クルイロフ国立科学センターは半双胴形式の中型原子力空母の概念設計案を提示した
- カテゴリ:ロシア新世代航空母艦
『タス通信』より
2019年6月26日16時40分配信
【クルイロフセンターは100機までの飛行装置を搭載する原子力航空母艦プロジェクトを公表した】
クビンカ/モスクワ州/6月26日/タス通信
『クルイロフ国立科学センター』は、国際軍用機器展示会『アルミヤ-2019』において、原子炉及び補助ガスタービン装置を有し、100機までの飛行装置の搭載が可能な排水量76000トンの中型航空母艦の概念設計案を提示した。
艦は電磁カタパルトとトランポリン台を装備する。
水曜日に『タス通信』はセンターの総取締役代行パーヴェル・フィリッポフより伝えられた。
「我がセンターは、プロジェクト"シトルム-KM"の中型モデルを提示します~これは76000トンで原子炉及び補助ガスタービン装置を有する航空母艦です。
船体は、半双胴方式が提示され、艦の飛行装置の機数は100機までとなり、その戦闘効率はニミッツ型航空母艦に近いものとなります」
フィリッポフは話した。
彼は、航空母艦へ設置する為の電磁カタパルトはトランポリン台と組み合わされ、艦上飛行士の発艦の際の過負荷を「完全に使いやすい」2gまで低減される事を指摘した。
センターのトップは、センターの専門家が、電磁カタパルト及びトランポリン台の採用と共に、特殊なフォルムの船体、改善される動力装置制御システムを含む新たな導入を提示していると述べた。
「航空機及びヘリコプターの運用といった艦上飛行装置の運用を最大限に近づける事を可能にします」
フィリッポフは、ロシアの新たな航空母艦を作成する為の実際の作業は、資金不足が故に、今後3年間は開始されない事を確認した。
「この作業は、現行の国家軍備プログラムの後半に計画されておりますが、それは今後3年間では有りません。
2021年までは、この作業の組み入れは全く開始されず、そのような融資は有りません」
彼は話した。
2015年、クルイロフセンターは、排水量95000~10万トン、艦上航空団は80~90機の飛行装置から成る重航空母艦プロジェクト23000E(コード名「シトルム」)を提示した。
[ロシア新世代航空母艦]
ロシア海軍の為の将来航空母艦Перспективный Авианосецの設計開発作業は2007年に始まりました。
将来航空母艦の設計を担当するのは『ネヴァ川計画設計局』になりますが、その叩き台となる概念設計案は、ロシア海軍向けなどの艦船の形状を研究する『クルイロフ国立科学センター』により作成されます。
『クルイロフ国立科学センター』は、まず初めに、2015年に多目的重航空母艦プロジェクト23000E「シトルム」を作成しました。
[多目的重航空母艦プロジェクト23000E「シトルム」]
満載排水量:90000-10000トン
全長:330m
船体幅:40m
吃水:11m
機関:通常動力
速力:30ノット
巡航速力:20ノット
自立行動期間:120日
乗員:4000-5000名
搭載機:80-90機(Su-57艦載型、MiG-29K、早期警戒機、Ka-27ヘリコプター)
発着艦設備:スキージャンプ2ヶ所、電磁カタパルト2基、着艦フック1式
兵装:対空ミサイルモジュール(リドゥート?)4基、対魚雷兵装(パケート-NK?)

その後、『クルイロフ国立科学センター』は、2018年8月下旬に軽航空母艦「シトルム-KM」の概念設計案を公表しました。
[クルイロフ国立科学センターは軽空母の概念設計案を作成する]
[クルイロフ国立科学センターは軽空母の概念設計案を公表した]
この軽空母は基本的には輸出用ですが、ロシア海軍向けとしても考慮されています。
[クルイロフ国立科学センターは半双胴形式の軽空母を提案する]

[軽多目的航空母艦「シトルム-KM」]
基準排水量:37000トン
満載排水量:44000トン
全長:304m
最大幅:78m
機関出力:110000馬力(ガスタービン)
速力:28ノット
航続距離:8000海里
自立航行期間:60日
兵装:高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-ME」×4基
対潜/対魚雷複合体「パケート」×4基
搭載機:46機
(重戦闘機×12~14機
軽戦闘機×12~14機、
遠距離電波位置特定巡視航空機×4機
ヘリコプター×12~14機)
一見すると、「アドミラル・クズネツォフ」をリファインしたような艦ですが、この艦は「半カタマラン(双胴形式)」と呼ばれ、船体の後部が双胴形状になっています。
「アドミラル・クズネツォフ」よりも15000トンほど軽い空母ですが、飛行甲板のサイズは「アドミラル・クズネツォフ」と殆ど同じであり、搭載機数も「アドミラル・クズネツォフ」より、やや少ない程度となっております。
機関はガスタービンですが、合計出力(11万馬力)から見て、おそらくは、フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」型と同じM90FR(27500馬力)を4基搭載するようです。

