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ロシア海軍総司令部は原子力空母設計案を拒否した

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『イズベスチヤ』より
2012年11月26日0時01分配信
【ロシアで最初の原子力航空母艦は建造前から時代遅れとなった】

海軍総司令部は将来艦プロジェクト完了案を差し戻す。

海軍総司令部は、今年末に、サンクトペテルブルクの企業であるクルイロフ中央研究所ネヴァ川計画設計局が共同開発したロシア初の原子力航空母艦プロジェクトの完了案を提示される。
総司令部の高位の情報提供者が『イズベスチヤ』に伝えた所によると、そのプロジェクト艦は排水量60000トンであり、1980年代の技術に基づいている。

「私共は、実質的には旧ソヴィエト連邦の航空母艦ウリヤノフスクを提案されました。
これは、ソヴィエト連邦解体により建造されなかったものです。
1980年代末期には、それ(ウリヤノフスク)は最新の航空母艦であり、アメリカのニミッツ級への適切な解答だったのですが、今日それは、文字通り前世紀の代物です」

彼は説明した。

彼は。こう付け加えた。
2020年、最初のロシア航空母艦が進水する計画である。
だがその時、アメリカ合衆国は、既に最新の浮揚飛行場シリーズ「ジェラルド・フォード」を所有しているのだ。
それは、サンクトペテルブルクの設計者が提案した艦のほぼ2倍(の大きさ)になる。

更に加えて、ロシア海軍は、艦の余りにも大きな上部構造物を排除していない。
それは、レーダーが相手では、余りにも目立ちすぎる。
更には、既にアメリカが有しており、航空機の飛行甲板からの発艦を更に簡略化する電磁カタパルトが無い。
その代わり、「最新の航空母艦」は、もはや時代遅れになっている古典的な蒸気カタパルトの装備が提案されている。

更には、格納庫には艦上遠距離電波位置特定検出航空機~現代の航空母艦戦隊の必須のコンポーネント~が配置されていない。

大きな容量と自立能力を有する航空母艦保有の必要性に関する理論的紛争は、昨年に終了した。
11月、総司令官ウラジーミル・ヴィソツキーは、2027年にロシアは2つの航空母艦打撃グループを取得~北方艦隊及び太平洋艦隊で~するだろうと述べた。
しかし、2020年までの国家軍備プログラムにおいて、航空母艦建造の為の資金は全く存在しない事は注目される。

「現代の大洋艦隊は航空母艦なしで動く事は出来ませんし、現在の航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ(それは実際には軽空母である)は永遠に在籍するわけではなく、遅かれ早かれ退役するでしょう」
海軍総司令部の情報提供者は『イズベスチヤ』に対し、こう言った。

しかしプロジェクトの作者は、海軍の公式論評が否定的であり、これが受理されずに海軍からクレームを付けられた事を非常に驚いた。

「この2年半、クルイロフ中央研究所とネヴァ川計画設計局はプロジェクトを作成しておらず、予備設計概略のみです。
その後、ウラジーミル・ヴィソツキー総司令官と、更には特別合同委員会が、このスケッチを承認しました。
そうです、今、正直に申し上げますと、私共は、何故彼らが(プロジェクトを)作成しなかったのかを理解できません」

対談者は『イズベスチヤ』に対して憤慨した。

彼は、海軍がプロジェクトを承認後、何の行動も起こさず、具体化や変更などといった事には全く手を付けず
「突然に目を覚ましたようでした」と付け加えた。

「艦上遠距離電波位置特定検出航空機と電磁カタパルト、これらはスケッチさえ存在しません。
そして私共は、サイズも消費電力も分からず、何も計画する事が出来ないのです」

将来航空母艦の開発者の一人は説明した。

しかしながら、造船所は、沈黙から2年半後、海軍航空母艦を思い出した事を喜んでいる。

作者の1人であるウクライナニコラーエフにある黒海造船工場の設計局主任ワレーリー・バビーチは、 「ウリヤノフスク」は建造されておらず、ロシア海軍が彼(ウリヤノフスク)の子孫の改訂版プロジェクトを承認しなかった事に動揺しなかったと『イズベスチヤ』に伝えた。

