ロシア海軍黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイはブルガリア沖でNATOの演習を監視する
- カテゴリ:ロシア黒海艦隊(2012-2019年)

『タス通信』より
2019年5月31日19時52分配信
【情報筋:黒海艦隊の警備艦はブルガリアの北大西洋条約機構(NATO)の対空防衛演習を監視する】
モスクワ、5月31日/タス通信
黒海艦隊の警備艦「スメトリーヴイ」は、ブルガリア沿岸で北大西洋条約機構(NATO)の対空防衛演習を監視する為にセヴァストーポリから出航した。
『タス通信』は地域の軍組織の情報提供者より伝えられた。
「昨日(5月30日)夕方、警備艦はセヴァストーポリから出航しました。
スメトリーヴイが海上へ出た目的は、ブルガリア領域および沿岸で実施される北大西洋条約機構(NATO)の対空防衛演習の追尾です」
対談者は説明した。
北大西洋条約機構の主導の下、5月~6月にブルガリア、ハンガリー、クロアチア、スロベニア、北マケドニアで、これらの国の連携に関する一連の多国籍及び国内演習~『セイバーガーディアン-2019』、『シャブラ-2019』、『ストリークバック-2019』、『スウィフトレスポンス-2019』が実施される。

演習には、合計6000名のブルガリア、アメリカ合衆国、グレートブリテン、ウクライナ、ギリシャ、北マケドニア、カナダ、イタリアの将兵が参加する。
演習の目的は、機動能力及び合同軍隊区分の改善に在る。
今やロシア海軍に唯一在籍するプロジェクト61(カシン級)警備艦となった「スメトリーヴイ」(1969年10月21日就役)は、2013年1月以降、度々地中海へ派遣されています。
2013年1月下旬に地中海東部および黒海で実施されたロシア海軍3艦隊(黒海艦隊、バルト艦隊、北方艦隊)合同演習へ参加しました。
[ロシア海軍3艦隊合同演習(2013年1月下旬)]
2013年9月12日から2014年2月8日まで地中海への航海を行ないました。
[黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイは地中海からセヴァストーポリへ戻った]
この間、2013年10月にはギリシャを訪問しています。
[黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイはギリシャを訪れた]
2014年5月から9月にも地中海への航海を行なっています。
帰港後はセヴァストーポリの浮きドックでオーバーホールが行なわれ、2015年8月下旬に復帰しました。


2015年8月31日~9月1日に航行試験を行なった後、2015年9月14日にも検査航海の為に出航しました。


2015年9月18日にセヴァストーポリを出航し、地中海~ギリシャのコルフ島(ケルキラ)へ向かいました。
[ロシア海軍最後のカシン級スメトリーヴイはギリシャへ行く]
[ロシア海軍最後のカシン級スメトリーヴイはセヴァストーポリを抜錨し、ギリシャへ向かった]
2015年9月22日、ギリシャのパトラを訪問し、ロシア海軍旗である聖アンドレイ旗の由来となった聖人アンドレイ(アンドレイ・ペルヴォズヴァーンヌィイ)~イエスの4番目の弟子(使徒)~の遺骸の一部が譲渡されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイはギリシャのパトラを訪問した]
2015年9月25日にはコルフ(ケルキラ)島を訪問しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイはギリシャのケルキラ(コルフ島)を訪問した]
その後、シリア沖へ向かい、2015年10月初頭には他の黒海艦隊所属艦と共に演習を実施しました。
[ロシア海軍は地中海で演習を実施した]
2015年12月13日、エーゲ海で投錨停泊中にトルコ漁船が衝突しそうになった為、警告発砲しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイはエーゲ海でトルコ漁船と衝突しそうになった]
その後もエーゲ海~地中海東部に滞在していたようですが、2015年12月末に母港セヴァストーポリへ戻りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイは地中海を去った]
2016年1月、「スメトリーヴイ」の舷側番号は「870」に変更されました。
(以前は「810」だった)

