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ロシアは事故で沈没した大型浮きドックPD-50に代わる新たな浮きドックの外国への発注は計画していない

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『タス通信』より
2019年3月20日19時26分配信
【『統合造船業営団』は「アドミラル・クズネツォフ」の修理の為の海外への浮きドックの発注は検討していない】
クビンカ/モスクワ州、3月20日/タス通信

『統合造船業営団』は、航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」の修理を継続する為、沈没したPD-50に代わる海外からの浮きドックの購入は計画していない。
水曜日、営団総裁アレクセイ・ラフマノフ『愛国者』公園での『統合造船業営団』科学-業務代表者会議において述べた。

「いいえ(検討していません)。我々には有りません」
ラフマノフ
は、海外への浮きドックの発注を検討しているのかという質問に答え、こう話した。

以前、彼は、『統合造船業営団』は、航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」の修理を継続するムルマンスク『第35艦船修理工場』ドックの近代化の実行を計画していると述べた。

浮きドックPD-50は、2018年10月30日未明にムルマンスクで、ロシア海軍唯一の航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」の計画出渠の際に沈没した。
クレーンが落下した結果、艦は飛行甲板に損傷を受けた。
その後、ラフマノフ『タス通信』へ、事故の結果、「クズネツォフ」は計52ヶ所に損傷を受け、その除去には7000万ルーブルの費用が掛かると伝えた。

浮きドックPD-50は、世界で最も大きく、ロシアで最も大きい浮きドックの1つである。
それは、ソヴィエト社会主義共和国連邦海軍の発注の下、1980年にスウェーデンで建造された。
ドックの全長は330メートル、幅-67メートル、積載能力-80000トン。



プロジェクト7454大型浮きドックPD-50は、スウェーデンゴタヴェルケン・アレンダル社Gotaverken Arendalで建造され、1980年に竣工し、ムルマンスク近郊のロスリャコヴォ村へ設置されました。

[プロジェクト7454大型浮きドックPD-50]
基準排水量:135460t
満載排水量:215860t
全長:330m
幅:88m
吃水:6.1m
積載能力:80000t
工員:175名


その後、ロスリャコヴォ村『第82艦船修理工場』の主力ドックとして、ソ連/ロシア北方艦隊大型水上艦原子力潜水艦などの修理作業を行なってきました。

特に、ムルマンスク周辺で、プロジェクト1143重航空巡洋艦「キエフ」、プロジェクト11434重航空巡洋艦「バクー/アドミラル・ゴルシコフ」、プロジェクト11435重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」、プロジェクト1144重原子力ロケット巡洋艦(キーロフ、アドミラル・ナヒーモフ、ピョートル・ヴェリキー)といった大型水上艦が入渠できるドックPD-50しか無かった為、これらの艦の修理や整備を一手に引き受けてきました。

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最後にPD-50へ入渠した艦は、近代化改装中の「アドミラル・クズネツォフ」となりました。
2018年9月中旬の事でした。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは大型浮きドックPD-50へ入った]

そして2018年10月30日未明、「アドミラル・クズネツォフ」の進水作業を行なっている最中、突然に電力が遮断され、バランスを崩して沈没しました。
この事故により、PD-50のクレーン1基が「アドミラル・クズネツォフ」の飛行甲板へ落下し、甲板を損傷しました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフを修理中の浮きドックPD-50で事故が発生した]

「アドミラル・クズネツォフ」は、事故後にロスリャコヴォからムルマンスク『第35艦船修理工場』へ回航され、第24埠頭(「アドミラル・クズネツォフ」がいつも停泊している場所)へ係留されました。

「アドミラル・クズネツォフ」が受けた損傷は計52ヶ所に及び、その修復費用は約7000万ルーブルと見積もられています。
[浮きドックPD-50の沈没事故による航空母艦アドミラル・クズネツォフの損傷復旧には約7000万ルーブルの費用が掛かる]
「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装には約600億ルーブルが計上されているので、7000万ルーブルは、その1パーセントにも満たない数字です。

更に、損傷を受けた部分は、元々近代化改装工事の過程で交換する予定だった箇所なので、損傷を受けようが受けまいが、どのみち近代化改装予算の範囲内で交換する事になります。
従いまして、今回の事故の損傷復旧の為、新たに7000万ルーブルを出費する必要は無いわけです。

[浮きドックPD-50の沈没事故による航空母艦アドミラル・クズネツォフの損傷復旧の為の追加支出の必要は無い]

「アドミラル・クズネツォフ」の飛行甲板へ落下したクレーンは、12月下旬に撤去されました。
[浮きドックPD-50の沈没事故により航空母艦アドミラル・クズネツォフの飛行甲板へ落下したクレーンは完全に撤去されている]


一方、一方、沈没した大型浮きドックPD-50は、沈没時に受けた損傷が大きいなどの理由により、引き揚げて修理し、復帰させるのは極めて困難である事が判明しました。
『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年11月2日14時19分配信
【沈没したドックPD-50を引き揚げる決定が下された場合、幾つかの困難な技術的課題に直面する事になるだろう-情報筋】


浮きドックPD-50が使えない場合の代替案も幾つか検討されたようですが、『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフ氏の最近の発言を見る限り、『第35艦船修理工場』の乾ドックを近代化する事になったようです。
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現在の『第35艦船修理工場』の乾ドックのサイズでは、「アドミラル・クズネツォフ」は入渠できませんが、これを、同艦が入渠できるサイズに拡張する計画は以前から有ります。
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[ムルマンスクの第35艦船修理工場は再構築(ペレストロイカ)される]
[ムルマンスクの第35艦船修理工場はロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為にドックを拡張する]
これが実行に移される事になるようです。
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