fc2ブログ

ロシア海軍の新型給油船(補給艦)アカデミック・パシンはバルト海で最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"への洋上給油を行なった

19-0606j.jpg
19-0606i.jpg
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年6月5日22時17分配信
【給油船「アカデミック・パシン」は公海でフリゲート「アドミラル・カサトノフ」へ初めて給油した】

19-0606g.jpg
プロジェクト23130中型海洋給油船のトップ「アカデミック・パシン」とプロジェクト22350フリゲートの最初の生産艦「アドミラル・カサトノフ」は、初めて公海での燃料給油へ取り組んだ。
給油は、6月4日・火曜日にバルト海で実施された。
ロシア海軍の情報提供者は『Mil.Press FLOT』へ話した。


彼によると、給油は、フリゲート及び給油船の工場航行試験中に行なわれた。

プロジェクト22350フリゲートの建造工場『北方造船所』は、この情報を認めた。
「給油過程は成功裏に実施されました」
造船所
は伝えた。
造船所が指摘したように、天候条件は、乗組員にとっては新たに行なう事の標準モードでの操作を更に助けた。

『Mil.Press FLOT』の海軍の情報提供者によると、「アカデミック・パシン」と、ケルチ『ザリフ』で建造されている新たなプロジェクト23131給油船は、航行中の艦への給油及び貨物移送が広範囲に可能である。

フリゲート及び給油船は、現在、工場航行試験を続けている。
国家試験完了後、「カサトノフ」「パシン」北方艦隊へ向かう。

給油船は、今年の第2~第3四半期、フリゲートは今年11月~12月に海軍への引き渡しが計画されている。
「アドミラル・カサトノフ」の工場航行試験の次の段階で、乗組員及び『北方造船所』の試験実施チームは、様々なモード及び航行速度での主動力装置の機能を点検している。
19-0606h.jpg
更には、艦の推進軸及び投錨装置が試験され、振動吸収装置、換気及び空調システムの動作が点検される。
加えて、数回のダメージコントロール練習が計画されている。

[『Mil.Press FLOT』参照]
「アドミラル・カサトノフ」
は、プロジェクト22350フリゲートの最初の生産艦である。
2009年11月26日に起工され、2014年12月12日に進水した。
艦は2018年12月21日に初めて試験へ出発した。
プロジェクト22350フリゲートの満載排水量は5400トン、全長-135メートル、幅-16メートル。
艦は29ノットまでの速力を発揮する。
自立航行期間-30日。航続距離-4500海里。乗組員-170名及び海軍歩兵20名。
主要打撃兵器-有翼ミサイル複合体「カリブル-NK」有翼ミサイル複合体「カリブル-NK」

「アカデミック・パシン」『ネヴァ川造船・修理工場』で2014年4月に起工され、2016年5月に進水した。
当初、船の海軍への引き渡しは、2016年末~2017年初頭に予定されていたが、船の航行試験が始まったのは、2018年5月になってからであった。
秋に船は試験を継続する為、バルト艦隊へ向かった。

給油船は貨物タンク区画の二重船体を持つ単一甲板船であり、北方緯度での航行が可能である。
船は、戦闘艦の為の燃料、航空燃料、食料品の移送の為に意図されている。
航続距離は9000海里であり、主な任務の1つは、航空艦への随伴であると言われている。

「アカデミック・パシン」は、係留される事無く、海上で並行貨物移送システムにより他の船或いは艦へ数種類の液体貨物:ディーゼル燃料(軽油)、重油、ケロシン(航空燃料)、潤滑油、水の移送あるいは受け入れ、更には乾燥貨物(食料、用具、技術資産)の受入、保管、輸送及び移送の為に意図されている。

プロジェクト23130給油船の全長は130メートル、幅約21メートル、最大速力16ノット、自立航行期間60日、乗組員24名。



14-0426b.jpg
『ネヴァ川造船・修理工場』公式サイトより
【中型給油船プロジェクト23130】

ロシア海軍の為の新たな中型海洋給油船・プロジェクト23130は、2013年5月に建造所を決める為の入札の公募が発表されました。
[ロシア海軍の新型給油船(補給艦)が建造される]

