ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"はオーバーホール後に戦闘訓練を開始した

『タス通信』より
2019年4月2日16時0分配信
【フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」は修理後に海上演習の為、出航した】
セヴァストーポリ、4月2日/タス通信
プロジェクト11356フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、修理後に黒海の海上射爆場で砲及びミサイル射撃、更には対空防衛行動へ取り組む演習を開始した。
黒海艦隊情報供給部は火曜日に発表した。
以前、ミサイル「カリブル」で武装するフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」は『セヴァストーポリ海洋工場』(セヴモルザヴォード)での計画修理を完了し、3月に進水した事が伝えられた。
同艦は2月初頭から計画修理を行なっていた。
「実地活動中、フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"乗組員は、水上及び空中目標への高射及び砲射撃を行ない、対空防衛訓練を行ない、ミサイル複合体"カリブル-NK"の電子方式での仮想発射へ取り組みます」
声明では、こう述べられた。
演習の目的は、単独艦での戦闘実施への取り組みであると説明された。
演習は、黒海水域の海上戦闘訓練射爆場で実施される。
更に船員は、ダメージコントロール、電波電子戦闘手段の使用、無防備の泊地に停泊する艦の防衛及び保護の訓練を行なう。
「フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"乗組員の戦闘訓練の次の段階は、単独及び様々な戦術艦グループの一員としての意図された任務の遂行となります」
広報サービスは付け加えた。
「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、プロジェクト11356フリゲート(国内分類-警備艦)のトップである。
艦は4000トン以上の満載排水量を有し、全長は125メートル。
フリゲートの基本兵装は、同名の有翼ミサイルを有するミサイル複合体「カリブル-NK」である。
プロジェクト11356Rフリゲートの1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」(494)は、カリーニングラードの『ヤンターリ』造船所で2010年12月18日に起工され、2014年3月14日に進水し、2016年3月11日に就役しました。
[プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)1番艦アドミラル・グリゴロヴィチはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]
2016年6月9日に黒海艦隊のセヴァストーポリ基地へ到着しました。
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着した]
2016年7月13日には黒海で戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は黒海で砲撃訓練を行なう]
2016年8月下旬にはロシア南方軍管区の「抜き打ち演習」へ参加しました。
[ロシア海軍黒海艦隊とカスピ小艦隊は抜き打ち演習へ参加する]
2016年9月24日、「アドミラル・グリゴロヴィチ」は初めての地中海航海へと出発しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはギリシャへ向かった]
地中海へ出た「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、9月28日にギリシャのケルキラ(コルフ)島を訪問しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはギリシャのケルキラ(コルフ島)を訪問した]

2016年10月3日、「アドミラル・グリゴロヴィチ」はギリシャから去りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはギリシャを去った]
2016年10月7日にセヴァストーポリへ帰港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはセヴァストーポリへ帰投した]
それから約1ヶ月後の2016年11月3日、「アドミラル・グリゴロヴィチ」は再び地中海へ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア沖へ向かった]
2016年11月4日にボスポラス海峡を通過して地中海へ入りました。

その後、北方艦隊の重航空巡洋艦(空母)「アドミラル・クズネツォフ」を中核とするロシア海軍空母機動部隊へ加わりました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]
「アドミラル・グリゴロヴィチ」は11月11日頃までシリアのタルトゥース港へ寄港して各種物資を補充しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチは巡航ミサイルによるシリア領内のテロ組織への攻撃を準備する]
2016年11月15日、シリア領内のイドリブとホムスのISIL(イラク・レバントのイスラム国)及びアル=ヌスラ戦線の施設への攻撃が開始されました。

[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリア領内のテロ組織への攻撃へ参加した]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の空爆によりアル=ヌスラ戦線の戦闘員30名以上が死亡した]
攻撃へ参加したのは重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機、沿岸ミサイル「バスチオン」(本来は地対艦ミサイル)であり、この他、「アドミラル・グリゴロヴィチ」も有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア領内のテロ組織へ巡航ミサイルを発射した]
その後もロシア海軍空母機動部隊の一員として地中海東部に居たようですが、2016年12月中旬には機動部隊を離れて帰路に就き、12月18日にボスポラス海峡を通過して黒海へ入りました。

