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ロシア海軍の為の新型高射ミサイル複合体M-トールの開発は進められている

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年4月5日9時22分配信
【海軍の為に高射ミサイル複合体「トール」の海上ヴァージョンが作成される】

ロシアでは、高射ミサイル複合体「トール」の海上ヴァージョンの作成作業が行なわれている。
4月5日・金曜日、『ロシア通信社ノーボスチ』のインタビューに対し、イジェフスク電子機械工場『クーポル』(航空宇宙防衛コンツェルン『アルマーズ-アンテイ』へ加入)ファニル・ジャトジノフは述べた。


彼によると、「トール」海上版の試験モデルは既に一連の試験を経ており、高射ミサイル複合体の高い効率性は地上のみならず、海上でも示されている。

「この方向性での試験設計作業は成功裏に完了しており、我が国の海軍のコンパクトかつ効果的な対空防衛手段の保障を可能にします」
ファニル・ジャトジノフ
は付け加えた。
「一元化は、高射ミサイル複合体の改善の為の大いなる作業の当然の結果の1つです」

以前、ロシア高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ」の海上ヴァージョンが開発された事が想い起こされる。
「パーンツィリ-M」の公式プレゼンテーションは2017年のサンクトペテルブルク国際海軍サロンにおいて行われた。
この複合体は、1秒間に1000メートルまでの速度で飛行する目標を同時に4個まで攻撃する事が可能であり、反応時間は3~5秒である。
海上「パーンツィリ」ミサイル兵器は、20キロメートルまでの距離、高度2メートルから15キロメートルまでの目標を攻撃できる。
砲兵器は、4キロメートルまでの距離、高度0から3キロメートルまでである。

高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ-M」は、300トン以上の排水量の艦艇へ配置できる。



ロシア海軍の個艦防空用高射ミサイル複合体「キンジャール」は、陸上用高射ミサイル複合体「トール-M1」(SA-15ガントレット)の艦載型です。


ミサイル管制レーダー「ポドカート」(右端)
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8連装ミサイル垂直発射機
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「キンジャール」の開発は1975年からスタートし、プロジェクト1124K小型対潜艦MPK-104に試作品が搭載され、1982年から黒海で試験が行われました。
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現在、ロシア海軍プロジェクト11435重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」、プロジェクト11442重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、プロジェクト1155/11551大型対潜艦、プロジェクト11540警備艦「キンジャール」を装備しています。


一方、陸上タイプの方は、2000年代に改良型の「トール-M2」が開発されました。
「トール-M2KM」は、その最新ヴァージョンです。



そして、海軍の「キンジャール」の代替として、「トール-M2KM」の艦載ヴァージョンである「M-トール」も開発される事になりました。
[ロシア海軍の為の新型高射ミサイル「M-トール」が開発される]

「M-トール」は、ロシア海軍の新造艦・新世代艦への装備では無く、既に就役している艦の近代化改装の際に換装する事が想定されています。
[ロシア海軍の為の高射ミサイル"M-トール"は2018-2019年に登場する]

2016年10月には、黒海艦隊フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」後部ヘリコプター甲板高射ミサイル複合体「トール-M2KM」を搭載し、海上での発射試験が行なわれています。
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