ロシア海軍太平洋艦隊の駆逐艦ブイストルイは130mm連装砲と30mm機関砲による対空射撃訓練を行なった

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア沿海地域情報供給部(ウラジオストク市)発表
2019年5月23日6時0分配信
【太平洋艦隊の戦隊水雷艦(駆逐艦)「ブイストルイ」は日本海で空中目標への砲射撃を実施した】
本日、太平洋艦隊の戦闘訓練計画に沿って、戦隊水雷艦(駆逐艦)「ブイストルイ」は、ピョートル大帝湾で仮想敵空中攻撃手段の攻撃を撃退する課題を解決した。
射爆場において艦の乗組員を支援したのは、太平洋艦隊海上航空隊の対潜航空機Tu-142とIl-38であり、模擬空中攻撃に対し、単艦での組織的対空防衛へ取り組んだ。


演習中に駆逐艦は、投下された落下傘標的を130mm砲装置AK-130及び30mm6連装艦載自動砲装置AK-630の砲撃で成功裏に撃破した。


これに先立ち、基地掃海艦BT-114は、駆逐艦の掃海先導を行なう事により、艦の駐留所からの安全な出航と海上への展開を保障した。

プロジェクト956「サルイチ」戦隊水雷艦(駆逐艦)の11番艦「ブイストルイ」Быстрыйは、レニングラード(現サンクトペテルブルク)の『ジダーノフ記念造船工場』(現『北方造船所』)で1985年10月29日に起工され、1987年11月28日に進水し、1989年9月30日に受領-引渡証書へ署名され、1989年10月28日に海軍旗初掲揚式典を開催して正式にソ連海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入され、1990年11月3日にウラジオストクへ到着しました。
以後、1990年代末~2000年代初頭に予備役へ編入された以外は稼働状態に維持されており、現在では、太平洋艦隊で唯一稼働状態に在るプロジェクト956駆逐艦となっています。
「ブイストルイ」は、2015年8月下旬に日本海で実施されたロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2015』第2段階へ参加しました。
[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2015』第2段階(2015年8月)]
2015年11月2日にウラジオストクを出航してインドへ向かい、インド海軍との合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』へ参加しました。
2016年1月26日にウラジオストクへ帰港しました。
[ロシア-インド海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』(2015年12月)]
その後、2016年6月20日に宗谷海峡を東進し、7月10日に同海峡を西進しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦艇、宗谷海峡通過(2016年6月20日)]
[ロシア海軍太平洋艦隊艦艇は宗谷海峡を西進した]
2016年8月にウラジオストクの艦船修理工場『ダーリザヴォート』でオーバーホールを行ないました。



2016年10月15日にウラジオストクを出航してインドネシアへ行き、その後、11月21日までにウラジオストクへ戻りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の駆逐艦ブイストルイはウラジオストクへ帰投した]
2017年2月末から3月1日まで日本海で各種戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の駆逐艦ブイストルイは海上戦闘訓練を実施した]
2017年3月9日にも日本海で砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で砲撃訓練を行なった]
2017年3月18日には親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」と一緒に出航し、日本海で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で対潜戦闘訓練を行なった]
2017年3月28日にも「ワリャーグ」と一緒に出航し、各種防空戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で防空戦闘訓練を行なった]
2017年6月25日には他の太平洋艦隊の水上艦と共に宗谷海峡を通過してオホーツク海へ入り、、7月3日に対空防衛演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊主力水上部隊は対空戦闘演習を行なった]
2017年7月4日には超音速対艦ミサイル「モスキート」を発射しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の駆逐艦ブイストルイとロケット艇2隻は超音速対艦ミサイル"モスキート"を発射した]
2017年7月5日に再び宗谷海峡を通過して日本海へ入り、その後、ウラジオストクへ帰投しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の水上艦16隻はラ・ペルーズ海峡を通過して日本海へ入った]
その後の動向は明らかにされていませんが、ウラジオストクの艦船修理工場『ダーリザヴォート』でオーバーホールが行なわれていたようです。

2018年6月4日、「ブイストルイ」は出航し、ウラジオストク南方のジェルトゥヒナ島で地上砲撃訓練を実施しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の駆逐艦ブイストルイは地上目標へ130mm連装砲を発射した]
2018年6月19日、「ブイストルイ」は、基地掃海艦の支援下でウラジオストクを出航し、対空防衛などの演習を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の駆逐艦ブイストルイは日本海で演習を行なった]
2018年6月21日には、対空、対水上、対地砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の駆逐艦ブイストルイは日本海で砲撃演習を行なった]
2018年7月後半にはコルベット「ソヴェルシェーンヌイ」(2018年7月20日就役)と共に演習を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は駆逐艦ブイストルイと日本海で演習を実施した]
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は駆逐艦ブイストルイと日本海で対潜演習を実施した]
2018年8月下旬にはオホーツク海の演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の40隻以上の艦船は日本海及びオホーツク海で演習を行なう]
2018年9月1日にはオホーツク海で対艦ミサイル「モスキート」を発射しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の艦艇とクナシル島(国後島)の地対艦ミサイル部隊はオホーツク海で対艦ミサイルを発射した]
2018年9月11日から17日までロシア極東部で実施された戦略演習『ヴォストーク-2018』へ参加しました。
[演習『ヴォストーク-2018』へ参加するロシア海軍太平洋艦隊の駆逐艦ブイストルイと2隻のロケット艇はオホーツク海で超音速対艦ミサイル"モスキート"を発射した]
[戦略演習『ヴォストーク-2018』へ参加するロシア海軍太平洋艦隊の大型水上艦はオホーツク海で揚陸艦部隊を護衛した]
2018年10月1日から6日までフィリピン海軍のドック型揚陸艦「タルラック」がウラジオストクを訪問した際、ホストシップを務めました。


2019年4月18日、「ブイストルイ」はピョートル大帝湾で演習を行ない、130mm連装砲AK-130による地上砲撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の駆逐艦ブイストルイは130mm連装砲による艦砲射撃訓練を行なった]
そして5月23日にはピョートル大帝湾で対空防衛訓練を行ない、130mm連装砲AK-130と30mm6連装機関砲AK-630による実弾射撃を実施しました。
ソ連/ロシア海軍へ就役した計17隻のプロジェクト956駆逐艦の内、実質的に現役に在るのは3隻のみです。
(太平洋艦隊の「ブイストルイ」、北方艦隊の「アドミラル・ウシャコーフ」、バルト艦隊の「ナストーイチヴイ」)
北方艦隊の「アドミラル・ウシャコーフ」(1994年4月17日就役)は、今年春にムルマンスクの『第35艦船修理工場』の岸壁へ回航されており、今後オーバーホールを行なうようです。

バルト艦隊の「ナストーイチヴイ」(1993年3月27日就役)は、今年からバルチースクの『第33艦船修理工場』で、エンジンの交換を含む大規模なオーバーホールが始まります。
[ロシア海軍バルト艦隊旗艦・駆逐艦ナストーイチヴイはオーバーホールを行なう]

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