2019年1月~3月にロシア海軍は48基の巡航ミサイル"カリブル"を受領した
- カテゴリ:打撃巡航ミサイル「カリブル」
『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2019年4月12日12時27分配信
【ロシア連邦軍は年の初めに48基の有翼ミサイル「カリブル」を受領した-ショイグ】
モスクワ、4月12日、インタファクス
防衛産業企業は、今年のこの3ヶ月間にロシア軍へ、ミサイル「カリブル」、複合体「バスチオン」、数十機の航空機及びヘリコプターを含む500以上の新たな兵器を納入した。
ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグは発表した。
「本日、私共は、今年の第1四半期の軍用製品及びインフラストラクチュア施設の受領結果を総計します。
この期間に、防衛企業は、軍へ500以上の新たな、そして約50の修復された兵器、軍用車両及び特殊車両を納入しました」
ショイグは、金曜日の軍需製品統一受領の日に話した。
彼によると、これらの兵器の中には、48基の作戦-戦術用途有翼ミサイル「カリブル」、1基の沿岸ミサイル複合体「バスチオン」、13機のヘリコプターMi-28、Mi-35M、そしてMi-8の様々なモデル、540両の自動車「チグル」、「ウラル」、「カマズ」が有る。
「加えて、軍は、工兵車両及び自動車、通信手段、航空兵器及び弾薬の受領を計画しております」
セルゲイ・ショイグは話した。
彼は更に、国際軍事技術フォーラム『アルミヤ-2019』で、全ての希望者は、大部分の最新の風貌のロシア製兵器の技術及び戦闘能力についての知識を得る事が出来ると述べた。
公開会議で国防相は宇宙飛行士の日の祝辞を述べた。
「4月12日は、人類史上、最も記念すべき日の1つであります。
多くの種類の練習、技術の才能に恵まれ、その力と知識を設計へ振り向け、国内宇宙飛行士を発展させました。
粘り強い労働のお陰で、我が国は明確な目的を持って宇宙分野での重要な発見をものにしました」
セルゲイ・ショイグは話した。
彼は確信を表明した。
「宇宙ロケット分野の経験の蓄積、強い科学技術のポテンシャルと高度の専門労働者は、今後、ロシアの防衛能力と安全を強化するでしょう」

エカテリンブルク市の『L.V.リュリエフ記念試験設計局ノヴァトール』により設計された有翼ミサイル「カリブル」(対地/対艦/対潜用)は、輸出用有翼ミサイル「クラブ」シリーズのロシア海軍向けヴァージョンです。
[対艦(対地)巡航ミサイル「クラブ」]
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]
最大射程距離は、対地攻撃型3M-14で2500km、対艦攻撃型3M-54で375km、対潜型(水上艦発射用)91RTE2で40km、対潜型(潜水艦発射用)91RE1で50kmになります。
飛翔速度は亜音速ですが、対艦攻撃型3M-54のみは目標の手前20km位で弾頭が分離して超音速に加速します。
元々は、ソ連海軍時代に配備された原子力潜水艦搭載用対地有翼ミサイル「グラナート」(SS-N-21)(1984年軍備採用、1990年代前半に退役)をベースに開発されました。

現在、ロシア海軍では、以下の艦に装備されています。
プロジェクト22350フリゲート
プロジェクト11356フリゲート
プロジェクト11661Kロケット艦「ダゲスタン」
プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦
プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦
プロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦
プロジェクト671RTMK原子力大型潜水艦「オブニンスク」
プロジェクト677「ラーダ」潜水艦
プロジェクト06363潜水艦
今後も「カリブル」搭載艦は増加します。
[2020年末にはロシア海軍の約半数近くの軍艦が巡航ミサイル"カリブル"を装備しているだろう]
「カリブル」は、2015年10月初頭以降、シリア領内のテロ組織~ISIL(イラク・レバントのイスラム国)や『アル=ヌスラ戦線』に対し、何度か実戦で使用されています。
[ロシア海軍はシリアのテロ組織へ100発の巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
・2015年10月7日:カスピ小艦隊のロケット艦「ダゲスタン」、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」がカスピ海南方からシリアへ発射(計26基)。
[ロシア海軍カスピ小艦隊の4隻の艦はシリアへ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍は巡航ミサイルでシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃した]
[ロシア連邦軍参謀本部作戦管理総局長はロシア海軍によるシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点攻撃について語った]
・2015年11月20日:カスピ小艦隊のロケット艦「ダゲスタン」、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」がカスピ海南方からシリアへ発射(計18基)。
[ロシア海軍カスピ小艦隊は再びシリアのISIL(シリアとレバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
・2015年12月8日:黒海艦隊の潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」が地中海東部からシリアへ発射(計4基)。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは地中海東部からシリアのISIL(イラク・レバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
