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ロシア海軍航空隊の対潜哨戒機Il-38Nは北極圏を監視する

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『イズベスチヤ』より
2019年5月27日0時1分配信
【海洋の偵察機:Il-38Nは北極で戦闘当直に就く】

対潜航空機は国際貿易ルートの監視を始めた。
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北海航路は、今、太平洋艦隊及び北方艦隊対潜航空機の監視下に在り、Il-38N「ノヴェッラ」が毎日のパトロールに就いている。
航空機は、この重要な輸送脈の近くで行動する潜水艦の行動を監視する:ロシアは、将来的にはヨーロッパ-アジア間の貨物の半分を運送できる貿易ルート上空の監視を保障する。

海軍総司令部『イズベスチヤ』へ話したように、対潜航空機を戦闘当直へ置く決定は、今年の初めに採択された。
Il-38N「ノヴェッラ」は、北方艦隊航空基地太平洋艦隊の2個混成連隊に在る。

春の演習で、カムチャツカ混成航空連隊は、北極地域の巡視を行なった。
対潜航空機グループは、北氷洋海域の飛行を行なった。
パイロットは、空中目標、水上艦及び潜水艦の捜索及び分類の任務を遂行した。
その追尾と同行には、電波位置測定手段及び水中音響手段が使用された。
任務は、最大限の困難さだった:飛行は、地上の電波工学航法手段を使わずに実施された。

有力な光学-電子複合体及び電波偵察複合体を持つIl-38北極での戦闘当直へ置くのは、完全に論理的である:航空機ロシアにとって重要な地域で緊急の情報を収集し、へ供給する。
第4航空・防空軍司令官でロシア英雄ワレリー・ゴルベンコ中将は『イズベスチヤ』へ語った。
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「戦闘当直は様々な方法で行なわれており、1機のIl-38は他機と交代できますし、それは空中へ一日中存在し、少なくとも1機の偵察航空機が常に存在します」
専門家は話した。
「定期的な飛行を組織化できれば、例えば、空中へ一日の内数時間上がり、或いは航空機が定められた区域のルート上の船の偵察へ就く事が出来るでしょう。
これは有益な戦術です」


Il-38は、ロシアの基礎的な対潜航空機である。
その用途は、水上及び水中事情の監視である。
このタイプの航空機は、結氷状況の監視の為に使用できる。

現在、近代化されたIl-38N「ノヴェッラ」は、最新の技術的解決策のお陰により、海洋及び大洋ゾーンのパトロールを行なう航空機の効率性が数倍に増加している。
最新機器は、同時に数十個の空中目標を90kmまで、水上艦船を320kmまでの距離での追尾を可能にする。
Il-38N「ノヴェッラ」は、潜水艦の追跡、機雷源の設置、更には北氷洋及び排他的経済監視水域での捜索救助活動へ関わる事が出来る。



『イリューシン』公式サイトより
【Il-38対潜航空機】

旅客機Il-18をベースに開発された対潜哨戒機Il-38は、1961年9月27日に初飛行し、1967年から1972年までに65機が生産されました。

現用のIl-38は、Il-38N仕様への近代化改修を受けます。

Nは「ノヴェッラ」Новелла(短編小説、新規追加条項)の略です。
Il-38の上部に追加されたのが「ノヴェッラ-P-38」複合体です。
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北方艦隊は、2012年3月にIl-38N(15号機)を受領していますが、これはプロトタイプのようです。
[ロシア北方艦隊は近代化された対潜哨戒機Il-38Nを受領した]
[ロシア北方艦隊は近代化された対潜哨戒機Il-38Nの飛行訓練を開始した]

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2014年7月15日、Il-38N「量産機」(機体番号19)ロシア海軍へ引き渡されました。
[近代化された対潜哨戒機Il-38Nは7月15日にロシア海軍へ引き渡される]
[近代化された対潜哨戒機Il-38N量産1号機はロシア海軍へ引き渡された]

その後、27号機、24号機、23号機が改修を終えてロシア海軍航空隊へ引き渡されています。

2015年3月30日には太平洋艦隊航空隊が初めてIl-38Nを受領しています。
[ロシア海軍太平洋艦隊は近代化改修された対潜哨戒機Il-38Nを受領した]

2015年6月30日、5機目となる「フョードル・ゾロトゥヒン」号(機体番号78、RF-75338)モスクワ近郊のジュコーフスキー飛行場ロシア海軍航空隊へ引き渡され、7月20日にカムチャツカ半島航空基地(エリゾヴォ)へ到着しました。
[ロシア海軍航空隊は5機目の近代化された対潜哨戒機Il-38Nを受領した]
[ロシア海軍航空隊の近代化改修された対潜哨戒機Il-38N『フョードル・ゾロトゥヒン』号はカムチャツカへ配備される]
[ロシア海軍航空隊の近代化改修された対潜哨戒機Il-38N『フョードル・ゾロトゥヒン』号はカムチャツカのエリゾヴォ基地へ到着した]


Il-38Nの第1バッチ近代化改修機の5機は、以下の航空基地へ配備されています。
(黒っぽい4発機がIL-38N)

・19号機「ラジー・パンコフスキー」(RF-75355):エイスク(クラスノダール地方)
・27号機「ヤコフ・クテポフ」(RF-75320):エイスク(クラスノダール地方)
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・23号機(RF-75322):ニコラエフカ(沿海地方)
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・24号機(RF-75341):エリゾヴォ(カムチャツカ半島)
・78号機「フョードル・ゾロトゥヒン」(RF-75338):エリゾヴォ(カムチャツカ半島)

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Il-38Nの第1バッチ近代化改修(2012年契約締結)は5機で終了しましたが、これに続く第2バッチの近代化改修の為の契約も2015年5月に締結されました。
[ロシア海軍航空隊の為の対潜哨戒機Il-38近代化改修の第2バッチの契約が締結された]

2016年12月29日、第2バッチの第1陣2機がイリューシン社からロシア海軍へ引き渡されました。
22号機「ヴィクトール・ポタポフ」11号機「ミハイル・ヴェロビツキー」と命名されました。
[ロシア海軍航空隊は2機の近代化された対潜哨戒機Il-38Nを受領した]

2025年までに計30機のIl-38Il-38N仕様へ近代化改修されます。
[ロシア海軍航空隊は2025年までに30機の近代化改修された対潜哨戒機Il-38Nを受け取る]
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