2016年3月6日にセヴァストーポリを出航して地中海へ向かい、6月10日に帰港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイは地中海へ向かった]
2016年10月28日にセヴァストーポリを出航し、10月29日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入りました。
2016年10月31日から11月1日までギリシャを訪問し、ロシア皇帝家出身のギリシャ王妃オルガ(オリガ)の生誕165周年記念行事へ参加しました。
オリガ・コンスタンチノヴナ・ロマノヴァ(1851年9月3日~1926年6月18日)は、ロシア皇帝アレクサンドル2世の弟コンスタンチン大公の娘であり、1867年にギリシャ国王ゲオルギオス1世と結婚してギリシャ王妃となりました。

「スメトリーヴイ」はギリシャを去った後も地中海東部(シリア沖)に滞在し、ここで2017年の新年を迎えました。
2017年2月下旬には地中海東部に居るアメリカ海軍の原子力空母「ジョージ・H・W・ブッシュ」を追尾しました。
ブログ『BMPD』より
【「スメトリーヴイ」は「ブッシュ」を追う】
「スメトリーヴイ」は2017年3月5日にボスポラス海峡を北上して黒海へ入り、3月6日にセヴァストーポリへ帰投しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイは4ヶ月間の地中海航海を終えてセヴァストーポリへ帰投した]
2017年5月10日にセヴァストーポリを出航し、数日後に帰投しました。
それから10日後の2017年5月20日、セヴァストーポリから出航して対空戦闘訓練を行ない、高射ミサイル「ヴォルナ」とAK-726 76mm連装砲を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイは黒海で対空戦闘訓練を行なった]
「スメトリーヴイ」は、そのまま南方へ向かい、5月22日にボスポラス海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイは地中海へ入った]
「スメトリーヴイ」は、フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」、「アドミラル・エッセン」及び大型揚陸艦3隻と共に、2017年5月23日から27日までリビア東部沖で演習を実施しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の地中海での演習は終わった]
その後も暫く地中海東部に留まっていました。
[地中海東部ではロシア海軍黒海艦隊の約15隻の艦船が行動している]
2017年6月2日にボスポラス海峡を北上して黒海へ入り、6月3日にセヴァストーポリへ帰港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイは地中海からセヴァストーポリへ帰港した]
2018年4月20日、警備艦「プイトリーヴイ」と「スメトリーヴイ」は黒海で演習を行ない、沿岸、海上、空中目標への砲撃、泊地で襲撃を受けた際の対処、艦内のダメージコントロールの訓練を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2018年4月20日16時38分配信
【黒海艦隊の警備艦「プイトリーヴイ」と「スメトリーヴイ」は海上で一連の戦闘訓練を実施した】
演習が終わった後も2隻はセヴァストーポリには戻らず、そのまま黒海を南下して2018年4月21日にボスポラス、ダーダネルス海峡を通過し、地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦プイトリーヴイとスメトリーヴイは地中海東部(シリア沖)へ行く]
2018年4月末には地中海東部で実施された演習へ参加しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート2隻と警備艦2隻は地中海東部で演習を行なう]
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート2隻と警備艦2隻は地中海東部で演習を続けている]
その後も地中海東部に滞在し、2018年7月24日にはキプロスのリマソール港への寄港を終えて出航しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイはキプロス訪問を終えた]
2018年8月22日に地中海を去り、母港セヴァストーポリへ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイは地中海を去った]
2018年8月25日にセヴァストーポリへ帰投しました。
2019年3月6日から数日間出航しました。
2019年4月16日にセヴァストーポリを出航し、4月19日に帰投しました。


2019年5月21日にセヴァストーポリを出航し、フリゲート「アドミラル・エッセン」(2016年6月7日就役)、「アドミラル・マカロフ」(2017年12月27日就役)、警備艦「プイトリーヴイ」(1982年2月9日就役)と共に黒海で演習を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2019年5月21日10時54分配信
【黒海艦隊のフリゲートは演習実施の為に出航した】
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2019年5月23日10時46分配信
【黒海艦隊のフリゲートと警備艦は海上射爆場で戦闘演習を実施した】

そして2019年5月30日にセヴァストーポリを出航し、NATOの合同演習を監視する為にブルガリア沖へ向かいました。
「スメトリーヴイ」は、今年(2019年)10月21日には就役50周年を迎えますが、同艦は1987年から1995年に掛けて「プロジェクト01090」近代化改装が行なわれている事も有ってか、当面の間は現役に留まるようです。
就役時の「スメトリーヴイ」(1969年)

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