ロシア海軍の戦略用途原子力水中巡洋艦ブリャンスクは寿命延長工事を行なっている

『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年6月7日13時2分配信
【原子力潜水艦「ブリャンスク」の勤務期間は3年半延長される】
艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』で修理中のプロジェクト667BDRM水中ロケット艦「ブリャンスク」は、その作業の完了後、更に少なくとも3年半勤務する。
『Mil.Press FlotProm』は金曜日にセヴェロドヴィンスク企業広報サービスより伝えられた。
現在、原子力潜水艦は船台修理を行なっている。
『ズヴェズドーチカ』は、「ブリャンスク」で行なわれている作業の概略は、以前の原子力潜水艦「ヴェルホトゥリエ」、「エカテリンブルク」、「トゥーラ」の修理の手順から変更は無いと付け加えた。
海軍の情報提供者によると、潜水艦の作業構成では、原子力潜水艦の技術的構成が以前に(作業を)終了した潜水艦から変更されるかもしれない。
これは各システムの近代化の話である。
企業の年次公式報告に記載されているように「工場番号383ブリャンスクの修理間期間の延長を伴う技術的修理作業の契約」は2018年6月25日に署名された。
[『Mil.Press FlotProm』参照]
戦略用途ロケット水中巡洋艦K-117「ブリャンスク」は、プロジェクト667BDRM原子力潜水艦シリーズの4隻目である。
1985年に『セヴマシュ』で起工され、進水及び運用開始は1989年であった。
2002年から2007年に「ブリャンスク」は『ズヴェズドーチカ』で中間修理及び近代化を実施した。
プロジェクト667BDRM「デリフィン」戦略用途ロケット水中巡洋艦(NATOコード名「デルタIV」)の5番艦K-117は、1985年4月20日にセヴェロドヴィンスクの『セヴマシュ』造船所で起工されました。
1988年2月8日に進水し、同年10月6日に就役しました。
1988年11月9日、オレニヤ基地へ到着しました。

1989年7月~9月に最初の戦闘勤務(北極圏の戦略パトロール)を行ないました。
1990年2月~4月に戦闘勤務を行ないました。
1991年に戦闘勤務を行ないました。
1992年6月3日に戦略用途原子力水中巡洋艦へ艦種変更されました。
1993年にも戦闘勤務を行ない、ガジエヴォ基地へ配置替えとなりました。

1996年6月25日、ブリャンスク市と後援協定を締結しました。
1997年1月15日から3月29日まで戦闘勤務を行ないました。
1998年1月27日、「ブリャンスク」と命名されました。
2002年8月10日、修理及び近代化の為、セヴェロドヴィンスクの艦船修理工場『ズヴェズドーチカ』へ到着しました。
2007年末までに近代化は終了し、2008年初頭に艦隊へ復帰しました。

[デルタVI型戦略原潜「ブリャンスク」は、近代化改装後のテスト航海を終えた]
[デルタVI型戦略原潜「ブリャンスク」、復帰(イタルタス)]
2009年には2度に渡り弾道ミサイル発射試験を行ないました。
[デルタIV型原潜、再び弾道ミサイル「シネーワ」発射]
[デルタIV級原潜「ブリャンスク」、弾道ミサイル発射]
2010年10月28日にも弾道ミサイルを発射しています。
2013年7月、「3ヶ月間に渡る戦闘任務(浮上せずに潜航状態のまま)」を終えて帰投しました。
おそらくは、潜航状態のまま北極海で戦略パトロールを行なっていたのでしょう。

[デルタIV級戦略原潜ブリャンスクは3ヶ月間の海洋任務を終えて基地へ戻った]
2013年10月30日に弾道ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍の戦略原潜は「抜き打ち」で弾道ミサイルを発射した]
2015年10月30日に弾道ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍の戦略原潜ブリャンスクとポドリスクは弾道ミサイルを発射した]
2017年10月27日に弾道ミサイルを発射しました。
2017年12月30日にセヴェロドヴィンスクの艦船修理工場『ズヴェズドーチカ』へ到着し、寿命延長改修工事が始まりました。

工事期間は2年程度ですから、順調に行けば、2019年12月末には復帰できるでしょう。
記事中で触れられていますが、ロシア北方艦隊に在籍する6隻の667BDRMは、1番艦から順次寿命延長工事が行なわれており、現在、3隻目まで完了しています。
「ヴェルホトゥリエ」:2012年12月末に改装完了
[デルタIV級戦略原潜ヴェルホトゥリエはロシア海軍へ復帰した]
「エカテリンブルク」:2014年12月中旬に改装完了
[火災で損傷したデルタIV級戦略原潜エカテリンブルクは修理を終えてロシア海軍へ復帰した]
「トゥーラ」:2017年12月末に改装完了
[ロシア海軍北方艦隊の戦略用途原子力水中巡洋艦トゥーラの近代化改装は完了した]
その前にも、1999年から2012年に掛けて6隻の667BDRMが第1次近代化改装を行なっています。
[全てのデルタIV級戦略原潜は寿命を35年に延長する]
なお、元々は667BDRMの3番艦だったK-64は、特殊用途原子力潜水艦に改造され、2016年12月26日にBS-64「ポドモスコヴィエ」として再就役しました。
[改造を終えた特務原潜ポドモスコヴィエ(モスクワ州)はロシア海軍へ引き渡された]
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