その結果、サンクトペテルブルク近郊のシュリッセリブルク市に在る『ネヴァ川造船・修理工場』で建造される事になり、2013年11月に建造契約が締結され、2014年2月末にはプレートカットが始まりました。
18-0519e.jpg
[ロシア海軍の新型給油船(補給艦)プロジェクト23130のプレートカットが始まる]

プロジェクト23130中型給油船の1番船「アカデミック・パシン」は、2014年4月26日に『ネヴァ川造船・修理工場』で起工されました。
[ロシア海軍の為の新型給油船(補給艦)アカデミック・パシンは起工された]

2年後の2016年5月26日に進水しました。
[ロシア海軍の為の新型給油船(補給艦)アカデミック・パシンは進水した]

進水後は、造船所の岸壁で艤装工事が進められていました。

2018年3月初頭の「アカデミック・パシン」
18-0519c.jpg

そして2018年5月18日、シュリッセリブルク市のすぐ近くのラドガ湖で航行試験を開始しました。
18-0519f.jpg
18-0519d.jpg
[ロシア海軍の為の新型給油船(補給艦)アカデミック・パシンの航行試験が始まった]

2018年8月には洋上補給システムの試験が行なわれました。
[ロシア海軍の為の新型給油船(補給艦)アカデミック・パシンは洋上補給システムの試験を続けている]

「アカデミック・パシン」ラドガ湖での試験は完了し、2018年9月11日にクロンシュタットへ到着しました。
[ロシア海軍の為の新型給油船(補給艦)アカデミック・パシンはクロンシュタットへ行く]

2018年9月29日にクロンシュタットを出航し、フィンランド湾での試験を開始しました。



当局からの発表は有りませんが、2018年6月20日に就役し、10月22日に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した最新の大型揚陸艦「イワン・グレン」(135)がバルト海に居た頃、「アカデミック・パシン」から洋上補給を受けた事も有りました。
双方の行動履歴から見て、おそらくは2018年10月初頭あたりでしょう。
19-0127e.jpg
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]

フィンランド湾での試験を終えた「アカデミック・パシン」は、2018年11月初頭にバルチースクへ移動しました。
18-1213j.jpg

その後、バルチースクをベースにバルト海で洋上試験を行なっていました。
[ロシア海軍の為の新型給油船(補給艦)アカデミック・パシンの洋上試験は最終段階へ入る]

2019年1月中旬には、バルト海に居た北方艦隊偵察艦「ユーリー・イワノフ」への洋上給油を行なったようです。
2019-0117.jpg
[ロシア海軍北方艦隊の最新偵察艦ユーリー・イワノフは長期任務を終えてセヴェロモルスクへ帰投した]

2019年1月下旬、バルト艦隊航空隊艦載ヘリコプターKa-27PSが協力し、ヘリコプターによる船上への貨物移送試験が実施されました。
[ロシア海軍の為の新型給油船(補給艦)アカデミック・パシンはヘリコプターによる船上への貨物移送試験を行なった]

その後もバルト海で洋上試験は続けられ、6月4日には、同じくバルト海で洋上試験中のプロジェクト22350フリゲート「アドミラル・カサトノフ」への洋上給油を行ないました。
[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト海で洋上試験を行なっている]

「アカデミック・パシン」ロシア海軍への引き渡しは、2019年秋に予定されています。


現在、ロシア海軍給油船(補給艦)で最も新しい船は、1982年9月末に2隻揃って就役したプロジェクトREF-675中型海洋給油船「ヴャージマ」「カーマ」(2隻とも北方艦隊所属)ですから、実に37年ぶりの新造船となります。

プロジェクトREF-675中型海洋給油船「ヴャージマ」
18-0519g.jpg

プロジェクトREF-675中型海洋給油船「カーマ」
19-0606f.jpg


準同型船のプロジェクト23131汎用海洋給油船は、クリミア半島ケルチ市ザリフ造船所で2014年12月26日に2隻が同時起工され、建造中です。
[クリミア半島のケルチ造船所でロシア海軍の為の新たな給油船2隻が起工された]
18-1213k.jpg
関連記事
スポンサーサイト