近代化改装される大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフは2021-2022年にロシア海軍へ復帰する

『タス通信』より
2019年5月30日21時17分配信
【対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」は2021-2022年にロシア連邦海軍へ復帰する】
サンクトペテルブルク、5月30日/タス通信
近代化が行なわれているプロジェクト1155大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」は、2021-2022年に海軍へ復帰する。
ロシア海軍造船管理部長ウラジーミル・トリャピチニコフ少将は、報道陣へ予測を示した。
「プロジェクト1155大型対潜艦~これは非常に良好な航海性能の艦であり、当時は良好な兵装でしたが、今日においては近代化が必要です。
近代化は既に始まっており、それは完璧に進行しております。
試験プロジェクトである太平洋艦隊のシャーポシニコフは、2020年以降を目指しており、2021~2022年には完全に近代化され、海軍の戦闘編制へ再び加入します」
トリャピチニコフは話した。
彼によると、今、艦は最新兵器複合体への再装備を行なっている。
「僕が思いますに、これは、何時も、バランスの取れた良好なプラットフォームである事が示されてきました。
新たな兵装構成により、この艦は、今後も用途上の任務を遂行するでしょう」
トリャピチニコフは述べた。
更に、他のプロジェクト1155艦も今後に近代化を始めるのかという記者の質問に答え、彼は、当初、海軍の指導部は、「マルシャル・シャーポシニコフ」の作業の結果を分析するつもりだった事を指摘した。
「当初は、シャーポシニコフの様子を見るつもりでしたが、現在、北方艦隊及び太平洋艦隊に在籍する全ての艦を徐々に近代化する事になりました」
トリャピチニコフは話した。
大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」は、1980年代半ばに建造された。
2013年には太平洋艦隊艦船支隊の一員としてアデン湾での対海賊当直に就き、2014年には4ヶ月以上に渡り太平洋及びインド洋で勤務に就いた。
現段階では、修理及び近代化が行なわれている。
プロジェクト1155艦の排水量は7000トンを超えており、最大速力は32ノットに達し、航行距離は5000海里である。
1980年代、このような艦は合計で10隻以上建造された。
太平洋艦隊に所属するプロジェクト1155大型対潜艦の8番艦「マルシャル・シャーポシニコフ」(1986年2月2日就役)は、2016年春からウラジオストクの艦船修理工場『ダーリザヴォード』で近代化改装工事が始まりました。


2基の「ラストルブ」対潜ミサイル4連装発射筒、AK-100 100mm単装砲2番砲塔、ガスタービンエンジンなどが撤去されています。
ガスタービンエンジンは『クロンシュタット海洋工場』へ送られ、修復されます。
[クロンシュタット海洋工場はロシア海軍の全ての艦艇用ガスタービンエンジンを修理する]
「マルシャル・シャーポシニコフ」は、近代化改装により対艦ミサイル「ウラン」を装備します。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフは近代化改装によりウラン対艦ミサイルを装備する]
「ウラン」4連装発射筒(3R-60U)は、「ラストルブ」対潜ミサイル4連装発射筒の在った場所に設置されるようです。
この他、有翼ミサイル「カリブル」用の垂直発射機3S-14も装備されるようです。

ブログ『BMPD』より
2017年8月19日配信
【大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」の近代化で2基の汎用垂直発射装置3S-14モジュールが設置される】
2基の3S-14モジュールとの事ですから、計16基の発射機が設置されるようです。
2018年2月16日、「マルシャル・シャーポシニコフ」で、溶接作業中に木製足場へ引火した事により火災が発生しました。
[ウラジオストクで近代化改装中のロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフで火災が発生した]

その後、『ダーリザヴォード』の乾ドックへ入渠しました。
[近代化改装中のロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフ近影(2018年7月11日)]

「マルシャル・シャーポシニコフ」は、2019年中に航行試験を開始する予定です。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフは近代化改装により巡航ミサイル"カリブル"を装備する]
「マルシャル・シャーポシニコフ」の再就役は、2021年末~2022年初頭になるようです。
そして今回、ロシア海軍造船管理部長ウラジーミル・トリャピチニコフ少将は、現在、北方艦隊及び太平洋艦隊に在籍する全てのプロジェクト1155大型対潜艦が「マルシャル・シャーポシニコフ」と同様の近代化改装を行なうと発言しました。
現在、ロシア海軍には、プロジェクト1155大型対潜艦8隻と、改型のプロジェクト11551大型対潜艦1隻が在籍しています。
[北方艦隊]
「ヴィツェ-アドミラル・クラコーフ」(626):1982年2月9日就役

「セヴェロモルスク」(619):1987年12月30日就役

「アドミラル・レフチェンコ」(605):1989年5月1日就役

「アドミラル・ハルラモフ」(678):1990年4月1日就役、予備役

「アドミラル・チャバネンコ」(650、プロジェクト11551):1999年1月28日就役

[太平洋艦隊]
「アドミラル・トリブツ」(564):1986年2月15日就役

「マルシャル・シャーポシニコフ」(543):1986年2月15日就役

「アドミラル・ヴィノグラードフ」(572):1989年5月1日就役

「アドミラル・パンテレーエフ」(548):1992年5月1日就役

太平洋艦隊の「アドミラル・トリブツ」は、2014年から2016年7月まで限定的な近代化改装(電子機器類の交換のみ)を行ないました。
[近代化改装を終えた大型対潜艦アドミラル・トリブツは2016年7月にロシア海軍太平洋艦隊へ復帰する]
北方艦隊の「アドミラル・チャバネンコ」も2014年から近代化改装を行なってますが、完了は2023年頃になるようです。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・チャバネンコの近代化改装は2023年までに完了する]
他の艦も2020年代に近代化改装が行なわれるようです。
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