ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は中国の青島港へ到着した

『タス通信』より
2019年4月21日17時45分配信
【ロシア艦船支隊は中国海軍70周年パレードへ参加する為に青島へ到着した】
青島/中国、4月21日/タス通信
ロシア海軍艦船支隊は、中国人民解放軍海軍発足70年へ捧げられる記念行事へ参加する為、日曜日に青島港(上海県、中国東部)へ到着した。
『タス通信』特派員は報告した。
救助曳船「ニコライ・チケル」、物資-技術サービス支援船「エリブルス」、給油船「カーマ」で構成される艦船グループは、同日午前に青島港へ入った。
艦船支隊は、北方艦隊のフリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」(ソ連邦海軍元帥ゴルシコフ)に率いられている。
艦及び支援船は、4月23日に行なわれる記念行事及び海軍パレードへ参加する。
艦船の歓迎式典中、中華人民共和国のロシア大使アンドレイ・デニソフは、ロシア艦船の中国港への今度の寄港は、ユニークな性格を帯びている事を指摘した。
「ロシア海軍の艦~これは、中国水域において稀な事では有りません。
私共には、このラインを含め、充分に緊密な協力プログラムが有ります。
ですが、北方艦隊の艦船支隊が到着したのは、今回が初となります。
ここへ来る為に、2ヶ月が必要でした」
外交官は語った。
「乗組員に関しましては、無論私が改めて申し上げるまでも無く、彼らが聖枝祭の日曜日に青島港へ入った事は、良き兆候であると思われ、この事は艦船グループの全ての航路に付随すべきでしょう」
デニソフは付け加えた。
ロシア外交ミッションのトップは、その演説で、ロシアと中国の海軍協力は特別な性格のものである事を強調した。
「今年は、当時のソヴィエト連邦の海軍の支援と協力により中国海軍が創設されてから70年になります。
この頃の数多くの組織的勤務(中国艦船の)は、我々の習慣及び手順によって行なわれた事が思い出されます
無論、中国海軍の70年の歩みは今後も進み、現代的な艦、現代的な機器が装備されます。
このような軍事協力は、両国にとって有益なものです。
我々は、その成功と発展を祈るだけです」
外交官は話した。
デニソフは更に、ロシア艦船の中国への到着は、予定されるロシア大統領ウラジーミル・プーチン訪問の入り口である事を想起した。
「5日後、この場所へ、中国へ、ロシア連邦大統領・最高司令官の訪問が有る事を忘れてはおりません。
これは同様に大きな出来事です。
北方艦隊艦船支隊の青島港への寄港は、我々2ヶ国関係の主な出来事を前にした良き兆候であると言えるでしょう」
ロシア大使は指摘した。
[中国人民解放軍海軍設立70周年祝賀行事]
4月22日から25日に、青島で中国人民解放軍海軍設立70周年祝賀行事が行なわれる。
4月23日のパレードには、世界の10ヶ国以上の約20隻の戦闘艦、更に、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、アメリカ、太平洋地域の60ヶ国の使節団が参加する。
中国側からは、航空母艦「遼寧」、最新原子力潜水艦、警備艦、揚陸艦、更には駆逐艦を含む30隻以上の艦と39機の航空機がパレードへ参加する。
パレードの空中部門の最中に、遠距離電波位置測定検出航空機、爆撃機、偵察機、陸上戦闘機及び艦上戦闘機、ヘリコプター、対潜哨戒機がデモンストレーションを行なう。
中国人民解放軍海軍は、1949年4月23日に創設された。
[フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」]
「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」は、現在、ロシア海軍の為に建造されているプロジェクト22350フリゲートシリーズのトップである。
それは2006年始めに起工され、2010年秋に進水した。
2014年11月、艦は初めて試験へ出発し、2018年7月、ロシア海軍北方艦隊の第43ロケット艦師団へ加入した。
「アドミラル・ゴルシコフ」の満載排水量は5300トン、全長-136メートル、幅-17メートル。
フリゲートの基本兵装は、海上および地上目標の撃破が可能な16基の海上配置有翼ミサイル「カリブル」を装填した汎用ミサイル複合体「カリブル-NK」である。
この他に、高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」、A-192砲、ミサイル-砲システム「パラシ」が配置されている。
艦は更に、ヘリコプターを展開する為の格納庫を有する。
日曜日に北方艦隊広報サービスが伝えたように、フリゲートの最初の遠距離航海は2月26日に始まった。
これまでに「アドミラル・ゴルシコフ」は14000海里を航行し、一連の戦闘演習任務を遂行し、スリランカ島及びジブチへの業務寄港を行なった。
1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の1番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」(ソ連邦海軍元帥ゴルシコフ)は、サンクトペテルブルク市の『北方造船所』で2006年2月1日に起工され、2010年10月29日に進水し、2018年7月28日にロシア海軍へ就役しました。
[プロジェクト22350フリゲート1番艦アドミラル・ゴルシコフはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]
就役の翌日の7月29日の『ロシア海軍の日』にはクロンシュタットの観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
観艦式が終わった後、8月中はサンクトペテルブルクに滞在していましたが、9月1日に出航し、セヴェロモルスクへ向かいました。
2018年9月8日に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]

