新型潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフ進水

2012年10月30日、サンクトペテルブルク市の「アドミラルティ造船所」で建造中の新型救助船「イーゴリ・ベロウソフ」が進水しました。
「アドミラルティ造船所」公式サイトより
【株式会社「アドミラルティ造船所」は救助船「イーゴリ・ベロウソフ」を進水させた】




『中央海軍ポータル(フロートコム)』より
2012年10月30日配信
【大洋級救助船の進水はサンクトペテルブルクで行なわれた】
進水式典には、ロシア海軍総司令官ヴィクトル・チルコフ大将、株式会社「アドミラルティ造船所」総取締役アレクサンドル・ブザコフ、「統合造船業営団」総裁アンドレイ・ジャチコフといった要人が出席しました。
2012年10月30日配信
【救助船「イーゴリ・ベロウソフ」の建造が長期に渡ったのは、同プロジェクトの搭載機器の難事の為である-ヴィクトル・チルコフ】
ロシア海軍総司令官ヴィクトル・チルコフ大将は、2005年12月24日に起工された「イーゴリ・ベロウソフ」の建造が長期間に渡ったのは、同船に搭載予定の深海救助機器GVK-450の開発遅延によるものであると述べました。
この他、同船の建造資金供給も滞っていた為、工事が中断される事も有りました。
2012年10月30日配信
【ロシア海軍の大洋級救助船のシリーズ船の建造は、救助船「イーゴリ・ベロウソフ」の試験結果による-海軍総司令官】
ロシア海軍総司令官ヴィクトル・チルコフ大将は、救助船「イーゴリ・ベロウソフ」の同型船が建造されるか否かは、「イーゴリ・ベロウソフ」の航海試験の結果によると述べました。
2012年10月30日配信
【深海救助装置「ベステル-1」は2013年4月に係留試験を実施する】
「アドミラルティ造船所」総取締役アレクサンドル・ブザコフは、「イーゴリ・ベロウソフ」に搭載予定のプロジェクト18271「ベステル-1」深海救助装置の係留試験が2013年4月に実施されると述べました。
「ベステル-1」は、ニジニ・ノヴゴロドの中央設計局「ラズリート」が開発しており、プロジェクトは1994年にスタートしました。
建造を担当するのは「アドミラルティ造船所」です。
因みに、原型のプロジェクト18270「ベステル」深海救助装置AS-36は1996年に北方艦隊へ配備されています。


救助船「イーゴリ・ベロウソフ」の建造のきっかけとなったのは、2000年8月の原子力潜水艦「クルスク」爆沈事故でした。
この時、「クルスク」の乗員の一部は沈没後も生存していたのですが、当時、極度の財政難に喘いでいたロシア海軍には、沈没した潜水艦を救助できる各種設備(救助船など)の維持すら困難であり、この為、「クルスク」乗組員を救助する事が出来ませんでした。
[プロジェクト21300救助船「イーゴリ・ベロウソフ」]
水線長:97.8メートル
水線幅:17.2メートル
中央部全高:10.6メートル
排水量:5037トン
速力:15ノット
航続距離:3500海里
乗員:96名
この他に120名を収容可能

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