ロシア海軍の為の最新鋭小型ロケット艦タイフーンはタタールスタンのゼレノドリスク造船所で起工された
『タス通信』より
2019年9月11日18時16分配信
【新たな「カリブル」搭載小型ロケット艦「タイフーン」はタタールスタンで起工された】
ゼレノドリスク/タタールスタン、9月11日/タス通信
プロジェクト22800小型ロケット艦「タイフーン」の起工式典は、水曜日にA.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場で開催された。
「この艦は、コーポレーション『アク・バルス』が海軍の為に建造するシリーズの5隻目となります。
同プロジェクト艦は、無条件にユニークなものです。
今日、ロシア海軍は積極的な発展段階に在ります。
小型ロケット艦、哨戒艦、対機雷艦のシリーズ建造の任務が有り、大排水量の艦の建造が行なわれています。
大排水量及び小排水量のクラスの艦の存在は、水上戦力が自己完結性を有する事を可能にします」
式典でロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将は話した。
プロジェクト22800「カラクルト」シリーズの5番艦は「タイフーン」と命名された。
当初、それは、2015年にレニングラード造船工場『ペラ』で起工された同プロジェクト小型ロケット艦の最初の生産艦に付けられていた。
しかし、その後、同艦は「ソヴィェツク」と改名された。
プロジェクト22800小型ロケット艦は、中央海洋設計局『アルマーズ』(『統合造船業営団』へ加入)により開発された。
「カラクルト」は、兵装として打撃ミサイル複合体「カリブル-NK」を有する。
ゼレノドリスク工場(造船コーポレーション『アク・バルス』へ加入)は、5隻の「カラクルト」の建造契約を有している。
これらの内の3隻は、ケルチの工場『ザリフ』の生産設備で建造されている。
「カラクルト」の建造は、更に、『ペラ』及びアムール造船工場でも行なわれている。
プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦は、ロシア海軍の現用のプロジェクト12341「オヴォード」小型ロケット艦(ナヌチュカ級)及びプロジェクト12411「モルニヤ」ロケット艇(タランタル級)の後継となる新世代の小型ロケット艦です。
プロジェクト12341小型ロケット艦(「ミラーシュ」)

プロジェクト12411ロケット艇(R-239)

元々は「オヴォード」や「モルニヤ」の後継としてプロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(満載排水量465トン)が建造される筈だったのですが、2001年6月5日に起工された1番艇は工事中止となりました。
[ロシア新型ミサイル艇プロジェクト12300「スコルピオン」]
その後、『アルマーズ』設計局は「スコルピオン」の拡大発展型(満載排水量800トン)を設計し、それに小改正を加えたのがプロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦として建造される事になりました。
プロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(拡大発展型)


プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦

プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦は、現在までに14隻が起工されています。
最初の2隻:「ウラガーン」と「タイフーン」は、2015年12月24日にサンクトペテルブルク近郊の『ペラ』造船所で起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ウラガーンとタイフーンはサンクトペテルブルクで起工された]
「ウラガーン」は2017年7月29日、「タイフーン」は2017年11月24日に進水しました。
[ロシア海軍最新鋭小型ロケット艦カラクルト級2番艦タイフーン進水(2017年11月24日)]
「ウラガーン」改め「ムィティシ」は2018年12月17日に就役し、バルト艦隊へ編入されました。
[プロジェクト22800カラクルト小型ロケット艦1番艦ウラガーン改めムィティシはロシア海軍へ就役し、バルト艦隊へ編入された]
[ムィティシ市はロシア海軍最新鋭小型ロケット艦ムィティシを後援する]
「タイフーン」改め「ソヴィェツク」は、2019年5月20日に航行試験を開始しました。
[ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦ソヴィェツク(タイフーン)、航行試験開始(2019年5月20日)]
ロシア海軍への引き渡しは2019年12月に予定されています。
2016年5月10日、クリミア半島のフェオドシヤ造船工場『モーリェ』(海洋)で「シトルム」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シトルムはクリミアで起工された]
2016年7月29日、『ペラ』造船所で「シクヴァル」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シクヴァルは起工された]
「シクヴァル」は2018年5月5日に進水しました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800カラクルト級小型ロケット艦の3番艦シクヴァルは進水した]
2016年12月24日、『ペラ』造船所で「ブーリャ」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ブーリャはサンクトペテルブルクで起工された]
「ブーリャ」は2018年10月23日に進水しました。
[ロシア海軍の為のカラクルト級小型ロケット艦4番艦ブーリャは進水した]
2017年3月17日、フェオドシヤ造船工場で「オホーツク」が起工されました。
[クリミアのフェオドシヤ造船所でロシア海軍の新世代小型ロケット艦オホーツクが起工された]
2017年12月19日、フェオドシヤ造船工場で「ヴィフリ」が起工されました。
[クリミアのフェオドシヤ造船所でロシア海軍の新世代小型ロケット艦ヴィフリ(旋風)が起工された]
これで『ペラ』造船所及びフェオドシヤ造船工場契約分7隻は全て起工されました。

ロシア内陸部タタールスタン共和国の『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』は、2016年8月に5隻の「カラクルト」を受注しました。
[タタールスタンのゼレノドリスク造船所はロシア海軍の為に小型ロケット艦カラクルト級を5隻建造する]
『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』は、2016年~2017年に3隻の「カラクルト」を起工していますが、実際には、同社の下請けとして、クリミア半島のケルチ市に在る造船工場『ザリフ』で建造されています。
[クリミア共和国ケルチ市のザリフ造船所はロシア海軍将来空母の建造へ参加できる]

「ツィクロン」Циклон(工場番号801):2016年起工
「アスコルド」Аскольд(工場番号802):2016年起工
「アムール」Амур(工場番号803):2017年7月30日起工
2019年2月26日、今度は『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』本社で、同社が受注した4隻目の「カラクルト」となる「トゥーチャ」Туча(工場番号804)が起工されました。
[ロシア海軍の為の最新鋭小型ロケット艦トゥーチャはタタールスタンのゼレノドリスク造船所で起工された]
そして2019年9月11日、5隻目の「カラクルト」(工場番号805)となる「タイフーン」が起工されました。
この名前は、元々は『ペラ』造船所で建造された2隻目の「カラクルト」に付けられていたのですが、同艦が改名した為、今度は『ゼレノドリスク造船工場』建造艦へ付けられる事になりました。
これで、『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』契約分5隻も全て起工されました。
[タタールスタンのゼレノドリスク造船所は2021年までに5隻のカラクルト級小型ロケット艦をロシア海軍へ引き渡す]
今後、6隻の「カラクルト」級小型ロケット艦が極東の造船所で建造されます。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のカラクルト級小型ロケット艦6隻の建造契約は2019年に締結される]
その最初の2隻~「ルジェフ」及び「ウドムリャ」は2019年7月1日に起工されました。
[コムソモリスク・ナ・アムーレ造船所でロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭小型ロケット艦ルジェフとウドムリャが起工された]
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