デルタIII級戦略原潜「聖大致命者凱旋者ゲオルギィ」の乗員チームは解散する

『中央海軍ポータル(フロートコム)』より
【昨年に漁船と衝突した原子力潜水艦の乗組員は解散する】
2012年11月23日
太平洋艦隊の潜水艦部隊の一員となっているプロジェクト667BDR原子力ロケット艦K-433「聖大致命者凱旋者ゲオルギィ」の乗組員は、2012年12月1日に組織的定時活動を停止して解散する。
『中央海軍ポータル』は、太平洋艦隊の高位の士官の一人より聞かされた。
何故、そのような決定が下されたのかを情報提供者は『中央海軍ポータル』に説明しなかった。
乗組員解散後、原子力潜水艦が海洋戦略核部隊の戦闘編制から除かれるかどうかも不明である。
軍事部門69122/1~原子力潜水艦乗組員~を解散させる指示が出された事は知られている。
それは、2012年春に参謀本部によって準備された。
『中央海軍ポータル』特派員と乗組員の会話により、その削減に関する情報は確認された。
太平洋艦隊の編制に在籍した最後の年、「聖大致命者凱旋者ゲオルギィ」は戦闘勤務へと出発し、2012年10月半ばにオホーツク海エリアからバレンツ海沿岸の射爆場への弾道ミサイルR-29Rの発射に成功した。
その約1一年前、 「聖大致命者凱旋者ゲオルギィ」は、水上での「故障」に起因する緊急事態の事故報告書に登場した。
2011年9月21日夜、アバチャ湾エリアにおいて、底引き網漁船「ドネツ」は、投錨地に停泊していた戦略ロケット艦に衝突した。
潜水艦は、船体外部に軽い損傷を負った。
「ドネツ」は、向かってくるコースに居た他のトロール漁船を避けようとしており、投錨地に居たロケット艦に気が付かなかった。
事件は、底引き網漁船の乗組員によって引き起こされ、「航行中の事件」に分類された。
戦略用途ロケット水中巡洋艦「聖大致命者凱旋者ゲオルギィ」(1998年9月15日に命名)は、セヴェロドヴィンスクの機械製造企業「セヴマシュ」で建造され、1980年12月31日にソヴィエト社会主義共和国連邦海軍の編制へ加入した。
1983年夏、潜水艦はソヴィエト社会主義共和国連邦海軍の歴史上初めて北極圏の氷海下を移動し、浅いチュクチ海から水中位置のままカムチャツカ半島のクラシェニーンニコフ湾に到着した。
1992年秋からから2003年7月まで、艦は極東工場「ズヴェズダー」でオーバーホールを行ない、その後、常駐基地であるカムチャツカのヴィリュチュンスクへ戻り、太平洋艦隊の第16潜水艦戦隊の第25師団の編制へ加入した。
2008年9月25日、水中巡洋艦には、ロシア連邦大統領・ロシア連邦軍最高司令官ドミトーリー・メドベージェフと国防長官アナトーリー・セルジュコフが訪問した。
記事中で触れられていますが、2012年10月19日、「聖大致命者凱旋者ゲオルギィ」は弾道ミサイルの発射を実施しました。
[ロシア太平洋艦隊の戦略原潜はオホーツク海から弾道ミサイルを発射した]
同艦は、その後もオホーツク海で戦略パトロール任務を遂行し、11月9日に帰港しました。
[デルタIII級戦略原潜「聖大致命者凱旋者ゲオルギィ」は11月9日に帰港する]
今回の記事によると、その「聖大致命者凱旋者ゲオルギィ」に乗り組んでいる乗員チームが12月1日に解散するとの事です。

ただ、同艦が除籍されるとは述べられていません。
ロシア海軍には、原子力潜水艦などに乗る為、幾つかの乗員チームが編成されており、これらのチームは交代で潜水艦に乗ります。
太平洋艦隊には667BDR戦略原潜が3隻在籍しておりますから、この為の乗員チームも幾つか編成されています。
ただ、戦略原潜が3隻だからと言って、その為の乗員チームも3組だけとは限らず、予備を含めて3組以上の乗員チームが存在するかもしれません。
そのチームの内の1つを解散させるという事でしょう。
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