ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦スタールイ・オスコルとクラスノダールは2020年後半まで地中海東部で行動し、その後にサンクトペテルブルクでオーバーホールを行なう
- カテゴリ:地中海情勢(2019年)


『タス通信』より
2019年5月2日20時33分配信
【潜水艦「スタールイ・オスコル」と「クラスノダール」は2020年末に計画修理へと向かう】
タス通信、5月2日
黒海艦隊の潜水艦「スタールイ・オスコル」と「クラスノダール」は、2020年末まで地中海のロシア海軍常設作戦連合部隊の一員として任務を遂行し、その後にサンクトペテルブルクで計画修理を始める。
『タス通信』は木曜日に造船業界の情報提供者より伝えられた。
「2020年末には、これらを建造した企業である『アドミラルティ造船所』(サンクトペテルブルク)で、計画修理が始まる予定です」
対談者は話した。
4月に「スタールイ・オスコル」と「クラスノダール」は、シリア沖で戦闘当直に就いていた同型潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」及び「コルピノ」と交代し、地中海のロシア連合部隊へ加わった。
3ヶ月ごとに乗組員のローテーションが行なわれた。
以前、「スタールイ・オスコル」は、ロシア北西部で修理を行なうと黒海艦隊広報サービスは発表した。
『アドミラルティ造船所』(『統合造船業営団』へ加入)は、黒海艦隊の為の6隻のプロジェクト636.3潜水艦を建造した。
潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」、「ヴェリキー・ノヴゴロド」、「コルピノ」は、地中海戦隊に在った時、シリアのテロリストの施設へ有翼ミサイル複合体「カリブル」による打撃を何度も与えた。
プロジェクト06363潜水艦の3番艦B-262「スタールイ・オスコル」は、2012年8月17日に起工され、2014年8月28日に進水し、2015年7月3日にロシア連邦海軍へ就役しました。
[プロジェクト06363潜水艦スタールイ・オスコルはロシア海軍へ就役した]
その後、2015年7月27日の「ロシア海軍の日」にはバルチースクの観艦式へ参加しました。
[バルチースクの『海軍の日』記念観艦式にロシア海軍の最新鋭艦5隻が参加する]
2015年10月16日、深海試験や兵装試験-有翼ミサイル「カリブル」を含む-の為、北方艦隊の潜水艦基地ポリャールヌイへ到着しました。
[ロシア海軍の最新潜水艦スタールイ・オスコルは深海試験の為に北方艦隊基地ポリャールヌイへ到着した]
2016年5月6日、バレンツ海で有翼ミサイル「カリブル」対地型を沿岸目標へ発射しました。
(前日の5月5日には、「カリブル」対艦型を海上目標へ発射)
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦スタールイ・オスコルはバレンツ海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
北方海域(バレンツ海)における「スタールイ・オスコル」の試験は2016年5月末までに全て完了しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦スタールイ・オスコルはバレンツ海での試験を全て終えた]
「スタールイ・オスコル」はポリャールヌイを出航し、2016年6月初頭に英仏海峡を浮上航行中、ブリテン海軍のフリゲートに視認されました。

その後、大西洋を南下して地中海へ入りました。
[ロシア海軍の最新潜水艦スタールイ・オスコルは2016年7月初頭に黒海艦隊基地へ到着する]

2016年6月29日午前にダーダネルス海峡とボスポラス海峡を通過して黒海へ入りました。
[ロシア海軍の最新潜水艦スタールイ・オスコルは黒海へ入った]
2016年7月1日夕方、「スタールイ・オスコル」はノヴォロシースク基地へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新潜水艦スタールイ・オスコルはノヴォロシースク海軍基地へ到着した]
以後は2019年4月下旬まで黒海で行動していましたが、4月25日、「スタールイ・オスコル」はボスポラス海峡とダーダネルス海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦スタールイ・オスコルはオーバーホールの為にロシア北西部へ向かう]
プロジェクト06363潜水艦の4番艦B-265「クラスノダール」は、サンクトペテルブルクの『アドミラルティ造船所』で2014年2月20日に起工され、2015年4月25日に進水し、2015年11月5日にロシア海軍へ就役しました。
[第4のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはロシア海軍へ就役した]
就役後もバルト海で慣熟訓練を行なっていましたが、2016年4月中旬に「航海中の事故」を起こし、4月20日にバルチースク基地へ戻りました。
ポーランド海軍の潜水艦と衝突したという話も有りますが、ポーランド国防省は否定しました。
「クラスノダール」は事故による損傷を修理する為、また『アドミラルティ造船所』へ戻り、2016年5月上旬から7月9日まで修理が行なわれました。

