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ロシア海軍太平洋艦隊の潜水艦コムソモリスク・ナ・アムーレは日本海で4本の魚雷を発射した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2019年6月11日7時32分配信
【太平洋艦隊の潜水艦は日本で仮想敵艦船支隊への魚雷攻撃を実施した】

戦闘訓練計画に沿って、太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊ディーゼル潜水艦「コムソモリスク・ナ・アムーレ」は、仮想敵戦闘艦船支隊への攻撃を行なった。

艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、駆逐艦「ブイストルイ」、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」で構成され、日本海の戦闘訓練射爆場で潜水艦の捜索を行なう戦闘艦支隊対潜航空機Tu-142及びIl-38が支援した。

次に、潜水艦水上艦の行動海域へ隠密裏に進入し、上手く探知を回避し、支隊を4発の実弾魚雷で攻撃した。
演習実施中の潜水艦乗員の行動は成功と認められた。



プロジェクト877大型潜水艦B-187は、コムソモリスク・ナ・アムーレ市『アムール造船工場』で1991年5月7日に起工され、同年10月5日に進水、そして同年12月30日には受領-引渡証書への署名が行なわれ、ソ連海軍へ納入されました。
翌1992年に太平洋艦隊へ正式編入、第182独立潜水艦旅団の所属となり、カムチャツカ半島へ配備されました。

1993年1月~3月、1994年8月~9月、1995年3月15日~4月28日に戦闘勤務を実施。

1997年8月、東南アジアでの兵器展示会への参加準備の為、ウラジオストクへ回航されました。
1997年10月にはタイの展示会「タイ-97」(10月20日~27日)へ参加し、11月にはベトナムカムラン湾へ停泊、翌12月にはマレーシアの展示会「リマ-97」(12月2日~8日)へ参加しました。
この双方の展示会において、B-187は、輸出用潜水艦プロジェクト636「見本」として出展されました。
この時、西側は、本艦の艦名をBN-529「ロシア」と勘違いしています。

東南アジアから帰港後、B-187ウラジオストク(ウリス湾)第19潜水艦旅団へ転属しました。

2003年、B-187は修理の為、ボリショイ・カーメニへ回航、その後、近代化改装を行なう為、建造元の『アムール造船工場』へ回航されました。

就役から24年が経過した2015年7月20日に「コムソモリスク・ナ・アムーレ」と命名されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のキロ級潜水艦B-187はコムソモリスク・ナ・アムーレと命名された]

2015年10月には造船台を出渠し、浮きドック「ゼーヤ」へ載せられ、引き続き艤装工事が進められました。


2016年5月5日、潜水艦「コムソモリスク・ナ・アムーレ」は再び進水し、艤装岸壁へ係留されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のキロ級潜水艦コムソモリスク・ナ・アムーレは進水した]

その後、係留試験が行なわれ、2016年12月には航行試験が行なわれ、12月10日に終了しました。
[近代化されたロシア海軍太平洋艦隊の潜水艦コムソモリスク・ナ・アムーレは航行試験を終えた]

2016年12月19日、「コムソモリスク・ナ・アムーレ」太平洋艦隊基地(ウラジオストク南部のウリス湾)へ到着しました。
[近代化された潜水艦コムソモリスク・ナ・アムーレはロシア海軍太平洋艦隊基地へ到着した]

2017年1月27日、太平洋艦隊への再編入式典が開催され、正式に再就役しました。

[近代化改装を終えた潜水艦コムソモリスク・ナ・アムーレはロシア海軍太平洋艦隊へ再就役した]

その後の動向は殆ど公表される事は有りませんでしたが(2018年7月末にウラジオストクで行なわれた『ロシア海軍の日』観艦式への参加のみ公表)、ウリス湾に駐留する潜水艦は、日本海でパトロールを行ない、更には同海域で行なわれる太平洋艦隊の演習にも参加しているので、「コムソモリスク・ナ・アムーレ」も、これらの活動へ参加しているようです。

更に、ウリス湾に駐留する潜水艦は、日本海で1対1の『対決』方式の戦闘訓練を何度か行なっているので、これに参加している可能性は高いでしょう。
[ロシア海軍太平洋艦隊の通常動力潜水艦2隻は日本海で『対決』した]

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2019年6月7日4時37分配信
【太平洋艦隊のディーゼル潜水艦は日本海で魚雷射撃対決を行なった】

「コムソモリスク・ナ・アムーレ」は、2019年5月初頭に黄海で実施されたロシア海軍中国海軍合同演習『海洋協同-2019』へ参加しました。
[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2019』(2019年5月)]

そして6月11日、「コムソモリスク・ナ・アムーレ」は、ロシア太平洋艦隊旗艦のナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(1990年1月7日就役)、戦隊水雷艦(駆逐艦)「ブイストルイ」(1989年10月28日就役)、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」(1991年12月15日就役)の3隻を相手に日本海で魚雷攻撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型水上艦はピョートル大帝湾で対潜演習を行なった]
今回の太平洋艦隊広報部発表では、実弾魚雷4発が使用されたと書かれていますが、弾頭は外されていますし、発射された魚雷は、後で魚雷回収艇により回収されています。


なお、今回、「コムソモリスク・ナ・アムーレ」の「相手役」を務めた大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」は、6月10日からウラジオストクを訪問している日本海上自衛隊護衛艦「すずなみ」のホストシップでもあります。
[ロシア海軍太平洋艦隊基地ウラジオストクを日本海上自衛隊の艦が訪れた]

本日(6月11日)、ウラジオストクでは、ロシア海軍将兵と「すずなみ」乗組員の親善スポーツ試合が開催されました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2019年6月11日9時4分配信
【ウラジオストクでロシア及び日本の船員が参加するスポーツ競技会が開催された】
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