更に、「半カタマラン(双胴形式)」は、水中抵抗を20パーセント低減させるメリットがあるとの事です。
[クルイロフ国立科学センターの半双胴(カタマラン)形式軽多目的空母は水中抵抗が大幅に低減する]
そして2019年6月下旬、『クルイロフ国立科学センター』は、中型航空母艦の概念設計案を公表しました。
ただし、公表されたのは大まかな要目のみであり、今の所、模型は公開されていませんが・・・
[中型航空母艦]
満載排水量:76000トン
機関:原子力推進+補助ガスタービンエンジン
発艦方式:電磁カタパルト+トランポリン台(スキージャンプ台)
搭載機:各種合計100機
この中空母は、船体は以前の軽空母と同様の「半双胴船体」(セミ・カタマラン)、艦載機射出用として電磁カタパルトとトランポリン台を装備し、機関は原子力ですが、補助エンジンとしてガスタービンも搭載します。
搭載機数は100機と、重空母「シトルム」よりも多くなっています。
大まかに言えば、以前の重空母「シトルム」と軽空母「シトルム-KM」を足して二で割ったような艦です。
ロシア海軍は、新たな空母として7万トン級の原子力艦を望んでいますが、今回の『クルイロフ国立科学センター』の中空母が、これに最も近いようです。
[ロシア海軍の為の7万トン級原子力空母の開発作業は2023年に始まる]
将来航空母艦を建造する造船所については、最近、『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフ氏が、サンクトペテルブルク市の『バルト工場』と『北方造船所』、或いはセヴェロドヴィンスクの『セヴマシュ』の協同建造になると述べています。
[ロシア海軍の新世代原子力航空母艦の開発と建造には15年掛かる]
『バルト工場』

『北方造船所』

『セヴマシュ』
2019年6月26日16時40分配信
【クルイロフセンターは100機までの飛行装置を搭載する原子力航空母艦プロジェクトを公表した】
クビンカ/モスクワ州/6月26日/タス通信
『クルイロフ国立科学センター』は、国際軍用機器展示会『アルミヤ-2019』において、原子炉及び補助ガスタービン装置を有し、100機までの飛行装置の搭載が可能な排水量76000トンの中型航空母艦の概念設計案を提示した。
艦は電磁カタパルトとトランポリン台を装備する。
水曜日に『タス通信』はセンターの総取締役代行パーヴェル・フィリッポフより伝えられた。
「我がセンターは、プロジェクト"シトルム-KM"の中型モデルを提示します~これは76000トンで原子炉及び補助ガスタービン装置を有する航空母艦です。
船体は、半双胴方式が提示され、艦の飛行装置の機数は100機までとなり、その戦闘効率はニミッツ型航空母艦に近いものとなります」
フィリッポフは話した。
彼は、航空母艦へ設置する為の電磁カタパルトはトランポリン台と組み合わされ、艦上飛行士の発艦の際の過負荷を「完全に使いやすい」2gまで低減される事を指摘した。
センターのトップは、センターの専門家が、電磁カタパルト及びトランポリン台の採用と共に、特殊なフォルムの船体、改善される動力装置制御システムを含む新たな導入を提示していると述べた。
「航空機及びヘリコプターの運用といった艦上飛行装置の運用を最大限に近づける事を可能にします」
フィリッポフは、ロシアの新たな航空母艦を作成する為の実際の作業は、資金不足が故に、今後3年間は開始されない事を確認した。
「この作業は、現行の国家軍備プログラムの後半に計画されておりますが、それは今後3年間では有りません。
2021年までは、この作業の組み入れは全く開始されず、そのような融資は有りません」
彼は話した。
2015年、クルイロフセンターは、排水量95000~10万トン、艦上航空団は80~90機の飛行装置から成る重航空母艦プロジェクト23000E(コード名「シトルム」)を提示した。
[ロシア新世代航空母艦]
ロシア海軍の為の将来航空母艦Перспективный Авианосецの設計開発作業は2007年に始まりました。
将来航空母艦の設計を担当するのは『ネヴァ川計画設計局』になりますが、その叩き台となる概念設計案は、ロシア海軍向けなどの艦船の形状を研究する『クルイロフ国立科学センター』により作成されます。
『クルイロフ国立科学センター』は、まず初めに、2015年に多目的重航空母艦プロジェクト23000E「シトルム」を作成しました。
[多目的重航空母艦プロジェクト23000E「シトルム」]
満載排水量:90000-10000トン
全長:330m
船体幅:40m
吃水:11m
機関:通常動力
速力:30ノット
巡航速力:20ノット
自立行動期間:120日
乗員:4000-5000名
搭載機:80-90機(Su-57艦載型、MiG-29K、早期警戒機、Ka-27ヘリコプター)
発着艦設備:スキージャンプ2ヶ所、電磁カタパルト2基、着艦フック1式
兵装:対空ミサイルモジュール(リドゥート?)4基、対魚雷兵装(パケート-NK?)

