ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は洋上試験を再開した

『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年8月20日10時39分配信
【コルベット「グレミャーシチー」は国家試験を開始した】
モスクワ時間8月20日・火曜日10時0分、『北方造船所』で建造されたプロジェクト20385コルベットのトップ「グレミャーシチー」は、国家試験を開始する為にフィンランド湾へ出航した。
『Mil.Press FlotProm』は同社広報サービスより伝えられた。
工場航行試験の最終段階は、国家試験開始と一緒になると造船所は付け加えた。
工場航行試験の第1段階は6月に完了した。
艦は、国家試験プログラム完了の為、今秋に北方海上航路を通って太平洋艦隊へ向かう。
コルベットは2019年末までに海軍へ引き渡されなければならない。
「グレミャーシチー」はプロジェクト20385コルベットのトップであり、2012年に『北方造船所』で起工され、2017年6月30日に進水した。
2018年1月に係留試験がスタートした。
工場航行試験は2019年4月末に始まった。
「グレミャーシチー」の排水量は2200トン、全長104メートル、幅13メートル。
速力27ノット、航続距離3500海里。乗組員99名。
兵装構成には、ミサイル「カリブル」の全てのファミリー及び「オーニクス」を使用できる汎用艦載射撃装置、高射ミサイル複合体「リドゥート」、100mm砲装置A-190-01、2基の30mm高射砲複合体AK-630M、更には対潜複合体「パケート」が含まれる。
プロジェクト20385コルベットの1番艦「グレミャーシチー」は、2012年2月1日にサンクトペテルブルク市の『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)で起工されました。
[サンクトペテルブルクでフリゲート「アドミラル・ゴロフコ」及びコルベット「グレミャーシチー」が起工された]

プロジェクト20385はプロジェクト20380の改良型であり、兵装が強化されています。
[プロジェクト20385「グレミャーシチー」型コルベット]
20380の対艦ミサイル「ウラン」に代わり、20385は対地攻撃も可能な打撃巡航ミサイル「カリブル」を装備します。
当初、プロジェクト20385には、ドイツのMTU社製のディーゼルエンジンが装備される予定でしたが、ヨーロッパ諸国の対ロシア制裁により、その供給は途絶えました。
[ロシアは水上艦用のエンジン供給を拒否したドイツとウクライナの企業を訴える]
この為、設計を変更してロシアの『コロムナ工場』のディーゼルエンジン~「ディーゼルユニットDDA12000」~が搭載される事になりました。
これは以前のプロジェクト20380と同じエンジンです。
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]
2016年4月末、『コロムナ工場』製ディーゼルエンジンの設置作業が始まりました。
[ロシア海軍の為の新世代コルベット"グレミャーシチー"へのロシア製ディーゼルエンジンの取り付けが始まった]
2016年5月19日までにディーゼルエンジンの設置作業は完了しました。
[ロシア海軍の為の新世代コルベット"グレミャーシチー"へのロシア製ディーゼルエンジンの設置は完了した]
2017年6月30日、「グレミャーシチー」の進水式典が開催されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト20385コルベット1番艦グレミャーシチーは進水した]
2018年1月から造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"乗組員は艦内への居住を準備する]
「グレミャーシチー」の洋上試験開始は、当初の予定(2019年3月)より遅れ、2019年4月21日になりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は洋上試験を開始した]

5月初頭に一旦クロンシュタットへ戻っていた「グレミャーシチー」は、5月6日に出航し、2回目の洋上試験をフィンランド湾で開始しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は2回目の洋上試験を開始した]
洋上試験中の5月8日、大祖国戦争(1941年6月22日のナチスドイツ軍によるソ連侵攻開始から1945年5月9日のベルリン占領までのソ連-ドイツ戦争のロシア側公式呼称)の勝利74周年の祝賀行事へ参加する為、一時クロンシュタットへ戻りました。
5月9日の戦勝記念日をクロンシュタット軍港で祝いました。
[ロシア海軍の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は洋上試験中に大祖国戦争勝利74周年を祝った]
祝賀行事を終えた後、「グレミャーシチー」は、フィンランド湾で洋上試験を続けました。
[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"とコルベット"グレミャーシチー"はバルト海で洋上試験を続ける]
[ロシア海軍の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"はフィンランド湾で航行試験を続ける]
「グレミャーシチー」の洋上試験の第1段階は2019年6月下旬までに完了しました。
[ロシア海軍の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は洋上試験の第1段階を終えた]
「グレミャーシチー」は、7月28日の『ロシア海軍の日』にサンクトペテルブルク(ネヴァ川)で行なわれた観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年7月28日14時37分配信
【ロシアは『海軍の日』を迎えた】
そして8月20日に洋上試験を再開しました。
「グレミャーシチー」は9月に北海航路(北極航路)経由で極東方面へ回航され、ここで洋上試験の最終段階を実施します。
[ロシア海軍の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は2019年9月に北極海経由で極東へ回航される]
極東での試験中、有翼ミサイル「カリブル」の試射も実施されるようです。
「グレミャーシチー」は、2019年末までにロシア海軍への引き渡しが予定されており、引き渡し後は太平洋艦隊へ配備されます。
[プロジェクト20385コルベット1番艦グレミャーシチーは2019年末までにロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍太平洋艦隊は2019年に2隻の巡航ミサイル"カリブル"搭載艦を受け取る]
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