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修理中の警備艦ネウストラシムイは2020年にロシア海軍バルト艦隊へ復帰する

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『タス通信』より
2019年10月26日16時10分配信
【ロンドンまでプーチンに同行した警備艦「ネウストラシムイ」は2020年に海軍へ復帰する】
モスクワ、10月26日/タス通信

2003年のロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンロンドン訪問へ同行し、何度もNATOの演習へ参加したバルト艦隊警備艦「ネウストラシムイ」は、長期修理の後、2020年に戦闘編制へ復帰する。
『タス通信』は、沿バルト造船工場『ヤンターリ』代理人セルゲイ・ミハイロフより伝えられた。

「ネウストラシムイの海軍への御引き渡しは、2020年半ばに予定しております」
対談者は話した。
戦闘当直へ復帰するまでに、艦は全ての種類の航行試験を行なう。

「ネウストラシムイ」は、沿バルト造船工場『ヤンターリ』(『統合造船業営団』へ加入)で2014年から大規模修理を始めた。

2003年夏、ウラジーミル・プーチングレートブリテン訪問の枠組みで、艦はロンドンへ到着し、テムズ沿岸のグリニッジ埠頭に係留された。
これは、ロシア-ブリテン関係の歴史においてロシア海軍戦闘艦の初めてのグレートブリテン訪問であった。
プーチンは外遊の枠組みでヨーク公と共に「ネウストラシムイ」を訪れた。

艦は、以前に実施されたバルト海でのロシアNATOの合同海上演習へ5回参加した~1994年、2002年、2004年、2007年。

プロジェクト11540(コード名「ヤストレブ」)警備艦「ネウストラシムイ」は、『ヤンターリ』で1987年に起工され、1988年に進水し、1990年に艦は海軍へ加入した。
警備艦の満載排水量は4350トン、艦の主要兵装は、対潜ロケット魚雷複合体「ヴォドパード-NK」である。
(海軍の)編制には、もう1隻の同プロジェクト艦「ヤロスラフ・ムードルイ」が在る。
第3の「ヤストレブ」も起工されたが、後に廃棄された。



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プロジェクト11540警備艦の1番艦「ネウストラシムイ」は、カリーニングラード『ヤンターリ』造船所で1987年3月25日に起工され、1988年5月25日に進水し、1990年12月28日にソ連海軍へ納入されました。
1991年3月14日にバルト艦隊へ編入されましたが、正式な就役式典となる海軍旗初掲揚式典が開催されたのは、ソ連邦解体後の1993年1月24日でした。

就役前の「ネウストラシムイ」(1991年11月)
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就役後、1994年、2002年、2004年、2006年、2007年にNATO海軍との合同演習『BALTOPS』へ参加しました。

2003年にはロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンのイギリス訪問に同行し、ロンドンを訪れました。

2004年8月~9月には、初の地中海遠征を行ない、この間にフランス、スペイン、ポルトガルを訪問しました。

警備艦「ネウストラシムイ」は、2008年秋にロシア海軍で最初のアデン湾海賊対処任務に就きました。
[ロシア海軍第1次ソマリア遠征]

2008年のアデン湾海賊対処任務の際に「ネウストラシムイ」が捕獲したソマリア海賊のボート
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そして2010年初頭、2度目のアデン湾海賊対処任務に就きました。
[ロシア海軍第6次ソマリア遠征]

2010年2月5日にはソマリア海賊7名を拘留しました。
[ロシア海軍フリゲート「ネウストラシムイ」、ソマリア海賊拘留]
[ロシア海軍フリゲート「ネウストラシムイ」、ソマリア海賊を拘留(RIAノーボスチ)]

2011年6月にはデンマークコペンハーゲンを訪問しました。

2012年7月から9月に掛けて北方艦隊大型揚陸艦と共に地中海へ派遣されました。
[北方・バルト・黒海艦隊合同艦船グループの地中海遠征(2012年7月-9月)]

その後、オーバーホールが行なわれました。
[フリゲート「ネウストラシムイ」は長期航海の為に修理を実施する]

「ネウストラシムイ」は、2013年3月下旬にバルチースクを出港、3度目の海賊対処任務の為にアデン湾へ向かい、10月17日に帰投しました。
[フリゲート「ネウストラシムイ」は3度アデン湾から帰ってきた]


その後、カリーニングラード『ヤンターリ』造船所へ回航され、修理および部分的な近代化改装(一部の電子機器の換装)が行なわれています。

ガスタービン機関は、サマーラ工場で修理されます。
[ロシア海軍のフリゲート"ネウストラシムイ"のガスタービン機関はサマーラで修理される]

当初、「ネウストラシムイ」は2015年末までに復帰する計画でしたが、2016年末、そして2017年11月と何度も延期される事になりました。
[ロシア海軍のフリゲート「ネウストラシムイ」は2015年に復帰する]
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦(フリゲート)ネウストラシムイは2016年末に復帰する]
[近代化改装されるロシア海軍バルト艦隊の警備艦(フリゲート)ネウストラシムイは2017年11月に復帰する]

2018年2月14日14時30分頃(モスクワ時間)、『ヤンターリ』で修理中の「ネウストラシムイ」で火災が発生しました。
火災は同日16時31分に鎮火しました。
消火には54名の消防隊員と15両の消防車が参加し、負傷者は居ませんでした。
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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年2月14日20時54分配信
【緊急事態省:警備艦「ネウストラシムイ」の火災は2時間で消し止められた】

「ネウストラシムイ」の修理完了は、2019年に延期される事になりました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイは2019年に近代化改装を完了する]
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイは2019年に近代化改装を終えて復帰する]

そして結局、2019年中の修理完了も実現せず、翌2020年に延期される事になりました。


記事中でも触れられていますが、プロジェクト11540警備艦は2隻がロシア海軍へ就役しています。

2番艦「ヤロスラフ・ムードルイ」は1991年に起工された後、資金難で工事が中断され、2000年代半ば以降に工事が再開され、2009年6月19日にロシア海軍へ納入、同年7月24日にバルト艦隊へ編入され、正式に就役しました。
[ネウストラシムイ級2番艦「ヤロスラフ・ムードルイ」はロシア海軍へ納入された ]
[フリゲート「ヤロスラフ・ムードルイ」、バルト艦隊に編入 ]

現在はインド洋への遠距離航海を行なっています。
[警備艦ヤロスラフ・ムードルイのインド洋遠征(2019年10月-) ]

この他、3番艦「トゥマン」が1993年に起工されましたが、1998年に工事は中止され、その後も再開される事は無く、2015年には正式に工事中止が決まりました。
[ロシア海軍は警備艦トゥマンと練習艦ボロジノの建造を完全に断念した]
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