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ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦ニコライ・ヴィルコフは上陸戦闘訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2019年3月1日3時52分配信
【太平洋艦隊の大型揚陸艦「ニコライ・ヴィルコフ」は沿岸目標への砲射撃を実施した】

本日(3月1日)、錬成任務K-2の海上要素への取り組みの枠組みにおいて、太平洋艦隊大型揚陸艦「ニコライ・ヴィルコフ」は、複合練習及び訓練実施し、その中で無防備の海岸への海軍歩兵隊員及び車両の組織的な上陸へ習熟した。

更に、戦闘訓練射爆場で、大型揚陸艦は沿岸目標への実地砲射撃を行なった。
砲撃は、仮想敵の強化防御火点を模した標的に対して実施された。

同日後半、「ニコライ・ヴィルコフ」乗組員は、無防備の泊地に停泊する艦の安全を保障する演習を行ない、実地の対水中工作擲弾射撃を実施した。



プロジェクト1171「タピール」(獏)大型揚陸艦の13番艦「ニコライ・ヴィルコフ」は、カリーニングラード『ヤンターリ』造船所で1971年9月3日に起工され、1973年11月30日に進水し、1974年6月30日にソ連海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入されました。

1978年5月12日から1979年1月29日まで、初めてインド洋への遠距離航海を行ないました。
その後、1980年代末までに計7回のインド洋への遠距離航海を行ないました。

ウラジオストク艦船修理工場で修理中の「ニコライ・ヴィルコフ」(1990年9月)
左隣に停泊しているのは、同じく修理中のプロジェクト1134A大型対潜艦「ワシーリー・チャパエフ」だが、こちらは修理を完了する事無く1993年6月30日に除籍された。
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1993年末~1994年初頭にもペルシャ湾への遠距離航海を行ない、グレートブリテン、フランス、アメリカ海軍の艦と合同演習を実施しました。

以後は遠距離航海へ出る事は無く、日本海及びオホーツク海でのみ行動しています。

太平洋艦隊には、計5隻のプロジェクト1171大型揚陸艦が配備されましたが、「ニコライ・ヴィルコフ」以外の4隻は、1994年7月5日付で除籍されました。

「ニコライ・ヴィルコフ」は21世紀に入っても現役に留まり続け、2008年6月30日には就役34周年を迎えました。
[大型揚陸艦「ニコライ・ヴィルコフ」就役34周年]

2018年9月上旬に極東で実施された戦略演習『ヴォストーク-2018』にも参加しています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の揚陸艦部隊は演習『ヴォストーク-2018』へ参加する]


そして2019年3月1日、「ニコライ・ヴィルコフ」沿海地方で上陸戦闘訓練を行ないました。

訓練実施場所は公表されていませんが、おそらくはクレルカ岬の射爆場でしょう。
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この時、「ニコライ・ヴィルコフ」は、57mm連装砲で沿岸標的への実弾射撃を行ないました。
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この他に「対水中擲弾射撃」も行ないましたが、これは対水中工作員用の55mm7連装グレネードランチャーMRG-1「アガニョーク」(最大射程500m)の事でしょう。
プロジェクト1171大型揚陸艦では「ニコライ・ヴィルコフ」のみに装備されており、この他、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」などにも装備されています。
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既に艦齢44年に達している「ニコライ・ヴィルコフ」ですが、後継となる揚陸艦が就役するのは、まだまだ先の話なので、未だ暫くの間は現役に留まり続けるでしょう。
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