近代化改装された小型ロケット艦スメルチはロシア海軍太平洋艦隊へ復帰した

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2019年10月3日7時6分配信
【有翼ミサイル「ウラン」を有する小型ロケット艦「スメルチ」は近代化後の試験を完了し、太平洋艦隊へ復帰した】
太平洋艦隊の複合工場航行試験を成功裏に完了し、太平洋艦隊へ復帰した。
カムチャツカの株式会社『北東修理センター』の基盤において、2017年から2019年まで小型ロケット艦の近代化を伴う修理作業が実施された。
この期間に、海軍の同プロジェクト艦で初めてミサイル複合体「マラヒート」から対艦有翼ミサイル複合体「ウラン」へ再武装した。
艦は修復され、各システム及び機構は、より新しいものと交換された。
今年7月、小型ロケット艦は沿海地方へ移動し、艦船修理センター『ダーリザヴォード』で一連の砲兵装システムを交換した。
更に、更新された艦は、ウラジオストクで『ロシア海軍の日』の祝賀行事へ初めて参加した。
今秋に工場航行試験の枠組みで小型ロケット艦「スメルチ」は、戦闘訓練射爆場へ数回の出航を行ない、初めて有翼ミサイル「ウラン」の射撃を実施し、更には自衛高射ミサイル複合体及び新型砲の試験を実施した。
艦は、ロシア北東軍集団の一員として勤務に就き続ける。
プロジェクト12341小型ロケット艦「スメルチ」は、1981年11月16日に『ウラジオストク造船工場』で起工され、1984年11月16日に進水し、1984年12月30日に海軍へ納入され、翌1985年3月4日に就役しました。
当初はソヴィエツカヤ・ガヴァ二へ配備されていましたが、その後、ペトロパブロフスク・カムチャツキーへ配置替えとなり、現在は北東軍集団の第114水域防護艦旅団の第66小型ロケット艦大隊に所属しています。

2017年からペトロパヴロフスク・カムチャツキーの『北東修理センター』で近代化改装工事が始まりました。

「スメルチ」は、近代化改装により対艦ミサイルを、「マラヒート」3連装発射筒2基(ミサイル計6基)から「ウラン」4連装発射筒4基(ミサイル計16基)へ換装しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフと小型ロケット艦スメルチは近代化改装される]
[ロシア海軍のプロジェクト12341小型ロケット艦(ナヌチュカ級)の近代化改装は始まっている]
[ロシア海軍太平洋艦隊は2019年に2隻の巡航ミサイル"カリブル"搭載艦を受け取る]
2019年6月7日、「スメルチ」は洋上試験を開始しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは洋上試験を開始した]
7月8日にはアヴァンチンスキー湾でAK-176 76mm砲とAK-630M 30mmガトリング砲の試射を行ないました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは砲撃試験を行なった]
その後、カムチャツカ半島を離れてオホーツク海を南西へ進み、7月15日には宗谷海峡を通過して日本海へ入りました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは日本海へ入った]

7月18日午前、「スメルチ」はウラジオストクへ到着しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチはウラジオストクへ到着した]
「スメルチ」は、7月28日の『ロシア海軍の日』にウラジオストクで行なわれた観艦式へ参加しました。
この間(ウラジオストク到着から観艦式前日のリハーサルへ参加するまで)、「スメルチ」はウラジオストクの艦船修理工場『ダーリザヴォード』で、艦尾のAK-176 76mm単装砲を、最新の76mm単装砲AK-176MAへ換装しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは新型76mm砲AK-176MAを装備した]

[ロシア海軍の為の新たな76mm砲AK-176MAの試験は完了した]
この新型76mm砲は、プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦やプロジェクト22160哨戒艦にも装備されています。
8月14日、「スメルチ」はピョートル大帝湾で、自衛高射ミサイル複合体「オサー-MA」の発射試験を行ないました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチはピョートル大帝湾で高射ミサイルの発射試験を行なった]
その後、「スメルチ」はウラジオストクへ戻り、兵装などの試験を洋上で行なう為、9月9日に出航しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは洋上試験を再開した]
9月18日には30mm機関砲AK-630の射撃試験を行ないました。
AK-630は近代化改装前から装備している兵装ですが、何らかのアップグレードが行なわれたようです。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは30mm機関砲の射撃試験を行なった]
9月24日に対艦ミサイル「ウラン」(Kh-35)の発射試験を行ないました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは対艦ミサイル"ウラン"の発射試験を行なった]
9月26日に再び各種兵装試験を行ないました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは日本海で射撃試験を行なった]

その後、「スメルチ」はウラジオストクを出航し、10月1日に海上兵器輸送船「アカデミック・コワリョーフ」及び小型対潜艦「ホルムスク」と共に宗谷海峡を通過してオホーツク海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2019年10月1日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
近代化改装後の全ての試験を完了した「スメルチ」は、2019年10月3日にペトロパヴロフスク・カムチャツキーへ到着し、太平洋艦隊へ復帰しました。
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