ロシア海軍の為のプロジェクト23550砕氷哨戒艦イワン・パパ―ニンはサンクトペテルブルクで進水した
- カテゴリ:ロシア新世代水上艦
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年10月25日13時26分配信
【「イワン・パパーニン」は『アドミラルティ造船所』の船台を出た】
10月25日・金曜日、『アドミラルティ造船所』で2等多目的砕氷艦(哨戒砕氷艦)のトップ「イワン・パパーニン」の進水式典が開催された。
『Mil.Press FlotProm』記者は、現地より伝えた。
「パパーニン」は、中央海洋設計局『アルマーズ』が開発したプロジェクト23550を最初に代表する。
行事はモスクワ時間13時に始まり、艦の船尾は13時29分に水面へ触れた。
式典には、『アドミラルティ造船所』の多数の従業員~労働者、技術者、エンジニア、デザイナー、更には軍事船員と退役将兵が出席した。
『アドミラルティ造船所』総取締役アレクサンドル・ブザコフは、砕氷船「レーニン」が進水した1959年以来、60年に渡る作業により、同社は、このような艦を建造する豊富な経験を有すると話した。
「北極グループは、このタイプの艦を待ち望んでいます」
ブザコフは付け加えた。
ロシア海軍技術管理部長イーゴリ・ズヴァリチ少将は、プロジェクト23550砕氷艦のトップは、海軍にとって根本的に新しい艦であると言った。
彼は、砕氷艦の部分的な電気推進を有する強力な動力装置と兵装に着目した。
『統合造船業営団』取締役会会長ゲオルギー・ポルタフチェンコは、この艦が、今週に70周年を迎えた中央海洋設計局『アルマーズ』にとって最高の贈り物であるとの意見を示した。
「イワン・パパーニン」は『アドミラルティ造船所』で2017年4月に起工された。
その海軍への引き渡しは2019年に計画されていたが、今では2023年に延期されている。
プロジェクト23550砕氷艦のトップの乗組員は、2020年初頭の形成が計画されている。
第2位のシリーズ艦「ニコライ・ズーボフ」の起工時期は、2018年から2020年に延期された。
[『Mil.Press FlotProm』参照]
プロジェクト23550型の艦は、戦闘、捜索救助、科学研究機能を兼ね備えている。
任務の中には、北極水域の保護と監視、護送、遭難船の曳航、支援船への同行及び支援、更には救助作戦への参加(座礁した船の撤去を含む)、特殊貨物の移送が有る。
「イワン・パパーニン」型砕氷艦は、更に消火も可能である。
哨戒艦の排水量は約9000トン、全長114メートル、幅18メートル、吃水6メートル。
出力約15メガキロワットの動力装置は、18ノットの速力の発揮が可能である。
スクリュー複合体には、出力約6000キロワットの2基の全回転スクリューポッドと、出力約500キロワットのトンネル型操舵装置が含まれる。
自立行動期間は約70日、航続距離は10000海里、基礎乗組員は49名、追加人員47名。
艦は、厚さ1.7メートル、航行中には1メートル(登録クラスArc7)の氷を突破できる。
兵装には、自動砲AK-176MAが含まれる。
この他、艦上にはヘリコプター及び無人飛行装置、更にはプロジェクト20800揚陸強襲艇とプロジェクト23321エアクッション船「マヌル」が駐留する。
艦上設備は、少なくとも80トンの牽引力を有する曳航装置と、約28トンの吊り下げ能力を持つ2基の電動油圧貨物クレーンである。
艦は、完全にロシア製のコンポーネントで建造されている事は注目される。

ロシア海軍は、北極圏向けとして2隻のプロジェクト23550砕氷哨戒艦の建造を計画しています。
[ロシア海軍の為のプロジェクト23550砕氷哨戒艦建造の為のプレートカットは2016年秋に始まる]
プロジェクト23550砕氷哨戒艦は、砕氷船、哨戒艦、曳船などの機能を併せ持った多機能水上艦であり、満載排水量は8500トンと、かつてのプロジェクト956駆逐艦(ソブレメンヌイ級)やプロジェクト1155大型対潜艦(ウダロイ級)に匹敵します。
(ただ、全長は956や1155よりも短く、幅は広いので、かなりファットな艦になりますが)
プロジェクト23550砕氷哨戒艦2隻の建造契約は、2016年5月にサンクトペテルブルクの『アドミラルティ造船所』とロシア国防省(ロシア海軍)との間で締結されました。
[ロシア海軍の為の砕氷哨戒艦プロジェクト23550の建造契約が締結された]
プロジェクト23550はAK-176MA 76mm単装砲を装備します。
[ロシア海軍の為の新たな76mm砲AK-176MAの試験は完了した]
プロジェクト23550は軽武装の艦ですが、ヘリコプターや無人機を搭載し、更には高速哨戒艇プロジェクト03160「ラプトル」を2隻搭載できます。


「イワン・パパ―ニン」と命名されたプロジェクト23550の1番艦は、2017年4月19日に起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト23550砕氷哨戒艦イワン・パパ―ニンはサンクトペテルブルクで起工された]
そして2019年10月25日に進水しました。
当初、「イワン・パパ―ニン」は2020年に、今後起工される2番艦「ニコライ・ズーボフ」は2021年にロシア海軍への引き渡しが予定されていました。
[プロジェクト23550砕氷哨戒艦イワン・パパ―ニンは2020年にロシア海軍へ引き渡される]
しかし、「資金供給の問題」の為、「イワン・パパ―ニン」の引き渡しは2023年、「ニコライ・ズーボフ」は2024年に延期される事になりました。
[2隻のプロジェクト23550(イワン・パパーニン型)砕氷哨戒艦は2023~2024年にロシア海軍へ引き渡される]
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