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ロシア太平洋艦隊及び黒海艦隊の艦船はソマリア沖へ行く

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より。
ロシア連邦国防省報道サービス・情報管理部発表
2012年11月8日16時06分配信
【太平洋艦隊及び黒海艦隊の戦闘艦船支隊は遠距離航海へ向かう】

ロシア海軍総司令部は、戦闘訓練任務、重要な海域における海軍の存在、アフリカの角及びソマリア沿岸における民間船航行の安全を保障する為に太平洋艦隊及び黒海艦隊の戦闘艦船支隊を遠海ゾーンへの遠距離航海へ向かわせる事を決定した。

大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」、中型海洋給油船「イルクト」、救助曳船「アラタウ」が含まれる太平洋艦隊戦闘艦船支隊は、11月2日に主要基地のウラジオストク市を去り、アラビア海へ進路を取った。

航路の途中、艦船支隊は、インド共和国海軍との共同演習の為、ムンバイへ寄港する予定である。
更に艦船は、タイ、南朝鮮、セイシェル諸島の港を訪問する。

同時に、親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」、警備艦「スメトリーヴイ」、大型揚陸艦「サラトフ」、「ノヴォチェルカッスク」、保障船で構成される黒海艦隊戦闘艦船支隊は、海洋へ出航し、訓練を完了する。

(黒海)艦隊の主要基地セヴァストーポリ市からの出航は、2段階に分けて行われ、最終的には地中海の指定海域で支隊が形成される。
スエズ運河への航路の途中、戦闘艦は地中海で一連の戦闘訓練施策を実施する。

11月末、黒海艦隊戦闘艦船支隊スエズ運河を通過し、12月初頭にはソマリア沿岸で任務を開始する。
この他、戦闘任務を実施する黒海艦隊将兵は、物資補充と乗組員の休養の為、幾つかの外国の港への業務寄港を予定している。

太平洋艦隊及び黒海艦隊の戦闘艦船支隊の遠距離大洋航海計画によると、ロシア海軍将兵は、海賊対処任務を解決し、アフリカの角及びアデン湾エリアにおける民間船航行の安全を保障しなければならない。

艦船支隊による海賊対処活動は、アデン湾において海賊対処の為の国際作戦を管理するNATO海軍部隊司令部との緊密な協力の元に実行される。


[ロシア海軍のアデン湾(ソマリア沖)海賊対処活動]
[ロシア海軍のソマリア海賊対策(旧ブログ)]

記事中にあるように、ロシア太平洋艦隊大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」を中核とするアデン湾海賊対処部隊は、11月2日にウラジオストクを出港しました。
[ロシア海軍第14次アデン湾海賊対処部隊はウラジオストクを出港した]
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今回のロシア国防省(正確にはロシア海軍総司令部)発表によると、これに加えて黒海艦隊の以下の艦船もソマリア沖へ向かうとの事です。

親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」
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警備艦「スメトリーヴイ」
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大型揚陸艦「サラトフ」
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大型揚陸艦「ノヴォチェルカッスク」
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この内、警備艦「スメトリーヴイ」は、イタリア海軍との合同演習に参加する為、既に地中海へ出航しており、現在はイタリアに滞在しています。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2012年11月8日16時49分配信
【イオニア海においてロシア-イタリア演習「イオネクス-2012」の海洋段階が開始された】

「スメトリーヴイ」には、海洋曳船MB-304が随伴しています。

イタリア訪問を終えた後、「スメトリーヴイ」は、セヴァストーポリを出港する他の艦と地中海で合流し、ソマリア沖へ向かうという事でしょう。
海洋曳船MB-304も同行するかもしれません。


大型揚陸艦「ノヴォチェルカッスク」も地中海へ出ており、10月末にギリシャを訪問しています。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2012年10月29日15時21分配信
【黒海艦隊の大型揚陸艦「ノヴォチェルカッスク」はギリシャのサロニカ港を去った】

「ノヴォチェルカッスク」は、ギリシャを去った後も地中海で引き続き遠距離航海任務を遂行するとの事ですから、同艦も「スメトリーヴイ」や後続の艦と地中海で合流し、ソマリア沖へ向かうのでしょう。


大型揚陸艦「サラトフ」は、プロジェクト1171(アリゲーター級)の1番艦です。
同艦は1966年8月18日に就役しており、今年(2012年)で艦齢46年になります。
[揚陸艦アリゲーター型1番艦「サラトフ」近況]


なお、黒海艦隊「モスクワ」と「スメトリーヴイ」は、2003年春にもインド洋への遠距離航海を実施しています。
[ロシア海軍、インド洋遠征(2003年4~5月):その2・黒海艦隊ロケット巡洋艦モスクワ]
[ロシア海軍、インド洋遠征(2003年4~5月):その3・黒海艦隊の警備艦]

この時、アデン湾(ソマリア沖)は、ただ単に通過しただけですが、今回は、アデン湾で任務を遂行します。

同時期、太平洋艦隊からも大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」などがインド洋に派遣され、黒海艦隊「モスクワ」や「スメトリーヴイ」等と行動を共にしました。
[ロシア海軍、インド洋遠征(2003年4~5月):その1・太平洋艦隊のウダロイ級駆逐艦]

それから9年の時を経て、「モスクワ」と「スメトリーヴイ」は、再び「マルシャル・シャーポシニコフ」と一緒に行動する事になりそうです。
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