ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はノヴァヤゼムリャで対テロ演習を行なう

『タス通信』より
2019年8月7日19時59分配信
【北方艦隊の船はノヴァヤゼムリャ地域で対テロリスト演習を実施する】
モスクワ、8月7日/タス通信
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、救助曳船「パミール」、給油船「セルゲイ・オシポフ」を含む北方艦隊北極支隊の艦船は、ノヴァヤゼムリャ地域で対テロリスト演習を開始した。
水曜日に艦隊広報サービスが公表した声明では、こう述べられている。
「大型対潜艦及び支援船の乗組員は、北方海上航路エリアでテロリストの脅威を防止する演習へ参加します。
計画訓練中、大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフの艦上に配置されている対テロリスト部隊は、戦術行動へ取り組みます」
声明では、こう指摘された。
広報サービスによると、水曜日、北方艦隊の北極艦・支援船支隊の一員である大型揚陸艦「コンドポガ」、「アレクサンドル・オトラコフスキー」、砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」は、ノヴァヤゼムリャ島の北方と南方を隔て、バレンツ海とカラ海を結ぶマトチキン海峡の通行を開始した。

北方艦隊艦船支隊の北極航海は8月5日に始まった。
航海は、北方艦隊コラ多種戦力小艦隊司令官オレグ・ゴルべフ中将の将旗の下で実施される。
支隊の艦船は、北方海上航路のルート上をタイミル半島まで、その後はセヴェルナヤゼムリャ列島まで行く。
「北方艦隊将兵は、北極の無防備の海岸での数回の海洋揚陸部隊の上陸へ参加し、重要な産業施設の防護演習を実施し、対潜任務へ取り組み、ミサイル及び砲射撃を実施します」
声明では、こう指摘された。

ロシア北方艦隊は、2012年から北極圏での行動を活発化させています。
2012年9月、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2012年9月12日出港、9月28日帰港)
[ロシア北方艦隊北極圏演習(2012年9月)]
2013年9月にも、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型揚陸艦「オレネゴルスキー・ゴルニャク」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2013年9月3日出港、9月30日帰港)
この時には、ノヴォシビルスク諸島のコテリヌイ島へ飛行場建設の為の各種機材や資材が陸揚げされ、同島の飛行場は再建されました。
[聖アンドレイの旗の下に]
2014年9月には、大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」、大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極圏へ派遣されました。
(2014年9月6日出港、10月9日寄港)
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2014年10月9日14時09分配信
【ロシア北方艦隊の艦は北極圏航海から戻ってきた】
2014年12月1日には、北方艦隊を中核とする北方統合戦略司令部が設立されました。
[ロシア連邦軍北極圏統合戦略司令部が設立された]
2015年にも北極圏への遠距離航海と演習が実施されました。
艦船支隊は8月16日に出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏遠征へ出発した]
[北方艦隊艦船支隊]
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」
大型揚陸艦「コンドポガ」
海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
サルベージ船KIL-164
サルベージ船「アレクサンドル・プーシキン」
救助曳船「パミール」
2隻の大型揚陸艦には、何時もの海軍歩兵部隊(キルケネス赤旗授与・第61独立海軍歩兵旅団)では無く、2012年に北方艦隊の指揮下へ移管された「ペチェンガ2等クトゥゾフ勲章受章・第200独立自動車化歩兵旅団」所属部隊が乗っていました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏のジクソンへ到着した]
演習はタイミル半島の重要な工業施設周辺、ノヴォシビルスク諸島のコテリヌイ島でも実施され、遠征部隊は2015年10月10日に帰港しました。
2016年8月30日~10月7日には、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、救助曳船「パミール」、サルベージ船KIL-164などが北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏航海を終えてセヴェロモルスクへ帰投した]
この時には太平洋艦隊からも砕氷船「イワン・スサ―ニン」と大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」が派遣され、ノヴォシビルスク諸島で合同演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフは北極圏遠征から戻ってきた]
2017年8月10日~10月4日には、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型揚陸艦「コンドポガ」、「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」などが北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア北方艦隊の北極海遠征(2017年8月-10月)]
2018年8月8日~10月11日には、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」を旗艦とする北方艦隊艦船支隊は、7度目となる北極圏への遠距離航海を行ないました。
この時にはオホーツク海まで進出し、極東のロシア連邦軍大演習『ヴォストーク-2018』にも参加しました。
[ロシア北方艦隊北極圏遠征(2018年8月-10月)]
2019年8月5日、8度目となる北極圏への遠距離航海が始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極遠征へ出発した]
参加艦船は、2018年度とほぼ同じです。
[北方艦隊北極支隊](オレグ・ゴルべフ中将)
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」
大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」
大型揚陸艦「コンドポガ」
救助曳船「パミール」
中型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」
遠征部隊の旗艦は、2018年度と同じ大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」です。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはバレンツ海で対潜演習を実施した]
8月7日、北極遠征部隊はノヴァヤゼムリャ付近へ到達し、対テロ演習を開始しました。
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