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ロシア海軍太平洋艦隊の原子力巡洋潜水艦クズバスはカムチャツカ沖で原潜への魚雷発射訓練を行なった


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2019年11月21日6時2分配信「
【太平洋艦隊の原子力潜水艦「クズバス」は仮想敵潜水艦への魚雷攻撃演習を実施した】

カムチャツカ沖の戦闘訓練射爆場海域で、太平洋艦隊原子力潜水艦「クズバス」は仮想敵潜水艦の捜索、追跡、更には魚雷攻撃への突入へ取り組んだ、

演習中の仮想敵の役割は、有翼ロケット原子力水中巡洋艦「オムスク」が務めた。

原子力潜水艦「クズバス」は、擬装、潜水艦の探知、「敵」部隊の識別、有利な位置の占有、魚雷兵器による攻撃、その後の反撃魚雷攻撃の回避、海域からの隠密裏の離脱といった複合活動を実行した。
このエピソードの最中に原子力潜水艦の乗組員は、実際の魚雷発射を除いた攻撃への進入の行動様式へ完全に取り組んだ。

次に有翼ロケット原子力水中巡洋艦「オムスク」は、魚雷からの回避機動を行なった。

原子力潜水艦「クズバス」は、第3世代多目的原子力潜水艦プロジェクト971「シチューカ-B」であり、高い隠密性を有する。



プロジェクト971「シチューカ-B」(NATOコード名「アクラ」)原子力大型潜水艦K-419は、コムソモリスク・ナ・アムーレ市レーニン共産党青年団記念造船工場(現アムール造船工場)で1991年7月28日に起工されました。

建造中にソ連邦は解体されましたが、1992年5月18日に進水し、1992年12月31日にロシア海軍へ納入されました。
この間、1992年4月28日には「原子力巡洋潜水艦」へ類別変更されました。

翌1993年1月30日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式にロシア海軍へ就役しました。

1993年2月5日に太平洋艦隊第2潜水艦小艦隊・第45潜水艦師団へ編入され、7月10日にカムチャツカ半島ヴィリュチンスク基地へ到着しました。
1993年4月13日には「モルシュ」Моржと命名されました。

1995年10月14日から12月15日まで戦闘勤務を実施。
1996年5月5日から7月26日まで戦闘勤務を実施。
1997年7月6日から8月18日まで戦闘勤務を実施。

1998年1月29日にロシア海軍総司令官の指示で「クズバス」Кузбассと改名されました。
因みに、「クズバス」Кузбасс「クズネツク炭田」Кузнецкий угольный бассейн の略称です。

1998年5月1日、第10潜水艦師団へ転属しました。

2001年には小規模な修理を行ないました。

2007年8月には原子力巡洋潜水艦「ネルパ」(現在はインド海軍へリース)の試験の支援へ参加しました。

2007年9月から12月までボリショイ・カーメニドックで修理を実施。

2008年7月末にはウラジオストク沖でロシア海軍記念日の観艦式に参加しました。
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2009年にはボリショイ・カーメニ艦船修理工場「ズヴェズダー」へ回航され、核燃料交換などを含む大規模なオーバーホールと、部分的な近代化改装(プロジェクト971Uへのアップグレード)が始まりました。
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オーバーホール(近代化改装)は2015年秋にようやく完了しました。

2015年12月18日にはロシア連邦首相ドミトリー・メドベージェフ氏(前ロシア連邦大統領)が「クズバス」を視察しました。


当初の計画では、「クズバス」は2015年12月末までに太平洋艦隊へ復帰する筈だったのですが、数ヶ月間延びて2016年3月下旬になりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力巡洋潜水艦クズバスは2016年3月末までに復帰する]

「クズバス」は、「ロシア潜水艦乗員の日」である2016年3月19日に太平洋艦隊へ引き渡されました。
[近代化された原子力巡洋潜水艦クズバスは2016年3月19日にロシア海軍太平洋艦隊へ引き渡される]
[近代化された原子力巡洋潜水艦クズバスはロシア海軍太平洋艦隊へ復帰した]


復帰した「クズバス」は、2016年7月31日の『ロシア海軍の日』ウラジオストクで行なわれた観艦式へ参加しました。

その後、カムチャツカ半島原潜基地ヴィリュチンスクへ向かいました。
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以後の「クズバス」の動向は一切公表されていませんでしたが、2017年9月8日にはカムチャツカ沖で魚雷発射訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力巡洋潜水艦クズバスはカムチャツカ沖で魚雷発射訓練を行なった]

2017年9月15日には戦略用途原子力水中巡洋艦「リャザン」と対決(決闘)方式の戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦略用途原子力水中巡洋艦リャザンと原子力巡洋潜水艦クズバスは『決闘』を行なった]

その後の「クズバス」の動向も全く公表されていませんが、2018年7月29日の『ロシア海軍の日』にはペトロパブロフスク-カムチャツキーで行なわれた観艦式へ参加しました。

『ロシア海軍の日』観艦式終了から数日後、「クズバス」オホーツク海で魚雷攻撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力巡洋潜水艦クズバスはオホーツク海で魚雷発射訓練を行なった]


2019年11月21日にカムチャツカ沖魚雷発射訓練を行ないました。
「敵役」を務めたのは、プロジェクト949A原子力水中巡洋艦「オムスク」です。
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