ロシア海軍の為の新世代掃海艦アレクサンドリト級は12隻が建造される

『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年5月31日21時46分配信
【ロシア海軍の為のプロジェクト12700海洋掃海艦シリーズは12隻に増加する】
『中部ネヴァ川造船工場』がロシア海軍の為に建造する「アレクサンドリト」型掃海艦の隻数は12隻に増加する。
5月30日、海軍造船・軍備・運用管理部長ウラジーミル・トリャピチニコフ少将は発言した。
「近い内に、更なる2隻の艦が起工されます」
彼は、第3のプロジェクト12700掃海艦「ウラジーミル・イェメリヤノフ」の進水式典において、『Mil.Press FLOT』記者の質問に答え、こう話した。
4月に情報提供者は、今年末までに2隻の掃海艦が起工されると述べた。
ウラジーミル・トリャピチニコフは、起工の日付は明らかにしなかった。
『中部ネヴァ川造船工場』広報サービスによると、今年末までに、ロシア海軍造船管理部長アナトーリー・シレモフ中将に敬意を表して命名される「アレクサンドリト」型の7番艦が起工される。

2050年までの造船プログラムにおいて、合計30隻以上の「アレクサンドリト」の建造が計画されていると少将は付け加えた。
彼は更に、海軍は、このような艦を毎年3隻必要としていると述べた。
「(中部ネヴァ川造船)工場は素晴らしいリズムに達しておりますが、我々は、それでも不足であると考えております。
1年に2隻の艦を納入する事が必要であります。
そして近い将来には3隻を」
『中部ネヴァ川造船工場』総取締役ウラジーミル・セレドホは、毎年3隻の掃海艦の建造の可能性を確認した。
彼によると、同社は「以前(註:ソヴィエト時代)の工場の作業全てを越えるリズムへ入りました」
[『Mil.Press FlotProm』参照]
複合材料のプロジェクト12700掃海艦の排水量は約890トン、速力は16.5ノット、開発者は中央海洋設計局『アルマーズ』である。
基本的な用途は、海軍基地海域での機雷の捜索と破壊である。
それは、水中音響ステーション(ソナー)、遠隔操作の自動水中無人機を艦上へ配置するが、従来の掃海兵装も使用できる。
「アレクサンドリト」は無人艇を装備する。
2018年4月、ロシア海軍の為に、「アレクサンドリト」シリーズ8隻に代わって10隻が承認された。
その最後の掃海艦の引き渡しは、8年を経た後の2027年である。
ロシア海軍の新世代掃海艦プロジェクト12700「アレクサンドリト」は、船体が一体成型のガラス繊維強化プラスチックで造られており、世界最大級の非金属船体艦です。


従来のソ連/ロシア海軍の掃海艦は、外洋で活動する海洋掃海艦と、自軍基地周辺海域で活動する基地掃海艦が建造されていましたが、プロジェクト12700は、基地掃海艦と海洋掃海艦を統合するものとなります。
(当初は基地掃海艦に分類されていたが、2016年に海洋掃海艦となった)
プロジェクト12700掃海艦は、現在までに6隻が起工され、2隻がロシア海軍へ引き渡されています。
建造を担当しているのは、サンクトペテルブルクの『中部ネヴァ川造船工場』です。

1番艦「アレクサンドル・オブホフ」は、2011年9月22日に起工され、2014年6月27日に進水し、2016年12月9日に就役し、バルト艦隊へ編入されました。

[新世代掃海艦プロジェクト12700の1番艦アレクサンドル・オブホフはロシア海軍へ就役し、バルト艦隊へ編入された]
2番艦「ゲオルギー・クルバトフ」は、2015年4月24日に起工され、2016年5月下旬までにガラス繊維強化プラスチックの船体の形成は完了しました。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフは起工された]
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフの船体が形成される]
その後、艦内へ各種機器を設置する為、船体周辺に足場が組まれましたが、2016年6月7日夜に火災が発生しました。
[ロシア海軍の為に建造中の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフで火災が発生した]
この為、「ゲオルギー・クルバトフ」の進水と就役は延期される事になり、後続の3番艦が先に就役しました。
3番艦「イワン・アントノフ」は2017年1月25日に起工され、2018年4月25日に進水し、2019年1月26日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。

[新世代掃海艦イワン・アントノフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]
4番艦「ウラジーミル・イェメリヤノフ」は、2017年4月20日に起工され、2019年5月30日に進水しました。

[ロシア海軍の新世代掃海艦ウラジーミル・イェメリヤノフは進水した]
ロシア海軍への引き渡しは2019年末~2020年前半に予定されており、就役後は黒海艦隊へ編入されます。
5番艦「ヤーコフ・バリャーエフ」は2017年12月26日に起工されました。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ヤーコフ・バリャーエフはサンクトペテルブルクで起工された]
6番艦「ピョートル・イリイチョーフ」は2018年7月25日に起工されました。
[ロシア海軍の為のアレクサンドリト級掃海艦6番艦ピョートル・イリイチョーフは起工された]
2019年に起工される7番艦は、2018年5月に死去した元ロシア海軍中将アナトーリー・シレモフ氏の名前が付けられるようです。
この他、2019年には8番艦も起工されるようです。
現在の所、プロジェクト12700掃海艦は、計12隻の建造が承認されています。
最終的には、30隻以上の建造が計画されています。
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