラス海峡を南下、5月29日に同海峡を北上。
・8月6日にボスポラス海峡を南下、9月12日に同海峡を北上。
2019年のロシア海軍の「シリア・エクスプレス」は、現在の所、この3隻です。
軍用輸送船「ドヴィンツィヤ-50」

1月23日にボスポラス海峡を南下、2月7日に同海峡を北上。
大型揚陸艦「アゾフ」
2月6日にボスポラス海峡を南下、2月20日に同海峡を北上。
大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」

2月6日にボスポラス海峡を南下、2月20日に同海峡を北上。
そして3月1日、大型揚陸艦「アゾフ」はボスポラス海峡を南下して地中海へ入り、今年2度目の「シリア・エクスプレス」を行なう事になりました。
なお、同日に黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・エッセン」もボスポラス海峡を南下して地中海へ入っています。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"はセヴァストーポリを抜錨し、地中海へ向かった]
現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しています。
[黒海艦隊]
潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」:2017年9月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「コルピノ」:2017年9月初頭から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・マカロフ」:2018年11月初頭から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「イワン・ゴルベツ」:2018年12月中旬から地中海東部に滞在
中型偵察艦「プリアゾヴィエ」:2018年12月末から地中海東部に滞在
中型海洋給油船「イマン」:2018年10月下旬から地中海東部に滞在
海洋曳船MB-31:2018年12月中旬から地中海東部に滞在
工作船PM-56:2019年1月下旬から地中海東部に滞在
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