ロシア海軍北方艦隊の原子力大型潜水艦オブニンスクはバレンツ海で4本の魚雷を発射した
- カテゴリ:ロシアの潜水艦

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年6月3日18時30分配信
【北方艦隊の原子力潜水艦「オブニンスク」は仮想敵艦支隊の撃破へ取り組んだ】
北方艦隊の多目的原子力潜水艦「オブニンスク」乗組員は、魚雷兵器で仮想敵艦支隊を撃破する演習を実施した。
活動は、バレンツ海の艦隊の戦闘訓練射爆場で行なわれた。
潜水艦は、小型対潜艦「ナリヤンマル」、「オネガ」、「ユンガ」、「ブレスト」、小型ロケット艦「アイスベルク」で構成される水域防護艦支隊へ4回の魚雷射撃を実施した。
魚雷攻撃は水中位置から、実弾兵器により長距離で実施された。
戦闘訓練が成功裏に実施された後、魚雷は、魚雷回収艇により水中から引き揚げられ、基地へ届けられた。
予備評価によると、演習中に潜水艦「オブニンスク」乗組員は、海上での兵器使用の確固たる能力、高い技量と専門技量を示した。
プロジェクト671RTMK「シチューカ」(NATOコード名「ヴィクターIII」)巡洋潜水艦K-138は、1988年12月7日にレニングラード(現サンクトペテルブルク)の『アドミラルティ造船所』で起工され、1989年8月5日に進水しました。
その後、内陸水路経由でセヴェロドヴィンスクへ運ばれ、1989年11月から12月に掛けて工場航行試験及び国家受領試験が実施されました。
1990年5月10日に海軍へ納入され、赤旗北方艦隊・第1潜水艦小艦隊・第33潜水艦師団へ編入されました。
1992年7月3日、原子力大型潜水艦に類別変更され、B-138と改称されました。
2000年5月5日、オブニンスク市と後援協定が締結され、「オブニンスク」と命名されました。
2001年7月、第11潜水艦師団(対空母師団)へ転属しました。
2011年から艦船修理工場『ネルパ』で修理(と寿命延長近代化)が行なわれ、2014年5月16日に進水しました。
[修理中のヴィクターIII級原潜オブニンスクは進水した]
修理は2015年秋に完了しました。
2014年12月8日、バレンツ海から沿岸の射爆場へ有翼ミサイル(カリブル?)を発射しました。
[ロシア海軍のヴィクターIII級原潜オブニンスクはバレンツ海から巡航ミサイルを発射した]
2015年7月26日の「ロシア海軍の日」にセヴェロモルスクで北方艦隊の観艦式へ参加した事以外、「オブニンスク」の動向が当局から公表される事は有りませんでしたが、2015年12月22日に「遠距離航海任務」を終えてザオゼルスク基地へ帰港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力大型潜水艦オブニンスクは長期航海を終えて基地へ戻ってきた]
2016年8月15日にはバレンツ海で魚雷発射訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力大型潜水艦オブニンスクはバレンツ海で魚雷を発射した]
2017年3月10日には、最新のプロジェクト955「ボレイ」原子力戦略用途水中巡洋艦の1番艦K-535「ユーリー・ドルゴルーキー」(2013年1月10日就役)とバレンツ海で『決闘』(対戦戦闘訓練)を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力戦略用途水中巡洋艦ユーリー・ドルゴルーキーと原子力大型潜水艦オブニンスクはバレンツ海で『決闘』を行なった]
2017年6月22日、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型対潜艦「セヴェロモルスク」及び「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はバレンツ海で対潜戦闘演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは大型対潜艦2隻と共にバレンツ海で対潜戦闘訓練を実施した]
この時、1隻の多目的原子力潜水艦が「敵役」として演習へ参加しましたが、これは「オブニンスク」だったようです。
2017年6月23日、「オブニンスク」は、「ピョートル・ヴェリキー」、「セヴェロモルスク」、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」を目標にして魚雷攻撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力大型潜水艦オブニンスクはバレンツ海の演習中に重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーへ魚雷攻撃を行なった]
その後の「オブニンスク」の動向は明らかにされていませんでしたが、2019年6月3日、小型対潜艦「ナリヤンマル」、「オネガ」、「ユンガ」、「ブレスト」、小型ロケット艦「アイスベルク」を目標にして魚雷攻撃訓練を行ないました。
小型対潜艦「ナリヤンマル」(1990年12月29日就役)

小型対潜艦「オネガ」(1990年12月28日就役)

小型対潜艦「ユンガ」(1990年2月28日就役)

小型対潜艦「ブレスト」(1988年11月9日就役)

小型ロケット艦「アイスベルク」(1979年9月30日就役)

プロジェクト671RTM/RTMK(ヴィクターIII)原子力潜水艦は、1977年から1992年に掛けて合計26隻がソ連/ロシア海軍へ就役しましたが、現役に留まっているのは「オブニンスク」のみです。

[ロシア海軍はヴィクターIII級原潜を近代化しない]
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