第2のプロジェクト22160哨戒艦ドミトリー・ロガチョフは2019年4月にロシア海軍へ就役する
- カテゴリ:プロジェクト22160哨戒艦

『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年3月7日18時21分配信
【第2の対海賊コルベットは(2019年)4月に(ロシア)海軍へ引き渡される】
プロジェクト22160哨戒艦(コルベット)の最初の生産艦「ドミトリー・ロガチョフ」は、2019年4月に(ロシア)海軍へ引き渡される。
『Mil.Press FlotProm』は『ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場』の情報提供者より伝えられた。
「ロガチョフ」は、現在セヴァストーポリに滞在し、試験を完了している。
艦は、スケジュールに先んじて国家試験を行なったと2月末に海軍造船管理部長ウラジーミル・トリャピチニコフ少将は語った。
「ロガチョフ」の試験は2018年12月にスタートした。
3月初頭にコルベットは第2特殊錬成任務「航行及び単艦での戦闘実施」を成功裏に遂行した。
具体的には水上及び空中目標への高射及び砲射撃を実施し、更には、海上および沿岸目標へのミサイル複合体の仮想発射へ取り組んだ。
海軍の情報提供者によると、「ロガチョフ」の海軍への就役後、海洋ゾーンにおける護衛能力は増大する。
聖アンドレイ旗掲揚の正確な日時は、現在、最終調整中である。
彼は、ロシア製の動力装置の新たな艦は、輸入代替の課題への回答であると付け加えた。
それは、コルベットの整備を簡易化する。
「ドミトリー・ロガチョフ」の主動力装置は、2組の集合体~DRRA6000とDRRA6000-01(各々の出力は6000馬力)から成り、艦内の左側と右側に配置されていると『コロムナ工場』は『Mil.Press FlotProm』へ話した。
同社は、各集合体は、『コロムナ工場』が製造したディーゼルエンジン16D49、公開株式会社『ズヴェズダー』へ製造が移管された逆転・減速機、コンツェルン『科学生産合同アヴローラ』からの測定管理システムで構成されると付け加えた。
制裁の為にMTUディーゼルに代わるロシア製品が必要となったが故に、プロジェクト22160艦の納入時期は延期された。
[『Mil.Press FlotProm』参照]
「ドミトリー・ロガチョフ」は、プロジェクト22160の最初の生産艦である。
それは『ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場』で2014年夏に起工され、2017年に進水した。
2018年12月初頭、艦はセヴァストーポリへ到着し、その海軍への引き渡しは同年末に計画されていたが、2019年に延期された。
プロジェクト22160哨戒艦(コルベット)は『北方計画設計局』により開発された。
艦は、海上経済ゾーンの防護及び保護の為に意図されており、更には、捜索-救助機能を遂行し、船団へ同行し、海賊へ対処できる。
コルベットの排水量は1300トン、30ノットまでの速力を発揮する。
航続距離6000海里、自立行動期間60日。
それは、乗組員80名までの快適な環境の保障を考慮して設計されている。
艦上にはヘリコプターKa-27PSが駐留できる。
コルベットは標準兵装として、新たな76.2mm砲、高射ミサイル複合体及び高射機関砲を装備する。
プロジェクト22160のトップ艦「ワシーリー・ブイコフ」は、2018年12月20日に黒海艦隊へ補充された。

プロジェクト22160哨戒艦は、平時には領海警護、200海里の排他的経済水域の哨戒、海上密輸及び海賊行為の取り締まり、海難救助支援、海洋環境調査、 戦時には船舶の海上航行警護、海軍基地及び近海防衛を行なう多目的艦です。
現在建造中のプロジェクト20380/20385コルベットよりも、やや小サイズの艦ですが、航続性能は20380/20385を上回っています。
設計はサンクトペテルブルクの「北方計画設計局」が担当しました。
公開株式会社『北方計画設計局』公式サイトより
【哨戒艦プロジェクト22160】
建造を担当するのは、ロシア内陸部タタールスタン共和国のゼレノドリスク造船所です。

【公開株式会社「A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場」公式サイト】
プロジェクト22160哨戒艦の2番艦「ドミトリー・ロガチョフ」は、2014年7月25日に起工され、2017年末頃にゼレノドリスクから内陸水路を通って黒海沿岸のケルチ市の『ザリフ造船所』まで運ばれ、ここで艤装が行われました。


「ドミトリー・ロガチョフ」の乗組員の編成は2018年3月下旬までに完了しました。
[ロシア海軍黒海艦隊は新型哨戒艦ドミトリー・ロガチョフの乗組員の編成を完了した]
2018年9月後半にノヴォロシースク海軍基地で消磁作業を行ないました。

2018年11月26日に出航し、黒海で砲撃試験を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の新型哨戒艦ドミトリー・ロガチョフは黒海で砲撃試験を行なった]
その後、ノヴォロシースクを出航し、12月4日にセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の新型哨戒艦ドミトリー・ロガチョフはセヴァストーポリへ到着した]

2019年1月中旬に洋上試験の為に出航し、1月14日にセヴァストーポリへ帰投しました。

その後、また洋上試験の為に出航し、1月18日にセヴァストーポリへ帰投しました。

1月31日には洋上で捜索救助ヘリコプターKa-27PSの着艦試験などが行なわれました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の新型哨戒艦ドミトリー・ロガチョフはヘリコプターの着艦試験を行なった]

2019年2月にも洋上試験を行ないました。

「ドミトリー・ロガチョフ」の洋上試験は2019年3月初頭までに完了しました。
「ドミトリー・ロガチョフ」のロシア海軍への引き渡しは、2019年4月中になるようです。
プロジェクト22160哨戒艦は、現在までに6隻が起工され、この内の1隻が就役しています。
今回の記事で触れられていますが、プロジェクト22160哨戒艦は、元々はドイツ製のMTUディーゼルエンジンを搭載する予定でしたが、2014年春以降のヨーロッパ諸国の対ロシア経済制裁によりエンジンを輸入できなくなった為、ロシア製ディーゼルへ変更する事になり、建造の遅延を招きました。
「ワシーリー・ブイコフ」Василий Быков(工場番号161)
2014年2月26日起工/2017年進水/2018年12月20日就役
「ドミトリー・ロガチョフ」Дмитрий Рогачёв(工場番号162)
2014年7月25日起工/2017年進水/2019年4月就役予定
「パーヴェル・デルジャーヴィン」Павел Державин(工場番号163)
2016年2月18日起工/2019年2月21日進水/2020年就役予定
「セルゲイ・コトフ」Сергей Котов(工場番号164)
2016年5月8日起工/2020年就役予定
「ヴィクトール・ヴェリキー」Виктор Великий(工場番号165)
2016年11月25日起工/2021年就役予定
「ニコライ・シピャーギン」Николай Сипягин(工場番号166)
2018年1月13日起工/2022年就役予定
プロジェクト22160哨戒艦は6隻全てが黒海艦隊へ配備され、ノヴォロシースクに駐留します。
[ロシア海軍黒海艦隊の新ノヴォロシースク基地は60隻以上の艦船を収容できる]
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