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ロシア海軍の為に2隻の巡航ミサイル原子力潜水艦ボレイ-Kが建造される?

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『タス通信』より
2019年4月20日14時2分配信
【情報筋:ロシア連邦は有翼ミサイルを持つ原子力潜水艦「ボレイ-K」を2隻建造するかもしれない】
モスクワ、4月20日/タス通信

(ロシア)国防省は、有翼ミサイルを搭載する新たな原子力潜水艦プロジェクト「ボレイ-K」2隻の建造の可能性を検討している。
土曜日に『タス通信』ロシア防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「軍当局は、更なる2隻のボレイの作成の可能性を検討しておりますが、これは弾道ミサイルでは無く、長距離有翼ミサイルを搭載します。
決定が採択された場合、これらの潜水艦は、新たなプロジェクト"ボレイ-K"として建造され、2027年以降に発注主へ納入されます」

対談者は話した。
彼は、新たな潜水艦の予定される特性については言わなかった。

『タス通信』は、情報筋から提示された情報を公式には確認していない。

現在のロシア「ボレイ」シリーズ潜水艦基本プロジェクト955潜水艦と改善された955A(ボレイ-A」)は、艦内に16基の弾道ミサイル「ブラヴァー」を搭載できる戦略艦である。
海軍の戦闘編制には、3隻のプロジェクト955潜水艦「ユーリー・ドルゴルーキー」、「アレクサンドル・ネフスキー」、「ウラジーミル・モノマーフ」が在籍し、近代化プロジェクト955A潜水艦のトップ「クニャージ・ウラジーミル」は試験を行なっており、セヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』では、更なる4隻の「ボレイ-A」が建造されている。

ロシア海軍は、今日において、2タイプの有翼ミサイル搭載潜水艦を有している:プロジェクト949A「アンテイ」潜水艦と、プロジェクト885「ヤーセン」/885M「ヤーセン-M」
海軍の戦闘編制には、6隻の「アンテイ」(各艦は24基の有翼ミサイル「グラニート」で武装する)と1隻のプロジェクト885潜水艦「セヴェロドヴィンスク」が加わり、近代化プロジェクト885M潜水艦のトップ「カザン」は工場航行試験を行なっており、更なる5隻の同型潜水艦が建造されている(「ヤーセン」には、ミサイル「カリブル」及び「オーニクス」の為の32基の発射装置が有る)

アメリカ合衆国海軍には有翼ミサイル搭載艦へ改造された4隻の「オハイオ」級戦略潜水艦が在籍している。
これらは、154基までのミサイル「トマホーク」を搭載できる。



プロジェクト955「ボレイ」戦略用途原子力水中ロケット巡洋艦シリーズは、計8隻が起工され、このうち3隻が就役済みです。

1番艦K-535「ユーリー・ドルゴルーキー」は、1996年11月2日に起工、2007年4月15日に進水、2012年12月29日に竣工、2013年1月10日に就役し、北方艦隊第31潜水艦師団に編入されました。
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーはロシア海軍へ就役した]
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーは北方艦隊第31潜水艦師団へ編入された]
就役後の動向が公表される事は滅多に在りませんが、2018年5月22日には弾道ミサイル「ブラヴァー」4基の一斉発射を行なっています。
[ロシア海軍北方艦隊の戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ユーリー・ドルゴルーキーは弾道ミサイル"ブラヴァー"4基を一斉に発射した]

2番艦K-550「アレクサンドル・ネフスキー」は、2004年3月19日に起工、2010年12月6日に進水、2013年12月23日にロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊第25潜水艦師団へ編入されました。
[ボレイ級戦略原潜2番艦アレクサンドル・ネフスキーはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]
2015年9月30日に太平洋艦隊原潜基地ヴィリュチンスクへ到着しています。
[ロシア海軍新世代戦略原潜アレクサンドル・ネフスキーはカムチャツカ半島の原潜基地へ到着した]
就役後の動向が公表される事は滅多に在りませんが、2018年4月中旬には同型艦「ウラジーミル・モノマーフ」と対戦方式の戦闘訓練を行なっています。
[ロシア海軍太平洋艦隊のボレイ級戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ウラジーミル・モノマーフとアレクサンドル・ネフスキーはカムチャツカ沖で『決闘』を行なった]