2018年9月18日、乗組員の慣熟訓練の為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は慣熟訓練の為にバレンツ海へ出航した]
2018年10月2日、バレンツ海で「高射ミサイル複合体」(ポリメント-リドゥート)を使用する対空防衛演習を行ない、ミサイル標的「サマン」を撃墜しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"を発射した]
2018年10月4日、「アドミラル・ゴルシコフ」は、バレンツ海で再び高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」を空中標的及び海上標的へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"で海上目標と空中目標を撃破した]
その後、一旦基地へ戻っていたようですが、10月13日に再びバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で戦闘演習を行なう]
2018年10月23日には、高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」を空中標的へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"で空中目標を撃破した]
2018年11月8日~9日、北方艦隊の潜水艦「カルーガ」が遭難したという想定下で救助演習が行なわれ、「アドミラル・ゴルシコフ」も重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」と共に参加しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーとフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は潜水艦の救助演習を行なった]
2018年12月4日、戦闘訓練を行なう為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は戦闘訓練の為に出航した]
2018年12月6日、バレンツ海から有翼ミサイル「カリブル」(対地攻撃型)をロシア北西部のチジャ射爆場へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海から巡航ミサイル"カリブル"を地上目標へ発射した]
「アドミラル・ゴルシコフ」の舷側番号は、就役前から「417」でしたが、2018年12月下旬までに「454」へ変更されました。

北方艦隊の水上艦で舷側番号400番台は駆逐艦に付けられているので、「アドミラル・ゴルシコフ」(プロジェクト22350フリゲート)は、駆逐艦と同格扱いになっているようです。
2019年1月26日、「アドミラル・ゴルシコフ」は戦闘訓練を実施する為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は戦闘訓練の為にバレンツ海へ出航した]
1月28日にはA-192 130mm単装砲による海上および陸上目標への砲撃、更にはダメージコントロール訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で130mm砲を発射した]
1月31日には、北方艦隊の掃海艦と協同で機雷源を突破する訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で機雷源突破訓練を行なった]
2月5日には、後方支援船「エリブルス」及び救助曳船「ニコライ・チケル」と艦船支隊を編成し、北方艦隊副司令官ヴィクトール・ソコロフ中将が座乗する支隊の旗艦として行動しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海の演習で艦船支隊の旗艦を務めた]
プロジェクト23120多機能後方支援船の1番船「エリブルス」は、2018年4月9日に就役した最新鋭の多用途支援船です。
[プロジェクト23120多機能後方支援船エリブルスはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]

『Marine Traffic』より
【「エリブルス」】
プロジェクトR-5757救助海洋曳船の1番船「ニコライ・チケル」(SB-131)は、1989年4月12日に就役した世界最大級のタグボートです。

『Marine Traffic』より
【曳船「ニコライ・チケル」】
2019年2月26日、「アドミラル・ゴルシコフ」は、「エリブルス」及び「ニコライ・チケル」と共に遠距離航海へ出発し、大西洋へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は遠距離航海へ出発した]
2月初頭の演習は、この遠距離航海の為のリハーサルだったようです。
3月3日にはノルウェー海で艦載ヘリコプターを使用する潜水艦捜索訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はノルウェー海で潜水艦捜索訓練を行なった]
その後、北方艦隊艦船支隊には、プロジェクトREF-675中型海洋給油船の1番船「カーマ」(1982年9月29日就役)が合流しました。
『Marine Traffic』より
【給油船「カーマ」】
「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は、グレートブリテン島北部のマレー湾で訓練を行なった後、3月5日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はラマンシュ海峡へ入った]
ロシア海軍の艦船がラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過する際には、必ずグレートブリテン海軍の水上艦が監視任務へ就きますが、今回は、45型駆逐艦「ディフェンダー」(2013年3月21日就役)でした。

「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は、3月8日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)を出てケルト海へ入りました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過した]

「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は、3月12日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]
[スペイン空軍の対潜哨戒機P-3は地中海西部でロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"を監視する]
その後、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は地中海を東へ進み、3月15日にはマルタ島周辺海域へ到達しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はマルタ島周辺へ到達した]
3月19日には、地中海に居る北方艦隊の大型対潜艦「セヴェロモルスク」と共に、艦載ヘリコプターによる潜水艦の捜索や遭難者の捜索救助訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年3月19日16時54分配信
【北方艦隊のヘリコプター乗員は地中海の大型対潜艦「セヴェロモルスク」艦上からのフライトを行なった】
その後、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は地中海東部を通過してスエズ運河へ入り、3月21日には紅海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はスエズ運河を通過して紅海へ入った]

3月25日にジブチへ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はジブチへ寄港した]

3月28日にジブチを出航し、アデン湾へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はジブチを去り、アデン湾へ向かった]
4月1日にはインド洋(随伴船の位置から推察すると、正確にはアラビア海のソコトラ島東方海域)で対空戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はアラビア海で対空戦闘訓練を行なった]

4月3日、「アドミラル・ゴルシコフ」はスリランカのコロンボ港へ入港しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はスリランカのコロンボを訪れた]
4月6日、「アドミラル・ゴルシコフ」はコロンボ港を出航し、中国の青島へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はスリランカのコロンボを去り、中国へ向かった]
4月11日にマラッカ海峡へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はマラッカ海峡へ入った]

4月13日には南シナ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は南シナ海へ入った]
4月16日にはフィリピン海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はフィリピン海へ入った]

4月20日に黄海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は黄海へ入った]
そして4月21日、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は青島へ到着しました。
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