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シエラII級原潜、アメリカ東海岸沖で行動?

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
【アメリカ合衆国海軍は、ロシア潜水艦がアメリカ沖で発見された事を確認した-テレビ局】
モスクワ、11月7日-ロシア通信社ノーボスチ

アメリカ合衆国海軍は、ロシア潜水艦アメリカ領海付近で発見した事を確認した。
水曜日、ローカルテレビ局「ABC」は報じた。

アメリカ合衆国国防総省の情報提供者がテレビ局に伝えた所によると、先月、アメリカ合衆国海軍は、アメリカ東海岸沖275マイルで原子力潜水艦「バラクーダ-2」級を発見した。
ABCの報道によれば、ロシア潜水艦が居たのはアメリカ領海では無い。

潜水艦が発見された後、アメリカ軍艦は同艦の追跡を開始し、ロシア潜水艦の乗員は進路をヨーロッパ方面に変更した。

対談者がABCに伝えた所によると、アメリカ合衆国海軍の代理人は、ロシア潜水艦アメリカ領土に近い場所へ来た目的を正確に知らないが、
おそらく乗組員は、仮想敵潜水艦に対する任務を仕上げていたのだろう。

潜水艦「バラクーダ-2」は、戦略ミサイル及び核兵器を装備していない。
それは、対艦魚雷及び空中目標を破壊するミサイルを装備している。

2012年8月、アメリカの新聞「The Washington Free Beacon」は、ロシア原子力潜水艦が約1ヶ月間に渡り、アメリカ合衆国海軍艦船に気付かれないままメキシコ湾海域に居たとの情報を流した。
この情報は、後にペンタゴン(アメリカ国防総省)に否定された。
(2012年11月7日13時38分配信)


「バラクーダ-2」級というのは、プロジェクト945A・NATOコード名「シエラII」級の事です。
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「シエラII」級は、1990年代初頭に2隻が建造されたロシア海軍最後のチタン製原子力潜水艦です。
ロシア海軍の分類は「大型原子力潜水艦」です。
(1992年6月3日以降)

ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より
【プロジェクト945A「コンドル」(NATOコード名「シエラII」)】

【B-534「ニジニ・ノヴゴロド」】:1990年12月26日就役
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【B-336「プスコフ」】:1993年12月14日就役
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プロジェクト945Aは、1980年代に2隻が就役したプロジェクト945(「シエラI」級)の改良型です。
【プロジェクト945「バラクーダ」(NATOコード名「シエラI」)】

「シエラI」級は、現在も1隻(B-276「コストロマ」)がロシア海軍に在籍しています。
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更なる発展型として、プロジェクト945AB「マルス」が計画されました。
【プロジェクト945AB「マルス」】
「マルス」1番艦は1990年3月に起工されましたが、1993年11月に建造資金が停止され、そのまま解体されました。

更に、プロジェクト945シリーズの発展型として、第4世代原子力潜水艦プロジェクト957「ケドル」の設計が1980年3月26日から開始されました。

「ケドル」は実物大モックアップの製作まで行なわれましたが、1989年11月21日にプロジェクトは中止されました。
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現在、ロシア海軍に在籍する2隻の「シエラII」級原潜の内、「プスコフ」は、ムルマンスク地域艦船修理工場「ネルパ」でオーバーホール中です。
[2012年の艦船修理工場「ネルパ」への国家発注は大幅に増加する]

従って、作戦行動可能な「シエラII」級は、「ニジニ・ノヴゴロド」だけです。
この情報が本当ならば、アメリカ東海岸沖で発見されたのは「ニジニ・ノヴゴロド」という事になります。

「ニジニ・ノヴゴロド」は、2008年4月末にオーバーホールを終えて艦隊へ復帰しています。
[シエラII型原潜「ニジニ・ノヴゴロド」復帰]
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記事中でも触れられていますが、今年8月、アメリカ「The Washington Free Beacon」は、ロシア海軍「アクラ」級原潜(プロジェクト971)が1ヶ月間メキシコ湾に潜伏していたと報じ、アメリカ国防総省から即座に否定されました。
[アクラ級原潜、メキシコ湾に潜伏?]


2009年8月にも、ロシア原潜アメリカ東海岸沖で行動中と報じられた事が有りました。
[ロシア原潜、米東海岸沖で活動]

同月、カナダ沖でもロシア原潜が確認されています。
[ロシア原子力潜水艦、カナダ沖に出現]
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