・2016年8月19日:黒海艦隊の小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」、「セルプホフ」が地中海東部からシリアのへ発射(計3基)。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフはシリアのアル=ヌスラ戦線を巡航ミサイル"カリブル"で攻撃した]
・2016年11月15日:黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」が地中海東部からシリアへ発射(計3基)。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア領内のテロ組織へ巡航ミサイルを発射した]
・2017年5月31日:黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・エッセン」、潜水艦「クラスノダール」が地中海東部からシリアのパルミラへ発射(計4基)。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンと潜水艦クラスノダールはパルミラのISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
・2017年6月23日:黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」、「アドミラル・エッセン」、潜水艦「クラスノダール」が地中海東部からシリアのハマーへ発射(計6基)。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート2隻と潜水艦1隻はシリアのハマー県のISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
・2017年9月5日:黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・エッセン」が地中海東部からシリアのデリゾールへ発射(計6基)。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"はシリアのデリゾールのISIL(イラク・レバントのイスラム国)へ巡航ミサイルを発射した]
・2017年9月14日:黒海艦隊の潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」と「コルピノ」が地中海東部からシリアへ発射(計7基)。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノはシリアのデリゾールのISIL(イラク・レバントのイスラム国)へ巡航ミサイルを発射した]
・2017年9月22日:黒海艦隊の潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」が地中海東部からシリアのイドリブへ発射(計3基)。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドはシリアのイドリブの『アル=ヌスラ戦線』へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
・2017年10月5日:黒海艦隊の潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」、「コルピノ」が地中海東部からシリアへ発射(計10基)。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノはシリア政府軍の攻勢を支援する為、デリゾールのISIL(イラク・レバントのイスラム国)へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
・2017年10月31日:黒海艦隊の潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」が地中海東部からシリアのデリゾールへ発射(計3基)。
『タス通信』より
2017年10月31日17時53分配信
【潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」はデリゾールの『イスラム国』戦闘員へ「カリブル」で打撃を与えた】
・2017年11月3日:黒海艦隊の潜水艦「コルピノ」が地中海東部からシリアのアブ・カマルへ発射(計6基)。
(同時にロシア航空宇宙軍の爆撃機Tu-22M3が空爆)
『タス通信』より
2017年11月3日17時17分配信
【ロシア軍のTu-22M3と潜水艦「コルピノ」はシリアの『イスラム国』戦闘員へ打撃を与えた】
「カリブル」は、2016年前半(1月~6月)には計47基がロシア海軍へ納入されています。
[ロシア海軍は2016年前半に47基の巡航ミサイル"カリブル"を受領した]
2016年7月~9月の3ヶ月間には、「カリブル」と超音速対艦ミサイル「オーニクス」を合わせて100基以上がロシア海軍へ納入されました。
[ロシア海軍は2016年7月-9月に100基以上の巡航ミサイル"カリブル"及び超音速対艦ミサイル"オーニクス"を受領した]
2017年4月~6月の3ヶ月間には計60基の「カリブル」が引き渡されました。
[ロシア海軍は2017年4月~6月に60基の巡航ミサイル"カリブル"を受領した]
2018年1月~3月の3ヶ月間には、計46基の「カリブル」がロシア海軍へ引き渡されました。
[ロシア海軍は2018年1月~3月に46基の巡航ミサイル"カリブル"を受領した]
2018年4月~6月の3ヶ月間には、計49基の「カリブル」が引き渡されました。
[ロシア海軍は2018年4月~6月に49基の巡航ミサイル"カリブル"を受領した]
そして今回、ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグは、2019年1月~3月の3ヶ月間に、計48基の「カリブル」がロシア海軍へ引き渡された事を明らかにしました。
なお、4月12日はロシアの「宇宙飛行士の日」です。
1961年4月12日、ユーリー・ガガーリンにより、人類初の有人宇宙飛行が行なわれました。
既に「カリブル」の更なる改良型である「カリブル-M」の開発も始まっています。
[ロシア海軍の為の新型対地巡航ミサイル"カリブル-M"の開発は始まっている]
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