2016年12月19日にセヴァストーポリへ帰港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア沖から帰投した]
2016年12月25日に92名(アレクサンドロフ・アンサンブル団、いわゆる赤軍合唱団のメンバーを含む)を乗せてソチ空港を離陸し、黒海へ墜落したロシア軍の旅客機Tu-154の捜索に参加しました。

『スプートニク日本語版』より
【露軍機ツポレフ154墜落】
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2016年12月25日10時16分配信
【ロシア国防省のTu-154の機上滞在者リスト】
2017年2月27日、「アドミラル・グリゴロヴィチ」はセヴァストーポリを出航し、地中海東部へ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは地中海東部(シリア沖)へ行く]
当初の予定では、2月28日にボスポラス海峡を通過して地中海へ入る筈だったのですが、濃霧によりボスポラス海峡の船舶航行が2日間に渡って中断した為、海峡通航は3月2日にずれ込みました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦アドミラル・グリゴロヴィチは地中海へ入った]
それから約1ヶ月後、「アドミラル・グリゴロヴィチ」は一旦黒海へ下がり、3月31日には黒海東岸のノヴォロシースクへ入港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア沖からノヴォロシースクへ戻ってきた]

2017年4月3日、トルコ海軍のフリゲート「バルバロス」(F-244)とコルベット「ブユックアダ」(F-512)がノヴォロシースク港を訪れ、「アドミラル・グリゴロヴィチ」はホストシップを務めました。
「アドミラル・グリゴロヴィチ」は4月5日にノヴォロシースクを出航し、トルコ海軍とロシア黒海艦隊の合同演習へ参加しました。
[ロシア海軍とトルコ海軍は黒海で合同演習を行なった]
演習終了後は黒海の出口へ向かい、4月7日にボスポラス海峡を南下し、地中海へ出ました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは再びシリアへ向かった]
2017年4月8日には地中海東部(シリア沖)へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは地中海東部(シリア沖)に到着した]
2017年4月12日にはシリアのタルトゥースへ入港し、同港のロシア海軍第720物資-技術サービス供給所で水と食料と燃料を補充しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはシリアのタルトゥースで物資を補充した]

2017年4月13日にタルトゥースを出航しました。
2017年4月20日には地中海東部で艦載ヘリコプターの飛行訓練を実施しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは地中海東部で艦載ヘリコプターの飛行訓練を実施した]
2017年4月25日には地中海東部で砲撃訓練及び機雷掃討訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは地中海東部で対水上・対空砲撃訓練及び機雷掃討訓練を実施した]
2017年4月26日にはキプロス島のリマソール港へ入港し、4月28日に出航しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはキプロス訪問を終えた]

2017年5月23日から27日まで、同型艦の「アドミラル・エッセン」、警備艦「スメトリーヴイ」及び大型揚陸艦3隻と共にリビア東部沖で演習を実施しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の地中海での演習は終わった]
その後も地中海東部へ留まりました。
[巡航ミサイル"カリブル"を搭載するロシア海軍黒海艦隊の2隻のフリゲートと1隻の潜水艦は地中海東部に留まる]
2017年6月6日から8日まで、再びキプロス島のリマソール港へ寄港し、各種物資を補充しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは再びキプロスのリマソールを訪問した]
2017年6月23日には同型艦「アドミラル・エッセン」、潜水艦「クラスノダール」と共に地中海東部からシリアのISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート2隻と潜水艦1隻はシリアのハマー県のISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
2017年7月3日、リマソール港へ入港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはキプロスのリマソールへ入港した]