その後、『クルイロフ国立科学センター』は、2018年8月下旬に軽航空母艦「シトルム-KM」の概念設計案を公表しました。
[クルイロフ国立科学センターは軽空母の概念設計案を作成する]
[クルイロフ国立科学センターは軽空母の概念設計案を公表した]
この軽空母は基本的には輸出用ですが、ロシア海軍向けとしても考慮されています。
[クルイロフ国立科学センターは半双胴形式の軽空母を提案する]

[軽多目的航空母艦「シトルム-KM」]
基準排水量:37000トン
満載排水量:44000トン
全長:304m
最大幅:78m
機関出力:110000馬力(ガスタービン)
速力:28ノット
航続距離:8000海里
自立航行期間:60日
兵装:高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-ME」×4基
対潜/対魚雷複合体「パケート」×4基
搭載機:46機
(重戦闘機×12~14機
軽戦闘機×12~14機、
遠距離電波位置特定巡視航空機×4機
ヘリコプター×12~14機)
一見すると、「アドミラル・クズネツォフ」をリファインしたような艦ですが、この艦は「半カタマラン(双胴形式)」と呼ばれ、船体の後部が双胴形状になっています。
「アドミラル・クズネツォフ」よりも15000トンほど軽い空母ですが、飛行甲板のサイズは「アドミラル・クズネツォフ」と殆ど同じであり、搭載機数も「アドミラル・クズネツォフ」より、やや少ない程度となっております。
機関はガスタービンですが、合計出力(11万馬力)から見て、おそらくは、フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」型と同じM90FR(27500馬力)を4基搭載するようです。

更に、「半カタマラン(双胴形式)」は、水中抵抗を20パーセント低減させるメリットがあるとの事です。
[クルイロフ国立科学センターの半双胴(カタマラン)形式軽多目的空母は水中抵抗が大幅に低減する]
そして2019年6月下旬、『クルイロフ国立科学センター』は、中型航空母艦の概念設計案を公表しました。
ただし、公表されたのは大まかな要目のみであり、今の所、模型は公開されていませんが・・・
[中型航空母艦]
満載排水量:76000トン
機関:原子力推進+補助ガスタービンエンジン
発艦方式:電磁カタパルト+トランポリン台(スキージャンプ台)
搭載機:各種合計100機
この中空母は、船体は以前の軽空母と同様の「半双胴船体」(セミ・カタマラン)、艦載機射出用として電磁カタパルトとトランポリン台を装備し、機関は原子力ですが、補助エンジンとしてガスタービンも搭載します。
搭載機数は100機と、重空母「シトルム」よりも多くなっています。
大まかに言えば、以前の重空母「シトルム」と軽空母「シトルム-KM」を足して二で割ったような艦です。
ロシア海軍は、新たな空母として7万トン級の原子力艦を望んでいますが、今回の『クルイロフ国立科学センター』の中空母が、これに最も近いようです。
[ロシア海軍の為の7万トン級原子力空母の開発作業は2023年に始まる]
将来航空母艦を建造する造船所については、最近、『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフ氏が、サンクトペテルブルク市の『バルト工場』と『北方造船所』、或いはセヴェロドヴィンスクの『セヴマシュ』の協同建造になると述べています。
[ロシア海軍の新世代原子力航空母艦の開発と建造には15年掛かる]
『バルト工場』

『北方造船所』

『セヴマシュ』

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