ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭対機雷防衛艦イワン・アントノフはセヴァストーポリへ到着した
『タス通信』より
2019年9月7日15時54分配信
【最新掃海艦「イワン・アントノフ」は黒海艦隊へ到着した】
セヴァストーポリ、9月7日/タス通信
最新の対機雷防衛艦「イワン・アントノフ」はセヴァストーポリへ到着した。
『タス通信』特派員は報告した。
「同艦にとって、これは初めてのセヴァストーポリ市(黒海艦隊の基礎基地)への寄港です。
艦は1月に艦隊へ受け入れられました。
これまでに同艦は、サンクトペテルブルクに滞在し、バルト艦隊で戦闘訓練活動を行ない、海軍パレード(主要海軍パレード)の準備を行ない、それに参加しました」
『タス通信』は黒海艦隊広報サービスより説明された。
艦隊司令官と乗組員の家族は、セヴァストーポリで船員を出迎えた。
式典では軍楽隊が演奏した。
サンクトペテルブルクからは、更に、パレードへ参加した哨戒艦「ワシーリー・ブイコフ」が到着した。
双方の艦にとって、この移動は、建造及び就役以来最も長期のものとなった。
艦隊副司令官セルゲイ・リピリン中将は、「ワシーリー・ブイコフ」及び「イワン・アントノフ」艦長から、任務を成功裏に遂行したとの報告を受けた。
「今日、我々は艦隊間移動を行ない、任務を遂行して恒久駐屯所へ到着し、そして任務の遂行を続ける2隻の艦の乗組員を迎えました。
これまでに艦の乗組員は、幾つかの海域と大西洋へ行き、遠距離勤務に役立つ経験を得ました」
リピリンは話した。
[艦について]
「イワン・アントノフ」は、『中部ネヴァ川造船工場』で建造されたプロジェクト12700掃海艦の最初の生産艦である。
このタイプの艦は、一体ガラス繊維強化プラスチック製の船体を有しており、その質量は金属製よりも小さく、更に、勤務期間はより長くなっている。
プロジェクト12700艦の排水量は約900トン、全長は60メートル以上、幅10メートル、速力16.5ノット、乗組員44名。
機雷へ対処する為、艦は様々な種類の掃海具、更には遠隔操作及び自動無人水中装置を使用できる。
プロジェクト12700「アレクサンドリト」掃海艦の3番艦の船体形成作業は、サンクトペテルブルクの『中部ネヴァ川造船工場』で2016年6月27日に始まりました。
[ロシア海軍の為の第3のプロジェクト12700掃海艦の建造が始まった]
2017年1月25日、3番艦は「イワン・アントノフ」と命名され、起工式典が開催されました。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦イワン・アントノフはサンクトペテルブルクで起工された]
2018年4月25日、「イワン・アントノフ」は進水しました。
[ロシア海軍のアレクサンドリト級掃海艦3番艦イワン・アントノフは進水した]
「イワン・アントノフ」は、本来ならばプロジェクト12700の3番艦だったのですが、先に起工された本来の2番艦「ゲオルギー・クルバトフ」が進水を前にして火災事故を起こし、非金属複合材料(ガラス繊維強化プラスチック)製の船体が著しく損傷した為に工事の大幅な遅延を招き、その結果、「イワン・アントノフ」の方が先に進水し、以後、実質的にプロジェクト12700の2番艦となりました。
進水後、造船所の岸壁で艤装工事が進められました。
2018年7月18日の「イワン・アントノフ」

2018年8月11日の「イワン・アントノフ」

当初、「イワン・アントノフ」は、2018年9月末までにロシアの内陸水路経由でサンクトペテルブルクから黒海へ回航される予定だったのですが、実行には移されませんでした。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の新型掃海艦イワン・アントノフは2018年9月に黒海へ回航される]
「イワン・アントノフ」は9月18日に造船所の岸壁を離れて出航し、ラドガ湖での航行試験を開始しました。


ラドガ湖で試験中の「イワン・アントノフ」

ラドガ湖での試験は10月初頭に完了し、10月8日には造船所の岸壁へ戻りました。

11月1日に造船所の岸壁を離れ、今度はバルト海へ出航しました。
11月6日にバルト艦隊基地バルチースクへ到着しました。

11月11日にバルチースクを出航し、バルト海での航行試験を開始しました。


11月14日にバルチースクへ帰港しました。

その後も洋上試験は続けられ、2018年12月29日に完了しました。
2019年1月26日、「イワン・アントノフ」は、正式な就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典を開催し、ロシア海軍へ就役しました。
[新世代掃海艦イワン・アントノフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]
「イワン・アントノフ」(601)とプロジェクト12700の1番艦「アレクサンドル・オブホフ」
(507)

7月28日の『ロシア海軍の日』には、サンクトペテルブルクのネヴァ川の観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年7月28日14時37分配信
【ロシアは『海軍の日』を迎えた】
就役後もバルト海に留まっていた「イワン・アントノフ」でしたが、2019年8月中旬に黒海艦隊基地への移動を開始しました。
[ロシア海軍の新世代掃海艦イワン・アントノフは黒海艦隊基地へ回航される]
バルト海を出た「イワン・アントノフ」は北海、ラマンシュ海峡(英仏海峡)、ビスケー湾、ジブラルタル海峡を通過して地中海へ入り、9月5日にはダーダネルス海峡及びボスポラス海峡へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の新世代掃海艦イワン・アントノフはダーダネルス海峡とボスポラス海峡を通過して黒海へ入った]
黒海へ入った「イワン・アントノフ」は、9月7日にセヴァストーポリへ到着しました。


同時に、バルト海への遠距離航海を行なっていた黒海艦隊の最新哨戒艦「ワシーリー・ブイコフ」(368)もセヴァストーポリへ帰投しました。

[哨戒艦ワシーリー・ブイコフのバルト海遠征(2019年6月-9月)]
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