ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンは2019年7月に航行試験を再開する

『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年6月6日14時41分配信
【最初の近代化された「ヤーセン-M」は7月に海上試験を再開する】
『統合造船業営団』は2019年に最初の改善プロジェクト885M多目的原子力潜水艦「カザン」の基本的な試験の完了を計画しており、同艦が再び海へ出るのは7月になる。
6月6日・木曜日、『統合造船業営団』のトップ、アレクセイ・ラフマノフは、『サンクトペテルブルク国際経済フォーラム』の控室で報道陣へ伝えた。
「現在、消磁は完了しており、潜水艦は来月(7月)には海へ出ます。
システムの未完成、不具合の発覚に関する根本的な問題は、ようやく解決され、我々は、これらの義務について考えております。
我々は、全ての基本的な試験を今年に完了する予定です」
彼は話した。
『統合造船業営団』のトップは、潜水艦にどのような不具合が発覚したのかは明らかにしなかった。
「カザン」は2009年から『セヴマシュ』で建造されている。
2017年3月31日、それは造船台から出て進水した、
原子力艦の海軍への引き渡しは2018年に計画されていたが、その後、2019年に延期された。
2018年9月、潜水艦が工場航行試験へ出発した事が知られるようになった。
2019年春、『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフは、「カザン」の第1段階航行試験時に設計上の不具合が見つかったと話した。
「潜水艦の試験の進行は芳しいものでは有りません。
まず初めに、この潜水艦で初めて使用される制御システムの完成度についての話ですが、一連の構造上の不具合が明らかになった事は秘密でも何でもありません」
彼は述べた。
その後、ロシア連邦防衛産業企業体の情報提供者は、造船所は2019年の「カザン」の海軍への引き渡しを成就できないと語った。
改善プロジェクト885M、コード名「ヤーセン-M」の下で、潜水艦「ノヴォシビルスク」、「クラスノヤルスク」、「アルハンゲリスク」、「ペルミ」、「ウリヤノフスク」が建造されている。
[Mil.Press FlotProm参照]
「ヤーセン」型多目的原子力潜水艦の水上排水量は8600トン、水中排水量は13800トン。
それは、深度600メートルまで潜航でき、水中で30ノットの速力を発揮する。
プロジェクトには混合体系構造が使用されている~騒音低減の為、軽量船体は一部のみが覆われており、潜水艦の艦首部分は強化船体である。
国内造船所では初めて魚雷発射管が艦首では無く、中央区画ポストに配置されている。
「ヤーセン」の兵装は、有翼ミサイル「オーニクス」及び「カリブル」、誘導魚雷である。
プロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦の2番艦(改型のプロジェクト885M「ヤーセン-M」としては1番艦)「カザン」は、2009年7月24日にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」で起工されました。

[改セヴェロドヴィンスク型原潜「カザン」起工]
[改セヴェロドヴィンスク型原潜カザンは新型機器のみを装備した初の第4世代原潜となる]
[改ヤーセン級多用途原潜カザンの操舵装置の製造が始まった]
「カザン」は北方艦隊への配備が予定されており、既に乗組員も編成されています。
[ロシア海軍北方艦隊潜水部隊は新世代戦略原潜クニャージ・ウラジーミルと多用途原潜カザンの乗組員を編成した]
「カザン」は2017年3月31日に進水しました。
[ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンはセヴェロドヴィンスク造船所で進水した]
2017年7月末からは、造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
[ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンの係留試験が始まった]
2018年9月24日、「カザン」は最初の航行試験(工場航行試験)へ出発しました。
[ロシア海軍の為のヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンの航行試験が始まった]
試験は2019年1月初頭頃まで続きました。
「カザン」のロシア海軍への引き渡しは2019年12月末に予定されていました。
[第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンは2019年にロシア海軍へ引き渡される]
しかし、航行試験の結果、幾つかの不具合が発覚した為、2019年中の引き渡しは実現できない可能性が出てきました。
[ヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンのロシア海軍への引き渡しは延期されるかもしれない]
「カザン」の不具合は修正され、2019年7月中には航行試験を再開できる見込みです。
ただ、今回、『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフ氏は、「カザン」を2019年にロシア海軍へ引き渡すとは言っていないので、またもや延期される可能性が高いようですが。
「ヤーセン」級シリーズ(原型1隻、改型6隻)は、2023年~2024年までに7隻がロシア海軍へ引き渡される予定です。
[ロシア海軍第4世代多用途原潜ヤーセン級は2023年までに計7隻が就役する]
[ロシア海軍の最新鋭多用途原潜ヤーセン級は北方艦隊と太平洋艦隊へ配備される]
- 関連記事
-
- ヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンのロシア海軍への引き渡しは2020年に延期された
- ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦2隻は2020~2021年に起工される
- ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンは2019年7月に航行試験を再開する
- ヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンのロシア海軍への引き渡しは延期されるかもしれない
- ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクは基地に停泊したまま巡航ミサイル"カリブル"を発射した
スポンサーサイト