コムソモリスク・ナ・アムーレ造船所でロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭小型ロケット艦ルジェフとウドムリャが起工された
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア沿海地方情報供給部(ウラジオストク市)発表
2019年7月1日6時15分配信
【『アムール造船工場』で太平洋艦隊の為の新たな「カリブル-NK」ミサイル搭載小型ロケット艦2隻が起工された】
本日、企業創立83周年記念日を迎えた公開株式会社『アムール造船工場』で、「ルジェフ」及び「ウドムリャ」と命名された太平洋艦隊の為の2隻のプロジェクト22800小型ロケット艦の起工式典が開催された。
式典には、太平洋艦隊を代表して艦隊副司令官(軍備担当)イーゴリ・コロリョーフ少将が出席した。
これらの最新艦の建造は、国防省が締結した太平洋艦隊の為の6隻のプロジェクト22800艦の建造契約の枠組みで実行される。
これらの小型ロケット艦の内、4隻はアムール企業、2隻はウラジオストクの『東方造船所』による建造が計画されている。
起工されたシリーズ艦は、2020年以降の就役が予定されている。
プロジェクト22800小型ロケット艦は、中央海洋設計局『アルマーズ』により設計された。
艦の全長は67メートル、幅11メートル、吃水4メートル。
主動力装置はディーゼルエレクトリック。最大航行速力30ノット、航続距離2500海里、自立航行期間15日。
小型ロケット艦は、76mm汎用自動砲、高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」、更には有翼ミサイル打撃複合体「カリブル-NK」で武装する。
プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦は、ロシア海軍の現用のプロジェクト12341「オヴォード」小型ロケット艦(ナヌチュカ級)及びプロジェクト12411「モルニヤ」ロケット艇(タランタル級)の後継となる新世代の小型ロケット艦です。
プロジェクト12341小型ロケット艦(「イネイ」)

プロジェクト12411ロケット艇(R-29)

元々は「オヴォード」や「モルニヤ」の後継としてプロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(満載排水量465トン)が建造される筈だったのですが、2001年6月5日に起工された1番艇は工事中止となりました。
[ロシア新型ミサイル艇プロジェクト12300「スコルピオン」]
その後、『アルマーズ』設計局は「スコルピオン」の拡大発展型(満載排水量800トン)を設計し、それに小改正を加えたのがプロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦として建造される事になりました。
プロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(拡大発展型)

プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦

プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦は、現在の所、合計18隻の建造が計画されており、この内の13隻が起工されています。
最初の2隻:「ウラガーン」と「タイフーン」は、2015年12月24日にサンクトペテルブルク近郊の『ペラ』造船所で起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ウラガーンとタイフーンはサンクトペテルブルクで起工された]
「ウラガーン」は2017年7月29日、「タイフーン」は2017年11月24日に進水しました。
[ロシア海軍最新鋭小型ロケット艦カラクルト級2番艦タイフーン進水(2017年11月24日)]
「ウラガーン」改め「ムィティシ」は2018年12月17日に就役し、バルト艦隊へ編入されました。
[プロジェクト22800カラクルト小型ロケット艦1番艦ウラガーン改めムィティシはロシア海軍へ就役し、バルト艦隊へ編入された]
[ムィティシ市はロシア海軍最新鋭小型ロケット艦ムィティシを後援する]
「タイフーン」改め「ソヴィェツク」は、2019年5月20日に航行試験を開始しました。
[ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦ソヴィェツク(タイフーン)、航行試験開始(2019年5月20日)]
ロシア海軍への引き渡しは2019年12月に予定されています。
2016年5月10日、クリミア半島のフェオドシヤ造船工場『モーリェ』(海洋)で「シトルム」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シトルムはクリミアで起工された]
2016年7月29日、『ペラ』造船所で「シクヴァル」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シクヴァルは起工された]
「シクヴァル」は2018年5月5日に進水しました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800カラクルト級小型ロケット艦の3番艦シクヴァルは進水した]
2016年12月24日、『ペラ』造船所で「ブーリャ」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ブーリャはサンクトペテルブルクで起工された]
「ブーリャ」は2018年10月23日に進水しました。
[ロシア海軍の為のカラクルト級小型ロケット艦4番艦ブーリャは進水した]
2017年3月17日、フェオドシヤ造船工場で「オホーツク」が起工されました。
[クリミアのフェオドシヤ造船所でロシア海軍の新世代小型ロケット艦オホーツクが起工された]
2017年12月19日、フェオドシヤ造船工場で「ヴィフリ」が起工されました。
[クリミアのフェオドシヤ造船所でロシア海軍の新世代小型ロケット艦ヴィフリ(旋風)が起工された]
これで『ペラ』造船所及びフェオドシヤ造船工場契約分7隻は全て起工されました。
ロシア内陸部タタールスタン共和国の『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』は、2016年8月に5隻の「カラクルト」を受注しました。
[タタールスタンのゼレノドリスク造船所はロシア海軍の為に小型ロケット艦カラクルト級を5隻建造する]
『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』は、2016年~2017年に3隻の「カラクルト」を起工していますが、実際には、同社の下請けとして、クリミア半島のケルチ市に在る造船工場『ザリフ』で建造されています。
「ツィクロン」Циклон(工場番号801):2016年起工
「アスコルド」Аскольд(工場番号802):2016年起工
「アムール」Амур(工場番号803):2017年7月30日起工
2019年2月26日、『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』本社で、同社が受注した4隻目の「カラクルト」となる「トゥーチャ」Туча(工場番号804)が起工されました。
[ロシア海軍の為の最新鋭小型ロケット艦トゥーチャはタタールスタンのゼレノドリスク造船所で起工された]
今後、5隻目の「カラクルト」(工場番号805)も起工されます。
この他、極東の造船所で、太平洋艦隊向けの「カラクルト」級小型ロケット艦6隻の建造が計画されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のカラクルト級小型ロケット艦6隻の建造契約は2019年に締結される]

2019年7月1日、この内の最初の2隻:「ルジェフ」と「ウドムリャ」がコムソモリスク・ナ・アムーレ市の『アムール造船工場』で起工されました。


「ルジェフ」と「ウドムリャ」は、モスクワ北西のトヴェリ州にある都市です。

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