ロシア海軍の為の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランは4機のプロトタイプが製造された
- カテゴリ:ロシアの艦載ヘリコプター

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2019年8月30日10時23分配信
【ロシアは4機の試作艦載ヘリコプターKa-52Kを作成した】
ジューコフスキー(モスクワ州)、8月30日-ロシア通信社ノーボスチ
ヘリコプターKa-52K(艦載機)の最初の4機の試作モデルがロシアで作成され、試験の地上部門は完了し、国防省と試験設計作業実施の為の契約締結の交渉が行なわれている。
『ロシア通信社ノーボスチ』は、航空宇宙サロンMAKS-2019会場でホールディングス『ロシアン・ヘリコプターズ』総取締役アンドレイ・ボギンスキーより伝えられた。
「Ka-52Kの試験の地上部門は完了しましたが、これに続く試験設計作業は未だ行われておりません。
ですが、国防省と海軍は、このヘリコプターを『海に慣らす』テーマの検討を続けております。
既に計4機の試作モデルが作られています。
我々は、海軍海上航空隊と試験設計作業を続ける用意が有ります」
ボギンスキーは話した。
彼は更に、Ka-52Kは、限られた艦内格納庫や発着場へ配置する為、ローターシャフトは折り畳むように作成されている事を指摘した。
「Ka-52Kは折り畳みローターシャフトを装備し、ローターは、ヘリコプターの胴体に沿って折り畳まれます」
ボギンスキーは話した。
彼によると、空気力学は、このヘリコプターを具体的な艦と結びつける必要性を強いている。
「揚陸艦での打撃ヘリコプターの使用を前提とする海軍のコンセプトが存在する場合。それは現実化されます」
ボギンスキーは話した。
国際通信社『ロシア・トゥデイ』は、航空宇宙サロンMAKS-2019の公式情報パートナーである。
艦上攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」(空軍のKa-52「アリガートル」の艦載機型)の試作1号機は、2015年3月7日に沿海地方で初飛行しました。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kの試作1号機が初飛行した]
Ka-52Kは、元々はロシアがフランスへ発注した2隻の「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の搭載機として開発されたのですが、フランスはウクライナ情勢に関連して艦の引き渡しを凍結しました。
2015年8月5日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンとフランス大統領フランソワ・オランドは電話で会談し、「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の建造・供給契約の終了(破棄)を決定しました。
[ロシアとフランスはロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約を終了させた]
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約終了によりフランスはロシアへ9億4975万4849ユーロを支払う]
[ロシア海軍向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦から取り外されたロシア製機器は全てロシアへ到着した]
その後、2隻の「ミストラル」級はエジプトへ売却されました。
しかし、「ミストラル」級の動向とは関係なしにKa-52Kの開発と生産は続行されます。
[ロシア海軍の為の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kの開発と生産は続行される]
Ka-52Kには、対艦ミサイルKh-35(ウラン)及び対レーダー/対艦ミサイルKh-31の運用能力が付与されます。
[ロシア海軍の為の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kは対艦ミサイルの運用能力を付与される]
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランは最新鋭の目標探知システムを装備する]
「ミストラル」級ヘリ空母へ搭載される筈だったKa-52Kは、当面の間は重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」へ搭載されることになりました。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランは空母アドミラル・クズネツォフへ搭載される]
北方艦隊の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」と重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」を中核とする航空打撃艦グループは、2016年10月15日にセヴェロモルスク基地を出航し、2017年2月8日に帰投しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]
艦上攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」は2機の試作機が「アドミラル・クズネツォフ」に搭載され、シリア沖で各種試験に従事しました。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kの試験はシリアで行なわれた]
「アドミラル・クズネツォフ」が帰投した後、2機のKa-52K試作機は『カモフ』本社へ送られ、調査と分析が行なわれました。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランの海洋試験第1段階は完了した]
ロシア海軍向けのKa-52Kの量産は、2019~2020年には開始出来る見込みでした。
[ロシア海軍向けの艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランの量産は2019年-2020年に開始できる]
ですが、2019年2月、Ka-52Kの試験を完了させる為には、ロシア国防省との新たな契約の締結が必要である事が明らかにされました。
[ロシア海軍向けの艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランの試験完了の為にはロシア国防省との新たな契約が必要となる]
それから半年が経過しても、未だロシア国防省との新たな契約は締結されておらず、交渉は継続中です。
Ka-52Kは、プロジェクト11711大型揚陸艦第2シリーズ(カイマン)と汎用ヘリコプター母艦「プリボイ」級の搭載機となります。
[サンクトペテルブルク国際海軍サロン(IMDS-2019)で改イワン・グレン型揚陸艦カイマンが公開された]
[新世代汎用揚陸艦セヴァストーポリ型]
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