修理後、2016年7月31日の「ロシア海軍の日」には、サンクトペテルブルクのネヴァ川で行なわれた観艦式に参加しました。

その後もバルト海で慣熟訓練を行なっていたようです。

2017年4月8日、「クラスノダール」はバルト海で有翼ミサイル「カリブル」(対艦型)を水上標的へ発射しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはバルト海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
「クラスノダール」は、2017年5月初頭に黒海艦隊基地へ向けて出航しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールは黒海艦隊基地への移動を開始した]
「クラスノダール」は浮上状態で航行し、2017年5月5日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。

2017年5月13日にはジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の第4のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

2017年5月31日、フリゲート「アドミラル・エッセン」と共にシリア沿岸沖の公海上からシリアのパルミラ(タドムル)のISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ、有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンと潜水艦クラスノダールはパルミラのISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
2017年6月23日には、フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」、「アドミラル・エッセン」と共にシリア沿岸沖の公海上からシリアのハマー県のISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ、有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート2隻と潜水艦1隻はシリアのハマー県のISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
その後も地中海東部に留まっていました。
2017年7月30日の「ロシア海軍の日」には、シリアのタルトゥース港で挙行された観艦式へ参加しました。
2017年8月7日には地中海を離れ、ボスポラス海峡を北上して黒海へ入りました。

[ロシア海軍黒海艦隊の最新潜水艦クラスノダールは地中海を去った]
2017年8月9日、「クラスノダール」はセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新潜水艦クラスノダールはセヴァストーポリへ到着した]

その後は黒海でのみ行動していた「クラスノダール」ですが、2019年3月12日にセヴァストーポリを出航した後、3月14日にボスポラス海峡及びダーダネルス海峡を通過し、ほぼ1年半ぶりに地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦クラスノダールは地中海東部へ行く]
4月4日、地中海東部で行動中の「クラスノダール」で乗組員の1人が虫垂炎の症状を発し、陸上の病院へ移送するのは間に合わないと判断された為、潜航中の「クラスノダール」艦内で緊急の外科手術が行なわれる事になりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦クラスノダールで緊急手術が行なわれた]
そして「スタールイ・オスコル」と「クラスノダール」は、2020年後半まで地中海東部に滞在し、その後、2020年末までにサンクトペテルブルクの『アドミラルティ造船所』へ回航し、オーバーホールが行なわれる事になりました。
「スタールイ・オスコル」に関しては、ロシア北西部で修理を行なう為に出航したと発表されていましたが、それは、地中海東部で行動した後に、という意味だったようです。
この2隻の地中海東部滞在中、乗組員は3ヶ月ごとに交代するようです。
現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しています。
[黒海艦隊]
潜水艦「クラスノダール」:2019年3月中旬から地中海東部に滞在
潜水艦「スタールイ・オスコル」:2019年4月末から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」:2019年4月下旬から地中海東部に滞在
小型ロケット艦「オレホヴォ・ズエヴォ」:2019年3月末から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「オルスク」:2019年4月末から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」:2019年4月上旬から地中海東部に滞在
中型偵察艦「プリアゾヴィエ」:2018年12月末から地中海東部に滞在
救助曳船SB-739:2019年4月上旬から地中海東部に滞在
サルベージ船KIL-158:2019年4月末から地中海東部に滞在
工作船PM-56:2019年1月下旬から地中海東部に滞在
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