ムルマンスクの第35艦船修理工場は再構築(ペレストロイカ)される
- カテゴリ:ロシアの造船業


『中央海軍ポータル(フロートコム)』より
【第35艦船修理工場は近代化実施の為に50億ルーブルを受け取る】
2012年11月30日
ムルマンスクの第35艦船修理工場(株式会社「艦船修理センター・ズヴェズドーチカ」の子会社)は、生産設備の近代化の為に約50億ルーブルを取得しなければならない。
テレビ・ラジオ放送局『ムルマン』は報じた。
この金額は、同社の年間予算の約3倍の規模である。
計画では、新たな加工機器及び運搬機器の購入のみならず、全てのインフラストラクチュアの抜本的な再構築(ペレストロイカ)が実行される。
再建計画によると、第35艦船修理工場の大小の造船台の乾ドックは統合、拡張される。
今、同社では、大型対潜艦しか修理できないが、2年後には、ここで北方艦隊の重航空巡洋艦や原子力ロケット巡洋艦、更には大規模なタンカーの修理も行えるようになるだろう。
第35艦船修理工場社長アレクセイ・マリツェフ氏によると、工場は
「異なる海洋設計局による石油・ガス産業の為の小型及び大型の海洋モジュールの建造を考える必要が有ります。
もちろん、小型及び中型艦も。
しかし、造船は、非常に遠い見通しですが、かなり現実的でも有ります。
北極圏の産地で業務を行なう複合基地の建設は。
石油-ガス生産会社が北方への関心を無くす事は有りません」
株式会社「艦船修理センター・ズヴェズドーチカ」支所の第35艦船修理工場副社長デニス・ソボレフ氏は造船の見通しについて話した。
「それは、第35工場の専門分野ではありませんが、艦船修理よりも多くの収入をもたらす事でしょうし、並行して開発されるでしょう」
今回の記事では、旧ソヴィエト連邦のゴルバチョフ政権時代に盛んに使われた「ペレストロイカ」перестройкаという言葉が使われています。
第35艦船修理工場は「ペレストロイカ」され、乾ドックも拡張されるとの事です。
記事中では「重航空巡洋艦」や「原子力ロケット巡洋艦」にも触れられていますが、現在の第35艦船修理工場の乾ドックでは、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」や重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」は入渠出来ません。
第35艦船修理工場の乾ドック

重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」

重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」

大型浮きドックPD-50

重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は、普段は第35艦船修理工場の岸壁に停泊していますが、大規模な修理を行なう際には、ロスリャコヴォの第82艦船修理工場まで回航し、大型浮きドックPD-50へ入渠する必要が有ります。

[空母「アドミラル・クズネツォフ」は遠距離航海の準備を終えた]
[空母アドミラル・クズネツォフ近代化計画]
[浮きドック上のロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフ(2006年)]
重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」も、何度か第82艦船修理工場の大型浮きドックを利用しています。
[重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキー、浮きドックから出渠(2012年6月23日)]
[浮きドック上のピョートル・ヴェリキー(2004年)]
第35艦船修理工場の乾ドックが拡張されて重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」も入渠可能になれば、いちいちロスリャコヴォの第82艦船修理工場まで回航する必要が無くなり、全ての修理作業が第35艦船修理工場で行なえるようになるわけです。
第35艦船修理工場

第82艦船修理工場

- 関連記事
-
- ロシアはインドの空母建造を支援する用意がある
- バルト工場は水上原子力発電所の建造を再開する
- ムルマンスクの第35艦船修理工場は再構築(ペレストロイカ)される
- 新型原子力砕氷船がサンクトペテルブルクのバルト工場で建造される
- ヤンターリ造船所は2012年にインド海軍用の新たなタルワー級フリゲート3隻を起工する
スポンサーサイト