ロシア海軍カスピ小艦隊の小型ロケット艦ヴェリキー・ウスチュグはセヴァストーポリへ回航された

『タス通信』より
2019年6月3日17時10分配信
【カスピ小艦隊のロケット艦「ヴェリキー・ウスチュグ」はセヴァストーポリへ到着した】
タス通信、6月3日
ミサイル「カリブル-NK」を搭載するカスピ小艦隊の小型ロケット艦「ヴェリキー・ウスチュグ」は、2度目のカスピ海から黒海への移動を行なった。
『タス通信』は月曜日にクリミアの軍組織の情報提供者より伝えられた。
「小型ロケット艦ヴェリキー・ウスチュグは、内陸水路経由で移動を行ない、現在はセヴァストーポリに居ます」
対談者は説明した。
彼は、2018年のように、今後「ヴェリキー・ウスチュグ」が地中海へ向かう可能性を否定しなかった。
2018年、カスピ小艦隊の2隻の小型ロケット艦~「ヴェリキー・ウスチュグ」と「グラード・スヴィヤージスク」は、短期間ロシア地中海戦隊の一員として活動した。
2015年、小型ロケット艦「ヴェリキー・ウスチュグ」は、カスピ小艦隊の他のロケット艦と共に、シリアのテロリストの目標へカスピ海水域から2度に渡りミサイル打撃を与えた。
小型ロケット艦「ヴェリキー・ウスチュグ」は、プロジェクト21631の3隻目であり、第2の生産艦である。
搭載兵装には、ミサイル「カリブル-NK」8基の汎用艦載射撃複合体がある。
プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦の3番艦「ヴェリキー・ウスチュグ」は、ゼレノドリスクの『A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』で2011年8月27日に起工され、2014年5月21日に進水し、2014年12月19日に就役、カスピ小艦隊へ編入されました。
2015年10月7日、カスピ小艦隊のロケット艦「ダゲスタン」、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」は、カスピ海南方からシリアのテロ組織ISIL(イラク・レバントのイスラム国)の拠点へ合計26基の有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍カスピ小艦隊の4隻の艦はシリアへ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍は巡航ミサイルでシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃した]
[ロシア連邦軍参謀本部作戦管理総局長はロシア海軍によるシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点攻撃について語った]
この4隻は、2015年11月20日にもカスピ海南方からシリアのISIL(イラク・レバントのイスラム国)の拠点へ合計18基の有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍カスピ小艦隊は再びシリアのISIL(シリアとレバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
その後は、カスピ海で各種の演習を行なったり、カスピ海沿岸諸国(イランとカザフスタン)を訪問しました。
2018年2月には、同型艦「グラード・スヴィヤージスク」と共に演習を行なっています。
『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年2月13日9時42分配信
【ロシア連邦海軍のロケット艦はカスピ海での演習中に「敵」艦と飛行装置を破壊した】

2018年6月4日、小型ロケット艦「ヴェリキー・ウスチュグ」は、同型艦「グラード・スヴィヤージスク」と共にカスピ小艦隊基地マハチカラを出航し、内陸水路経由で黒海への移動を開始しました。
6月13日、クリミア半島の黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍のブヤン-M小型ロケット艦グラード・スヴィヤージスクとヴェリキー・ウスチュグはカスピ海から黒海へ移動した]
2隻の小型ロケット艦は、その数日後にセヴァストーポリを出航したらしく、6月17日にはボスポラス海峡を南下して地中海へ入りました。
[ロシア海軍のブヤン-M小型ロケット艦グラード・スヴィヤージスクとヴェリキー・ウスチュグはシリア沖へ行く]
2018年6月22日、2隻の小型ロケット艦は地中海東部(シリア沖)で対空戦闘演習を実施しました。
[ロシア海軍のブヤン-M小型ロケット艦グラード・スヴィヤージスクとヴェリキー・ウスチュグはシリア沖で対空戦闘演習を実施した]
その後も地中海に留まり、2018年9月1日から8日まで地中海東部で実施されたロシア海軍とロシア航空宙軍の大規模演習へ参加しました。
[ロシア海軍とロシア航空宇宙軍の地中海演習(2018年9月1日~8日)]
演習終了後も地中海東部に居ましたが、2018年10月2日にダーダネルス海峡へ入り、地中海を去りました。
[ロシア海軍カスピ小艦隊のブヤン-M小型ロケット艦グラード・スヴィヤージスクとヴェリキー・ウスチュグは地中海を去った]
黒海へ入った後、内陸水路経由でカスピ海の基地への移動を開始しました。
『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年10月11日15時32分配信
【カスピ小艦隊の2隻の小型ロケット艦は内陸水路で黒海からアストラハン基地への移動を行なう】
2018年10月16日、アストラハン基地へ到着しました。
[ロシア海軍カスピ小艦隊のブヤン-M小型ロケット艦グラード・スヴィヤージスクとヴェリキー・ウスチュグは地中海からアストラハンへ帰投した]
2019年4月下旬には同型艦「ウグリーチ」と共にロシア南方軍管区(カスピ小艦隊を含む)の演習へ参加しました。


そして2019年6月初頭、「ヴェリキー・ウスチュグ」は、再び内陸水路を通って黒海へ移動し、6月3日にセヴァストーポリへ到着しました。

「ヴェリキー・ウスチュグ」が何故黒海へ回航されたのかは現時点では不明ですが、昨年(2018年)のように地中海東部へ派遣される可能性も有るでしょう。
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