その後、地中海東部を離れ、7月11日にボスポラス海峡を北上し、7月12日に黒海艦隊基地セヴァストーポリへ帰投しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は地中海東部(シリア沖)からセヴァストーポリへ帰投した]
2017年12月1日頃にセヴァストーポリを出港し、12月2日にはボスポラス海峡を南下して地中海へ入りました。
『インタファクス』より
2017年12月2日2時33分配信
【フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」は地中海の海軍連合部隊へ補充された】
2017年12月20日には地中海東部で艦載ヘリコプターの飛行訓練を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2017年12月20日11時51分配信
【フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」艦上航空隊のヘリコプターは地中海で計画飛行を実施した】
「アドミラル・グリゴロヴィチ」は地中海東部で2018年の元旦を迎えました。
2018年1月6日にはキプロス島のリマソール港へ寄港しました。

2018年1月29日に艦載ヘリコプターの飛行訓練を実施しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は地中海東部で艦上対潜ヘリコプターKa-27PLの飛行訓練を行なった]
2018年3月2日に地中海東部で各種の演習を実施しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は地中海東部で戦闘演習を行なった]
その後も地中海東部に留まり、アメリカやイギリスなどの艦船を監視していました。
[ロシア海軍地中海作戦連合部隊は地中海東部でアメリカ海軍などの軍艦を追尾している]
[ロシア海軍地中海作戦連合部隊は地中海東部でイギリスのアスチュート級原潜を追尾した]
2018年4月下旬、フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」、「アドミラル・エッセン」、警備艦「プイトリーヴイ」、「スメトリーヴイ」の4隻は地中海東部で演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート2隻と警備艦2隻は地中海東部で演習を行なう]
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート2隻と警備艦2隻は地中海東部で演習を続けている]
2018年5月末、フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」、「アドミラル・エッセン」は艦載ヘリコプターの訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"と"アドミラル・エッセン"は地中海東部で艦載ヘリコプターの訓練を実施した]
2018年5月31日、フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」と警備艦「プイトリーヴイ」はダーダネルス海峡とボスポラス海峡を通過して地中海を去り、母港セヴァストーポリへの帰路に就きました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"と警備艦プイトリーヴイは地中海を去った]
2018年6月1日にセヴァストーポリへ帰投しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は地中海東部(シリア沖)からセヴァストーポリへ帰投した]
2018年7月29日の『ロシア海軍の日』には、セヴァストーポリの観艦式へ参加しました。
「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、8月16日に黒海で有翼ミサイル「カリブル」(対艦型)を発射しています。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は黒海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
8月25日、「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、同型艦「アドミラル・エッセン」と共に地中海へ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"と"アドミラル・エッセン"は地中海東部(シリア沖)へ向かった]
2018年9月1日から8日まで地中海東部で実施されたロシア海軍とロシア航空宙軍の大規模演習へ参加しました。
[ロシア海軍とロシア航空宇宙軍の地中海演習(2018年9月1日~8日)]
演習終了後も地中海東部に留まっていましたが、2018年10月18日にダーダネルス海峡へ入り、地中海を去りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は地中海を去った]
黒海へ入った「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、黒海艦隊の地対艦ミサイル部隊と合同演習を行ない、その後、セヴァストーポリへ帰投しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は黒海で地対艦ミサイル部隊と合同演習を実施した]
「アドミラル・グリゴロヴィチ」は2019年1月22日にセヴァストーポリを出航しており、1月31日までには帰港したようです。

就役から約3年が経過し、この間、何度も地中海東部へ派遣された「アドミラル・グリゴロヴィチ」ですが、2019年2月1日にセヴァストーポリの『セヴァストーポリ海洋工場』のドックへ入り、オーバーホールを行なう事になりました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"はセヴァストーポリでオーバーホールを開始する]
オーバーホール中の3月3日、「アドミラル・グリゴロヴィチ」艦上で落下事故が発生し、水兵1名が死亡しました。
「アドミラル・グリゴロヴィチ」は3月11~12日頃に『セヴァストーポリ海洋工場』のドックから進水し、同社の係留岸壁へ移動しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"はセヴァストーポリでのオーバーホールを完了する]
そして4月2日、オーバーホール後の点検も兼ね、海上での戦闘訓練を開始しました。
- 関連記事
スポンサーサイト