ロシア海軍のプロジェクト12341小型ロケット艦(ナヌチュカ級)の近代化改装は始まっている

『イズベスチヤ』より
2019年4月26日0時1分配信
【「オヴォード」の誇り:海軍は小型ロケット艦を近代化する】
ソヴィエト時代に建造されたプロジェクト12341小型ロケット艦は現役に留まる。
海軍は、小型ロケット艦「オヴォード」の復帰プログラムを採択した。
海軍総司令部は『イズベスチヤ』へ話した。
その作業中に小型ロケット艦はエンジン、電波電子機器を交換し、現代的な兵器を設置する。
公式には小型ロケット艦は沿岸ゾーン艦ではあるが、以前には、地中海や南シナ海への航行を成功裏に行なっている。
更新及び再軍備される「オヴォード」は、駆逐艦あるいはフリゲートに対しても劣勢では無く、ミサイル打撃を与える事が出来る。
[完全な修理]
プロジェクト12341「オヴォード」の近代化は、事実上、艦の全てのあらゆるシステムに及ぶと海軍総司令部は説明した。
小型ロケット艦には現代的な火力管制手段、電波位置測定ステーション、通信システム、より効果的な兵器、更には、経済的かつ強力なディーゼルエンジンが設置される。
「オヴォード」は近代化を経て、ミサイルKh-35で再装備する~これは、アクティブホーミングの亜音速低高度弾であり、指向性破片弾頭を装備すると国防省の情報提供者は『イズベスチヤ』へ話した。
このミサイルは、260キロメートルまで離れた目標の撃破が可能である。


[『イズベスチヤ』参照]
現在、海軍には12隻のプロジェクト12341「オヴォード」小型ロケット艦が在籍している。
バルト艦隊では第36ロケット艇旅団を編成し、小型ロケット艦「ズイビ」、「ゲイゼル」、「パッサート」、「リヴェン」が含まれる。
黒海艦隊の第41旅団には、「ミラーシュ」と「シチーリ」が居る。
北方艦隊の第7水域保護旅団では、「アイスベルク」と「ラッスヴェート」が勤務に就いている。
太平洋艦隊では第114水域保護旅団を編成し、「スメルチ」、「イネイ」、「モローズ」、「ラズリーフ」が集合している。
艦は、「シチーリ」と「アイスベルク」を除いて1986年から1992年までの期間に海軍へ加入し、建造は、それ以前の1970年代末からであった。
「オヴォード」の近代化作業は既に始まっている。
今年4月、『キンギセップ機械製造工場』は、小型ロケット艦「ラッスヴェート」の主エンジンセクションの修理を完了した。
2018年末には、「アイスベルク」と「ゲイゼル」のエンジンがもたらされた。
カムチャツカでは、現在、小型ロケット艦「スメルチ」が修理されている。
バルト艦隊の小型ロケット艦「ズイビ」は、以前から長期に渡り『第33艦船修理工場』で主エンジンの大規模修理を待っている。
[内海で効果的]
近代化された「オヴォード」は海軍の戦闘能力を著しく向上させると元海軍総参謀長ワレンチン・セリヴァノフは考える。
「小型ロケット艦は、内海及び沿岸ゾーンで使用するには良いものです」
ワレンチン・セリヴァノフは『イズベスチヤ』へ話した。
「ソヴィエト社会主義共和国連邦において、オヴォードは地中海のタルトゥース及びトブルクで同時に行動していました。
これらの艦の任務は、待ち伏せ行動でした。
危機が発生した際、分散し、攻撃開始あるいは、基地から飛び出し、目標へミサイル打撃を与える命令を待たなければなりませんでした。
現代的かつ効果的なミサイル兵器の登場のみが、オヴォードの効果性を強化します。
これらの艦の短距離での打撃の正確性を保証します。
近代化された後の艦は、更に10年間の勤務が可能となります」
1980年代、「オヴォード」は地中海東部に滞在し、この軍事行動舞台における強大なアメリカ合衆国第6艦隊への対応の先頭に在った。
沿岸の戦闘行動舞台における小型ロケット艦の追跡移動は、困難であった。
挑発行動は不可避であり、アメリカの提督は深い憂慮を抱いていた。
地中海における「オヴォード」の技術的回復は、シリアのタルトゥース港の長期リース合意署名後に可能となった事をワレンチン・セリヴァノフは指摘した。
プロジェクト12341小型ロケット艦は1960年代に作成された。
造船所は、安価でコンパクトだが、同時に迅速に艦を海軍へ引き渡さなければならなかった。
開発の発注は、レニングラードの中央海洋設計局『アルマーズ』が受けた。
プロジェクトは、「オヴォード」のコード名を付けられた。
海軍は、どんどん成長する同プロジェクトの全ての艦を、こう言い表した。
それは、大して素晴らしい特性でもないが、「噛み付き」小型ロケット艦であると。
排水量約700トンの艦の船体には、力強い兵器一式が離れて配置されている。
全長57メートル、幅12メートルの「オヴォード」は、6基の対艦ミサイル「マラヒート」の為の2基の発射装置、目標照準電波位置測定複合体「チタニート」、電波電子戦闘手段、高射ミサイル複合体「オサー-M」と、口径76mmのAK-176単装砲熱いは口径57mmのAK-725連装砲を受け取っている。
各モデルには、口径30mmのAK-630M砲塔が設置されている。
艦は、出力1万馬力の3基のディーゼルエンジンを受け取り、35ノットの速力を発揮出来る。
当初、小型ロケット艦は、艇クラスに属する事が求められていたが、ソヴィエト社会主義共和国連邦海軍総司令官セルゲイ・ゴルシコフは、新たなクラス~小型ロケット艦を特別に承認した。
最初の「オヴォード」の進水の際、総司令官は有名なフレーズを話した。
「この小型ロケット艦は、帝国主義者への警告の為のピストルである」
NATO諸国は「オヴォード」をコルベットと称した。
[2倍に強力]
「オヴォード」は、これまでに、近海ゾーンにおいて戦闘艦及び支援船と効果的に先頭を行なえる艦であると考えられていた。
ロシアの「オヴォード」は、トビリシとの戦争の際、戦闘の洗礼を受けた。
小型ロケット艦「ミラーシュ」は、2008年8月10日、グルジア海軍の高速艇を撃沈した。
納入された「オヴォード」は、素早い「針」である。
船員は、絶えず、これらの艦の火力を愛し、信頼していたと軍事専門家ドミトリー・ボルテンコフは考える。
「アルジェリア海軍の為に、ロシアの造船所は、このような小型ロケット艦3隻を近代化しました」
ドミトリー・ボルテンコフは『イズベスチヤ』へ話した。
「これらは、同時に電子機器及びエンジンを受け取り、更には、対艦ミサイルKh-35で再装備されました。
この経験は、今後役に立ちます。
国内のオヴォードは近代化の後、4基の発射装置を受け取る事が出来、各々は4基のミサイルの連続発射が可能です。
艦の同時発射弾数は、6基から16基に増加します。
2隻の艦の同時発射数はミサイル32基となり、その能力は、沿岸ミサイル複合体バル大隊と、ほぼ同等になります。
近代化の結果、オヴォードの戦闘力は、完全に2倍に向上します」
理論的に小型ロケット艦は、対艦ミサイル「オーニクス」を設置できる。
1982年、1隻の「オヴォード」は、このミサイルの試験の為、プロジェクト1234.7プロジェクト1234.7として開発、建造された。
合計で47隻の「オヴォード」が建造され、ロシア海軍の軍備としてのみならず、アルジェリア、リビア、インドが購入した。
プロジェクト1234「オヴォード」小型ロケット艦シリーズ(西側コード名「ナヌチュカ」)は、1970年から1991年までの長期間に渡り、計49隻が建造されました。