3番艦K-551「ウラジーミル・モノマーフ」は、2006年3月19日に起工、2012年12月30日に進水、2014年12月10日に竣工、同年12月19日に就役し、太平洋艦隊第25潜水艦師団へ編入されました。
[第3のボレイ級戦略原潜ウラジーミル・モノマーフはロシア海軍へ就役した]
2016年9月26日に太平洋艦隊原潜基地ヴィリュチンスクへ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフはカムチャツカ半島の太平洋艦隊原潜基地へ到着した]
就役後の動向が公表される事は滅多に在りませんが、2018年4月下旬には対潜部隊への魚雷攻撃訓練を行なっています。
[ロシア海軍太平洋艦隊のボレイ級戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ウラジーミル・モノマーフは対潜部隊への魚雷攻撃演習を行なった]


4番艦からは改良型のプロジェクト955A「ボレイ-A」となり、その1番艦K-549「クニャージ・ウラジーミル」は、2012年7月30日にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」で起工されました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミル起工]
2017年11月17日に進水しました。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜クニャージ・ウラジーミル進水(2017年11月17日)]
就役は2019年12月に予定されており、北方艦隊へ配備されます。
[2019年末までにロシア海軍へ就役するボレイ-A級戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは洋上試験と乗組員の慣熟訓練を同時並行で行なう]
[第4のボレイ級戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは2019年12月にロシア海軍へ引き渡される]

5番艦(「ボレイ-A」級としては2隻目)「クニャージ・オレグ」は、2014年7月27日に起工されました。
[ボレイ級戦略原潜5番艦クニャージ・オレグはロシア海軍の日に起工された]
[ロシア海軍の為の新世代戦略原潜ボレイ級5番艦クニャージ・オレグの船体(耐圧殻)の水密試験は完了した]
就役は2020年頃に予定されており、北方艦隊へ配備されます。

6番艦(「ボレイ-A」級としては3隻目)「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は2014年12月26日に起工されました。
[ロシア海軍の為の第6のボレイ級戦略原潜は起工された]
就役は2020年頃に予定されており、太平洋艦隊へ配備されます。

7番艦(「ボレイ-A」級としては4隻目)「インペラートル・アレクサンドルIII」(皇帝アレクサンドル3世)は2015年12月18日に起工されました。
[太平洋艦隊の為のロシア海軍新世代戦略原潜ボレイ級7番艦インペラ―トル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)は起工された]
就役は2021年頃に予定されており、太平洋艦隊へ配備されます。

8番艦(「ボレイ-A」級としては5隻目)「クニャージ・ポジャールスキー」は2016年12月23日に起工されました。
[ロシア海軍の為の第4世代戦略原潜ボレイ級最終艦クニャージ・ポジャールスキーは起工された]
就役は2022年頃に予定されており、北方艦隊へ配備されます。


当初は「クニャージ・ポジャールスキー」を以ってプロジェクト955A「ボレイ-A」の建造は終了し、その後は、更なる改良型であるプロジェクト955B「ボレイ-B」が少なくとも4隻建造される計画でした。
[新型戦略原潜ボレイ-Bの1番艦は2026年にロシア海軍へ引き渡される]

しかし、「ボレイ-B」は、費用対効果の面で満足の行くものとはなりませんでした。
[ロシア海軍の新型戦略原子力水中巡洋艦ボレイ-Bの設計作業は進められている]

その後、「ボレイ-B」の代わりに「ボレイ-A」を追加建造するという話が出てきました。
[ロシア海軍の為にボレイ-A戦略用途原子力水中巡洋艦2隻が追加建造される]
[ロシア海軍の第4世代戦略原子力潜水艦ボレイ級シリーズは10隻に増加する]

しかしこれも、「ボレイ」シリーズを設計した海洋工学中央設計局『ルビーン』のトップにより否定されました。
[ロシア海軍の為のボレイ-A戦略用途原子力水中巡洋艦の追加建造は無い]


そして最近、「ボレイ-A」追加建造に代わる新たな構想として、有翼ミサイル搭載型の「ボレイ-K」が検討されているようです。
現段階では、未だ建造は決定されていないようですが。

「ボレイ-K」長距離有翼ミサイルを搭載するとの事ですが、これは、現用の「カリブル」の改良発展型「カリブル-M」の事でしょう。
[ロシア海軍の為の新型対地巡航ミサイル"カリブル-M"の開発は始まっている]

「ボレイ」シリーズは、元々は、プロジェクト949Aの後継として計画されたプロジェクト881「メルクーリイ」有翼ミサイル原子力潜水艦の船体設計を流用したものですから、これを有翼ミサイル搭載型にするのは、さほど難しい事では無いでしょう。
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