「軍からのクレームは、何ら悪い事ではありません。
それは逆に、当事者の関心の高さを表しております。
海軍と防衛産業企業体に共通しているのは、誰もが素晴らしく現代的な艦を必要としているという事です。
私は、原子力航空母艦の開発者を個人的に存じ上げております。
彼ら現代の専門家は、立派な艦を建造してくれる事でしょう」

バビーチは話した。

現在、ブラジルタイなど世界の10ヶ国が航空母艦を保有している。
ソヴィエト最初の「浮揚飛行場」の大幅な概要は、1943年に登場した。

ソヴィエト連邦海軍では、長きに渡り航空母艦は侵略の道具と見なされ、それらの建造は計画されなかった。

しかし軍事指導者の見方が変わり、1972年には、最初のソヴィエト航空母艦(航空巡洋艦)「ミンスク」が起工された。
(註:「キエフ」の間違い。「ミンスク」は2隻目)
現在、ロシア海軍の編制には唯一の航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」が在る。
それは1991年に海軍へ引き渡された。


2005年以降、歴代のロシア海軍総司令官は、何度も新世代航空母艦の建造計画について表明しました。

今年5月にロシア海軍総司令官に就任したヴィクトル・チルコフ提督も同様です。
[ロシア海軍は空母を必要とする]

記事中にも有りますが、ロシア海軍将来航空母艦Перспективный Авианосецは、6万トン級の原子力空母として計画されています。
[ロシアは、5~6万トンの新世代原子力空母を建造する]
[ロシアは、新たな空母建造を設定する]
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この図の1(蒸気カタパルト装備案)がロシア海軍に提示されたようです。

しかしロシア海軍は、この案を受け入れませんでした。

ロシア海軍に提示された将来航空母艦Перспективный Авианосецは、ソ連邦時代の「ウリヤノフスク」(プロジェクト11437)と大して変わらない艦だった為です。
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[未完の原子力空母ウリヤノフスク]
[原子力空母ウリヤノフスクの電子機器]

[プロジェクト11437原子力重航空巡洋艦]
全長:323.7m
飛行甲板最大幅:78m
吃水:10.7m
艦首トランポリン勾配:15度
格納庫寸法:全長175m、幅32m、全高7.9m
飛行甲板面積:150000平方メートル
基準排水量:60000~62580t
満載排水量:79758~80000t
機関:KN-3-43原子炉×4基/GTZA-653蒸気タービン4基、4軸
出力:280000馬力
最大速力:30ノット
自立行動期間:120日
兵装:
有翼ミサイル「グラニート」発射装置×12基
高射ミサイル複合体「キンジャール」発射装置×4組
高射ミサイル砲複合体「コールチク」×8基
AK-630M 30mmガトリング砲×8基
RBU-12000「ウダフ-1」対水中ロケット複合体×2基
搭載機:
艦上戦闘機Su-27K×27、艦上戦闘機MiG-29K×27、艦上練習機Su-25UTG×10、艦上早期警戒機Yak-44E×4、艦上ヘリKa-27×20
或いは
艦上戦闘機Su-27K×36、艦上早期警戒機Yak-44E×8、艦載ヘリKa-27×17
乗組員:2500名+航空要員1500名



むろん、将来航空母艦Перспективный Авианосецには、「ウリヤノフスク」のような飛行甲板下に埋め込まれた長距離有翼ミサイル発射機は存在せず、艦首のトランポリン台(スキージャンプ)も無いという違いはありますが、ロシア海軍総司令部にしてみれば、それでも「ウリヤノフスク」と大きな違いは無いものと映ったようです。

設計側にしてみれば、ソヴィエト連邦解体により「航空母艦」の建造は長らく中断した為、「ウリヤノフスク」をタイプシップにして手堅く纏めたつもりだったのでしょうが、ロシア海軍にしてみれば「今さらウリヤノフスクか?」という失望感が強かったようです。

結局、この案は採用されず、将来航空母艦Перспективный Авианосецは仕切り直しとなりそうです。
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