ロシア海軍北方艦隊は最新鋭原潜クニャージ・ウラジーミルとカザンの航行試験を継続する
- カテゴリ:ロシア北方艦隊(2012-2019年)


『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2019年7月24日9時36分配信
【北方艦隊は2隻の新たな原子力潜水艦の試験の継続を発表した】
モスクワ、7月24日、インタファクス
北方艦隊の船員は、プロジェクト「ボレイ-A」戦略ロケット艦「クニャージ・ウラジーミル」とプロジェクト「ヤーセン-M」原子力水中ロケット巡洋艦「カザン」の試験を続ける。
北方艦隊司令官アレクサンドル・モイセーエフ中将は表明した。

「北方艦隊の要員は、プロジェクト"ボレイ-A"戦略ロケット艦クニャージ・ウラジーミルとプロジェクト"ヤーセン-M"原子力水中ロケット巡洋艦カザンを含む最新艦の試験プログラムの実行を保障します」
モイセーエフは報道陣へ話した。
3月、『セヴマシュ』のトップ、ミハイル・ブドニチェンコは、『インタファクス』のインタビューに対し、プロジェクト「ヤーセン」多目的ロケット水中巡洋艦が有する戦闘特性は、非核戦略抑止機能の遂行を可能にすると語った。
「プロジェクト"ヤーセン"原子力潜水艦は、汎用のミサイル及び魚雷兵器を搭載しております。
装備するミサイルは、対艦作戦だけでは無く、非核戦略抑止機能を遂行します」
ブドニチェンコは3月29日に公表されたインタビューで指摘した。
彼によると、ロシア連邦国防省は会議において何度も「我が国は、水中に長期間滞在できる高精度兵器を有する低騒音の艦を必要としている」と指摘した。
「プロジェクト"ヤーセン"及び"ボレイ"原子力艦は、より高技術かつハイテク潜水艦です」
ブドニチェンコは指摘した。
彼は更に、『セヴマシュ』が建造した原子力潜水艦「クニャージ・ウラジーミル」(プロジェクト955A「ボレイ-A」)と「カザン」(プロジェクト885M「ヤーセン-M」)は試験を行なっていると述べた。
「今日において、海軍に在籍している艦は、全ての世界の大洋エリアにおいて、我が国の安全保障を請け負っております」
ブドニチェンコは強調した。
現在、ロシア海軍は第4世代潜水艦を軍備採用している:有翼ミサイル「カリブル-PL」或いは「オーニクス」を有する多目的原子力潜水艦プロジェクト885「ヤーセン」/885M「ヤーセン-M」と、大陸間弾道ミサイル「ブラヴァー」を有する戦略水中巡洋艦プロジェクト955「ボレイ」/955A「ボレイ-A」。
これまでに、海軍の戦闘編制には、プロジェクト「ボレイ」戦略ロケット巡洋艦「ユーリー・ドルゴルーキー」、「アレクサンドル・ネフスキー」、「ウラジーミル・モノマーフ」と、プロジェクト「ヤーセン」多目的原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」が受け入れられている。
プロジェクト955「ボレイ」戦略用途原子力水中巡洋艦4番艦(プロジェクト955A「ボレイ-A」としては1番艦)K-549「クニャージ・ウラジーミル」は、2012年7月30日にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」で起工されました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミル起工]
2013年10月、船体の水圧試験が実施されました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミルは水圧試験を行なう]
2014年2月中旬、船体が完成しました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミルの船体が形成された]
そして2017年11月17日に進水しました。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜クニャージ・ウラジーミル進水(2017年11月17日)]
「クニャージ・ウラジーミル」は北方艦隊への配備が予定されており、既に乗組員も編成されています。
[ロシア海軍北方艦隊潜水部隊は新世代戦略原潜クニャージ・ウラジーミルと多用途原潜カザンの乗組員を編成した]
「クニャージ・ウラジーミル」は、2018年11月28日から12月24日まで洋上試験(工場航行試験)の第1段階を実施しました。

「クニャージ・ウラジーミル」は、初の試みとして、艦の洋上試験と並行して乗組員の慣熟訓練も行なっています。
[2019年末までにロシア海軍へ就役するボレイ-A級戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは洋上試験と乗組員の慣熟訓練を同時並行で行なう]
これまでは、海軍へ引き渡された後に乗組員の慣熟訓練を開始し、それが終わった後でパトロールなどの洋上任務に就いていたのですが、引き渡される前に乗組員の慣熟訓練も済ませ、就役後、すぐに洋上任務へ就けるようにするのが狙いです。
これが上手く行けば、今後就役する他の新造艦でも実施される事になるでしょう。
「クニャージ・ウラジーミル」は、2019年6月10日にセヴェロドヴィンスクを出航しています。
「クニャージ・ウラジーミル」は、2019年6月末から工場航行試験の第2段階を開始します。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは2019年6月末に航行試験を再開する]
その後、最終試験である国家受領試験を行ない、これが終わった後、ロシア海軍への引き渡しの準備が整います。
「クニャージ・ウラジーミル」のロシア海軍への引き渡しは、2019年12月に予定されています。
[第4のボレイ級戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは2019年12月にロシア海軍へ引き渡される]
プロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦の2番艦(改型のプロジェクト885M「ヤーセン-M」としては1番艦)「カザン」は、2009年7月24日にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」で起工されました。

[改セヴェロドヴィンスク型原潜「カザン」起工]
[改セヴェロドヴィンスク型原潜カザンは新型機器のみを装備した初の第4世代原潜となる]
[改ヤーセン級多用途原潜カザンの操舵装置の製造が始まった]
「カザン」は北方艦隊への配備が予定されており、既に乗組員も編成されています。
[ロシア海軍北方艦隊潜水部隊は新世代戦略原潜クニャージ・ウラジーミルと多用途原潜カザンの乗組員を編成した]
「カザン」は2017年3月31日に進水しました。
[ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンはセヴェロドヴィンスク造船所で進水した]
2017年7月末からは、造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
[ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンの係留試験が始まった]
2018年9月24日、「カザン」は最初の航行試験(工場航行試験)へ出発しました。
[ロシア海軍の為のヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンの航行試験が始まった]
試験は2019年1月初頭頃まで続きました。
「カザン」のロシア海軍への引き渡しは2019年12月末に予定されていました。
[第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンは2019年にロシア海軍へ引き渡される]
しかし、航行試験の結果、幾つかの不具合が発覚した為、2019年中の引き渡しは実現できない可能性が出てきました。
[ヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンのロシア海軍への引き渡しは延期されるかもしれない]
「カザン」の不具合は修正され、2019年7月中には航行試験を再開できる見込みです。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンは2019年7月に航行試験を再開する]
ただ、「カザン」の2019年12月末のロシア海軍への引き渡しが実現するかどうかは未だ確定していません。
- 関連記事
スポンサーサイト