ロシア海軍の新たな対潜哨戒機は既存の航空機をベースに開発される
- カテゴリ:ロシアの対潜哨戒機


『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2019年8月26日9時10分配信
【ロシアはTu-142とIl-38を代替する新たな対潜航空機の作成を計画している】
モスクワ、8月26日、インタファクス
ロシア連邦国防省は、Tu-142とIl-38を代替する為の新たな対潜航空機の作成に関する提案を開発者へ振り向けた。
ロシア産業貿易相デニス・マントゥロフは、『インタファクス』のインタビューに対し、こう述べた。

「国防省は最近、既存のモデルをベースにした新たな哨戒航空機の作成の為の提案を用意する課題を設定しました。
今年には、根本的な選択が行なわれるでしょう」
マントゥロフは言った。
彼は、現在、更に遠距離対潜航空機Tu-142の高度な近代化の問題も検討されている事を指摘した。
2018年12月、ロシア連邦海軍海上航空隊司令官イーゴリ・コジンは、2021年から2030年の期間の計画で、将来航空哨戒複合体の量産が始まると話した。
以前に彼は、海上航空隊の既存の哨戒航空機(Tu-142とIl-38)の全ての集団を代替する為の新たな開発が行なわれていると語った。
「これは、新たな汎用プラットフォームの作成と導入についての話です。
この最新の機体は多くの課題を解決し、外国の同類機を上回ります」
コジンは話した。
以前に『イリューシン』は、将来的にIl-38を代替できる新たな対潜航空機を設計する為の作業は進行中であると『インタファクス』へ伝えた。
「現在、自主的に、既に在るIl型航空機をプラットフォームとする対潜航空機の作成の可能性を研究しております。
更には、完全に新しい航空機の開発というテーマにも取り組んでおります」
同社は話した。
更に、新世代対潜航空機の為のプラットフォームとして、Il-38Nのように複合体「ノヴェッラ」の装備が可能な双発ターボプロップ機Il-114-300が検討されていると伝えられた。
『ツポレフ』社での作業がどの程度進んでいるのかは、現時点では知られていない。
Tu-142は、遠距離対潜航空機/海洋哨戒航空機であり、『ツポレフ試作設計局』が開発した。
NATOコード名は「ベア-F」である。
Tu-142の実際の航続距離は12500km、戦闘行動半径6400kmである。
航空機は、機上の航空魚雷もしくは対潜ミサイルを使用し、あらゆる敵潜水艦を破壊できる。
Il-38は、Il-18を基にして作成された対潜航空機である。
それは、自身で、或いは対潜艦と合同で潜水艦を捜索及び破壊し、海上偵察及び捜索救助作戦の為に意図されている。
航続距離は6500キロメートル、戦闘行動半径2200キロメートル、戦闘積載量は8400キログラムまでであり、対潜爆弾、魚雷、海上機雷を搭載する。
現在、ロシア海軍航空隊の現用対潜哨戒機Il-38は、Il-38Nへの近代化改修が進められています。
[ロシア海軍航空隊は2025年までに30機の近代化改修された対潜哨戒機Il-38Nを受け取る]
遠距離対潜哨戒機Tu-142も近代化改修されます。
[ロシア海軍航空隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142は爆撃照準システムSVP-24を装備する]
更に、新世代対潜哨戒機の開発も進められています。
この新世代対潜哨戒機は、既存の航空機をベースにしたものとなります。
Il-38を開発した『イリューシン』は、旅客機Il-114-300をベースにした対潜哨戒機を提案しています。
[イリューシンはロシア海軍の対潜哨戒機Il-38の後継機を開発している]
一方、Tu-142を開発した『ツポレフ』は、旅客機Tu-214をベースにした対潜哨戒機を提案しています。
既にTu-214の電子偵察機型Tu-214Rが開発されています。
Il-114かTu-214のどちらかがロシア海軍の新世代対潜哨戒機のベースに選ばれる事になるようです。
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