・プロジェクト1234「オヴォード」:基本型
レニングラードのアルマーズ造船工場で17隻建造
ウラジオストク造船工場で3隻建造

・プロジェクト1234E「オヴォード-E」:輸出型(アルジェリアに3隻、インドに3隻、リビアに4隻)、対艦ミサイルを1世代前の「テルミート」にしたダウングレード版。
レニングラードのアルマーズ造船工場で3隻建造
ルイビンスクのヴィンペル造船工場で7隻建造

・プロジェクト12341「オヴォード-1」:57mm砲を76mm砲に換装、30mm機関砲1基を追加
レニングラードのアルマーズ造船工場で15隻建造、他に1隻未完成
ウラジオストク造船工場で4隻建造

・プロジェクト12347:超音速対艦ミサイル「オーニクス」試験艦へ改造
レニングラードのアルマーズ造船工場で1隻建造
現在もロシア海軍で12隻(12341)、アルジェリア海軍で3隻が現役に留まっています。
ロシア海軍では、北方艦隊に2隻、太平洋艦隊に4隻、バルト艦隊に4隻、黒海艦隊に2隻が在籍しています。
アルジェリア海軍の3隻の1234Eは、2012年までにロシアの造船所で順次近代化改装を行ない、対艦ミサイルを「ウラン」4連装発射筒4基に換装し、これに伴い電子機器も換装されました。

そして、ロシア海軍の12341も対艦ミサイルを「ウラン」に換装するなどの近代化改装が実施される事になりました。
[ロシア海軍のプロジェクト12341小型ロケット艦(ナヌチュカ級)は近代化改装される]
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