ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"はシリアのタルトゥース港で対空防衛演習を行なった
- カテゴリ:地中海情勢(2019年)

『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2019年5月6日12時38分配信
【ロシア艦は地中海で仮想敵の有翼ミサイルへ対処する演習を実施した】
モスクワ、5月6日、インタファクス
ロシアのフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、地中海で仮想敵の有翼ミサイルから艦船駐留所を防衛する演習を実施した。
月曜日に黒海艦隊広報サービスは発表した。
地中海でロシア海軍はシリアのタルトゥースに基地を持っている。

「フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"の対空防衛班は、地中海エリアにおいて、仮想敵の大規模ミサイル空爆から駐留所をカバーする訓練を実施しました。
演習の筋書きは、遠海ゾーンの艦船駐留所へ飛来する仮想敵航空隊が有翼ミサイルの発射を行なうというものでした」
声明では、こう述べられた。
「訓練中に戦闘情報所は模擬目標を探知、分類し、そして対空防衛班は進入してくる仮想空中目標を離れた距離で(ミサイルの)電子発射により撃破し、成功裏に壊滅させました」
黒海艦隊は指摘した。
「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、2019年4月から地中海のロシア海軍常設グループの一員として任務を遂行している。
「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、海洋ゾーンフリゲート・プロジェクト11356のトップである。
このシリーズの艦は約4000トンの排水量を有し、速力は30ノット、自立航行期間は30日間である。
フリゲートは、有翼ミサイル「カリブル」、自衛ミサイル複合体「シチーリ-1」、口径100mmのA-190砲、高射砲、反応爆雷装置、魚雷で武装し、更には艦上ヘリコプターKa-27(またはKa-31)を搭載できる。
地中海ではロシア戦隊が恒久的に活動している。
それは、約15隻の戦闘艦及び支援船で構成される。
ロシアの艦と潜水艦は、地中海エリアからシリアの過激派へミサイル「カリブル」で何度も打撃を与えた。
プロジェクト11356Rフリゲートの1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」(494)は、カリーニングラードの『ヤンターリ』造船所で2010年12月18日に起工され、2014年3月14日に進水し、2016年3月11日に就役しました。
[プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)1番艦アドミラル・グリゴロヴィチはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]
2016年6月9日に黒海艦隊のセヴァストーポリ基地へ到着しました。
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着した]
以後、「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、6回に渡り地中海への航海を行ないました。
2016年9月下旬~10月上旬、2016年11月初頭~12月下旬、2017年2月末~3月末、2017年4月初頭~7月中旬、2017年12月初頭~2018年5月末、2018年8月下旬~10月末)
2019年2月初頭~3月下旬までセヴァストーポリの『セヴァストーポリ海洋工場』のドックへ入り、オーバーホールを行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"はセヴァストーポリでオーバーホールを開始する]
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"はセヴァストーポリでのオーバーホールを完了する]
2019年4月初頭からオーバーホール後の点検も兼ねて洋上訓練を開始しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"はオーバーホール後に戦闘訓練を開始した]
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は黒海で射撃演習を行なった]
2019年4月21日にボスポラス海峡を南下し、地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は地中海東部へ到着した]
4月23日未明、同型艦「アドミラル・エッセン」及び小型ロケット艦「オレホヴォ・ズエヴォ」と共に夜間の通信訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の軍艦は地中海東部で夜間の通信訓練を行なった]
5月6日には、地中海沿岸の艦船駐留所(シリアのタルトゥース港)を敵のミサイル攻撃から護るという想定の対空戦闘訓練を行ないました。

ロシア航空宇宙軍が駐留するシリアのフマイミーン飛行場、そしてタルトゥース港は、これまでに何度もテロ組織の無人飛行機による攻撃を受けており、陸上配置の高射ミサイル(パーンツィリなど)で撃墜しています。
この他、フマイミーンとタルトゥースを除いたシリア領内は、何度もアメリカなどの巡航ミサイルによる攻撃を受けています。
そこで、万が一に備え、港内或いは沖合に居る艦も対空戦闘へ参加する訓練を行なったようです。
「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、射程50㎞の高射ミサイル複合体「シチーリ-1」を搭載しているので、これでタルトゥース港を護ったようです。
現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しています。
[黒海艦隊]
潜水艦「クラスノダール」:2019年3月中旬から地中海東部に滞在
潜水艦「スタールイ・オスコル」:2019年4月末から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」:2019年4月下旬から地中海東部に滞在
小型ロケット艦「オレホヴォ・ズエヴォ」:2019年3月末から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「オルスク」:2019年4月末から地中海東部に滞在
軍用輸送船「ドヴィンツィヤ-50」:2019年5月初頭から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」:2019年4月上旬から地中海東部に滞在
中型偵察艦「プリアゾヴィエ」:2018年12月末から地中海東部に滞在
救助曳船SB-739:2019年4月上旬から地中海東部に滞在
サルベージ船KIL-158:2019年4月末から地中海東部に滞在
工作船PM-56:2019年1月下旬から地中海東部に滞在
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