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ロシア海軍の将来原子力駆逐艦リデルはセラミック装甲を採用するかもしれない

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『タス通信』より
2019年11月12日13時3分配信
【科学者は駆逐艦「リデル」へのセラミック装甲の装備を提案する】
モスクワ、11月12日/タス通信

将来駆逐艦「リデル」は、セラミック装甲を用いた特別構造を得る事が出来る。
『タス通信』は月曜日に『クルイロフ国立科学センター』の(艦船)構造強度および信頼性部門のトップ、ワレリー・シャーポシニコフより伝えられた。

「これは、艦の開発に当たり、目的に適った防護構造システムとして提案するものです」
彼は話した。
専門家は、これが「開発され、過去に試験されたセラミック及び特殊織物材料を使用する防護構造」についての話である事を指摘した。

シャーポシニコフは、これが艦の防護構造の質量の著しい減少を可能にすると付け加えた。

彼によると、新たな接着複合材料を考慮したセラミック装甲の耐久力の著しい上昇の達成は、打撃による力の変形を可能にし、その特性を保持する。

以前、2017年にロシア連邦国防省駆逐艦プロジェクト「リデル」の概略設計を承認し、同年に『北方計画設計局』(『統合造船業営団』へ加入)により進められる艦の技術的設計が始まったと報じられた。
公開出版物のデータによると、駆逐艦「リデル」は核動力装置を装備し、15000トンの排水量を有し、艦の打撃兵装の構成は、現用ミサイル「カリブル」及び「オーニクス」、そして更に将来的には「ツィルコン」となる。



[ロシア将来駆逐艦プロジェクト「リデル」]
[ロシア海軍将来駆逐艦概念設計案・プロジェクト23560E「シクヴァル」]

ロシア海軍は、2000年代後半以降、新世代多用途駆逐艦(将来駆逐艦Перспективный Эсминец)の建造計画について何度も表明して来ました。
[ロシア海軍新世代原子力駆逐艦建造計画]
[ロシア海軍新世代駆逐艦の建造計画は現司令部に承認された]
[ロシアは「超駆逐艦」を建造する]

将来駆逐艦「リデル」は、原子力推進通常動力(ガスタービン)の2タイプの設計が進められていました。
[ロシア新世代駆逐艦は通常動力と核動力の2種類が設計される]

しかし現在では将来駆逐艦「リデル」の動力は原子力推進に決まっています。
[ロシア海軍将来駆逐艦リデル級は原子力推進となる]
[ロシア海軍の為の将来駆逐艦リデルは原子力推進となる]

「リデル」の排水量は、前のクラス(プロジェクト956駆逐艦、約8000トン)よりも遥かに大きくなり、その打撃力は巡洋艦に匹敵します。
[ロシア海軍将来駆逐艦リデルは巡洋艦に匹敵する攻撃力を有する]

「リデル」の上部構造物には複合材料の使用も検討されています。
[ロシア海軍将来駆逐艦リデル級の上部構造物は非金属複合材料で造られるかもしれない]

「リデル」の設計を担当する『北方計画設計局』は、実際にロシア海軍向けとして建造される艦の設計へ着手しています。
(これまでに公開されている模型は、「リデル」の概念設計案「シクヴァル」のものであり、このままの形で建造されるわけではない)
[ロシア海軍の為の将来原子力駆逐艦リデル級の設計が始まる]

「リデル」級駆逐艦ロシア連邦『2018-2027年の国家軍備プログラム』に含まれています。
[ロシア海軍の将来原子力駆逐艦リデルの建造計画は中止されていない]

「リデル」級駆逐艦の設計概略はロシア国防省に承認されています。
[ロシア海軍の将来原子力駆逐艦リデルの設計概略は承認された]
[ロシア海軍の将来駆逐艦リデルは原子力推進となる事がロシア国防省に承認された]

「リデル」級の艦名は、まだ正式には決まっていませんが、艦名候補として「オルロフ-チェスメンスキー」(1770年のチェスマ海戦トルコ艦隊に勝利したロシア海軍の貴族提督アレクセイ・オルロフ伯爵)が挙げられています。
『イズベスチヤ』より
2017年3月31日0時1分配信
【原子力の「リデル」は「オルロフ-チェスメンスキー」となる】
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「リデル」級駆逐艦の技術設計、つまり、実際に艦を建造する為の細部の設計は、2019~2020年に開始されます。
この作業の完了は2022年に予定されており、当然ながら、艦の建造開始は、それよりも後になります。
[ロシア海軍の新世代原子力駆逐艦リデルの設計は2022年に完了する]

「リデル」級駆逐艦の建造の為のインフラ整備も進められています。
[ロシア海軍の新世代原子力駆逐艦リデルの建造の為のインフラ整備は進められている]
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「リデル」級を建造する予定のサンクトペテルブルク『北方造船所』は、以前から設備の近代化を進めており、その一環として、2017年12月末に新たな船台を建造する契約へ署名しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2017年12月29日12時51分配信
【北方造船所は新たな船台を建設する契約を締結した】

新たな船台の完成後、『北方造船所』「リデル」級駆逐艦の建造が可能となります。
[サンクトペテルブルクの北方造船所は2019年以降にロシア海軍の新世代原子力駆逐艦リデル級の建造が可能となる]

「リデル」級駆逐艦が何隻建造されるのかは未だ決まっていませんが、現在の所、4~6隻程度の建造が想定されているようです。
[ロシア海軍の新世代原子力駆逐艦リデルは4~6隻が建造される]

ただし、後述のように、かなり大型の艦となるので、『北方造船所』以外の造船所も建造へ参加する可能性も有るでしょう。
例えば、同じサンクトペテルブルク『バルト工場』とか。
[サンクトペテルブルクの『バルト工場』はロシア海軍の大型水上艦の建造へ参加する]

プロジェクト23560「リデル」原子力駆逐艦の全長は230メートル、(満載)排水量は2万トンとなり、2020年代に2隻の建造が始まります。
具体的な建造開始時期は明らかにされていませんが、2020年代末に進水するとの事ですから、おそらくは2020年代半ば~後半には起工される事になるでしょう。
何時就役するのかも明らかにされていませんが、おそらくは2030年代初頭でしょう。
[ロシア海軍の為のプロジェクト23560リデル原子力駆逐艦2隻の建造は2020年代に始まる]


「リデル」概念設計案「シクヴァル」を設計した『クルイロフ国立科学センター』は、「リデル」へのセラミック装甲の採用を提案する事になりました。

セラミック装甲の詳細は明らかにされていませんが、おそらくはチョバム・アーマーのようなものでしょう。
(実際に採用されるかどうかはさて置き)
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