ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"と地対艦ミサイル"ウチョス"は演習を行なった
- カテゴリ:クリミア(ウクライナ)情勢
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2019年7月19日8時0分配信
【フリゲート「アドミラル・マカロフ」とミサイル複合体「ウチョス」の戦闘班はミサイル射撃を実施した】
黒海エリアで、艦船部隊とサイロ配置対艦ミサイル複合体「ウチョス」の計画合同演習が実施された。
演習のプロットにより、複合体「ウチョス」の要員には、海上の仮想敵艦船支隊を探知し、それに対してミサイル兵器を使用する任務が与えられた。
次に、フリゲート「アドミラル・マカロフ」乗組員は、探知手段によりミサイルの方位を測定し、高射ミサイル複合体「シチーリ」からの射撃を実施し、それをコース上で撃破する必要があった。
演習中に複合体「ウチョス」の戦闘班は、ミサイル標的「プログレス」のミサイル射撃を実施し、艦の戦闘班は、目標~発射された2基のミサイルを、指摘座標及び高度で目標を成功裏に撃破した。
ミサイル標的を追尾し、それを成功裏に撃破したミサイル射撃の実施は、視覚観測手段(無人飛行装置)により記録された。
ミサイル射撃実施の際の海上射爆場の安全を保障する目的で、そこは船舶航行の為に閉鎖された。
閉鎖射爆場での任務は、17隻の戦闘艦及び補助船、更には黒海艦隊海上航空隊の航空機により遂行された。
プロジェクト11356Rフリゲート3番艦「アドミラル・マカロフ」は、2012年2月29日にカリーニングラードの『ヤンターリ』造船所で起工され、2015年9月2日に進水し、2017年12月27日にロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入されました。
[プロジェクト11356Rフリゲート3番艦アドミラル・マカロフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]
就役後もバルト海に留まって慣熟訓練を行ない、2018年7月29日の『ロシア海軍の日』にはサンクトペテルブルク(ネヴァ川)の観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
観艦式が終わった後、北方艦隊及びバルト艦隊の参加艦と共にバルト海で合同演習を行ないました。
[北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールはバルト海のロシア海軍演習へ参加する]
2018年8月18日、「アドミラル・マカロフ」は黒海艦隊基地セヴァストーポリへの移動を開始しました。
[ロシア海軍の最新フリゲート"アドミラル・マカロフ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ向かった]
2018年8月末までに地中海東部へ到着し、同海域で9月1日から8日まで実施されたロシア海軍とロシア航空宙軍の大規模演習へ参加しました。
[ロシア海軍とロシア航空宇宙軍の地中海演習(2018年9月1日~8日)]
その後も地中海東部に留まっていましたが、10月4日にダーダネルス海峡へ入り、地中海を去りました。
[ロシア海軍の最新フリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海を去り、黒海へ向かった]
翌10月5日、黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍の最新フリゲート"アドミラル・マカロフ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着した]
セヴァストーポリ到着後、「アドミラル・マカロフ」の舷側番号は「499」に変更されました。
(就役時は「799」)
11月5日にセヴァストーポリを出航し、11月6日にボスポラス海峡及びダーダネルス海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海へ入る]
11月16日、同型艦「アドミラル・エッセン」と共に艦載ヘリコプターの訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"と"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で艦載ヘリコプターの訓練を行なった]
11月20日には「アドミラル・エッセン」と共に対空防衛演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"と"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で対空防衛演習を行なった]
その後も「アドミラル・マカロフ」は地中海東部に留まっており、12月28日にキプロスのリマソール港へ入港しました。

[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"はキプロスのリマソールを訪れた]
12月29日にリマソール港を去りました。
「アドミラル・マカロフ」は、2019年の新年を洋上(地中海東部)で迎えました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で2019年の新年を迎える]
2019年1月中旬、「アドミラル・マカロフ」は、シリアのタルトゥース港で乗組員の錬成訓練を開始しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で乗組員の慣熟訓練を始めた]
2月1日には、対空防衛訓練を実施しました。
(おそらくはタルトゥース港に停泊した状態で)
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で対空防衛訓練を行なった]
その後、「アドミラル・マカロフ」はタルトゥースを出航し、2月11日に再びキプロスのリマソール港へ寄港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は再びキプロスのリマソール港へ寄港した]
2月13日にリマソール港を出航しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"はキプロスのリマソール港を去った]
「アドミラル・マカロフ」は、その後も地中海東部に滞在していましたが、3月4日にダーダネルス海峡へ入り、母港セヴァストーポリへ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海を去った]
翌3月5日にセヴァストーポリへ帰投しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"はセヴァストーポリへ帰投した]
その後は黒海で行動していました。
沿岸(地下)固定式ミサイル複合体「ウチョス」(秘匿名「オブィエクト-100」)は、東西冷戦時代にクリミア半島(セヴァストーポリ軍港周辺)防衛用として特別に建設された地下サイロ方式の地対艦ミサイルです。
ミサイルは艦対艦ミサイルP-35「プログレス」(SS-N-3シャドック)が使用されました。
『赤旗黒海艦隊情報リソース』より
【沿岸固定ミサイル複合体「ウチョス」】
ソ連邦解体後は放棄されていましたが、2014年3月にクリミア半島がロシア連邦へ編入された後に修復が始まり、2016年11月までに復活しました。
将来的には、超音速対艦ミサイル「バスチオン」(オーニクス)へ換装されます。
[クリミア半島へロシア海軍の地対艦ミサイル"バスチオン"のサイロ発射型が配備される]
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