ロシア海軍黒海艦隊の輸送船ドヴィニツァ-50は『シリア・エクスプレス』に従事する
- カテゴリ:地中海情勢(2019年)

『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2019年11月28日22時30分配信
【黒海艦隊の補助船「ドヴィニツァ-50」は貨物を載せてシリアへ行く】
イスタンブール、11月28日、インタファクス
ロシア連邦海軍補助部隊の一員である貨物船「ドヴィニツァ-50」は、木曜日に黒海海峡を通過して地中海エリアへ向かった。
現地のインターネットポータルサイトは伝え、ボスポラス海峡を通過する写真を公表した。
イスタンブールのサイトは、黒海艦隊の補助船がノヴォロシースクから出航し、地中海のロシア海軍の物資-技術サービス供給所が置かれているシリアのタルトゥース港へ向かっていると確信している。
今年には既にシリアへ3度貨物を運んでいる船の吃水から判断し、大量の荷物を積んでいる事が指摘された。
この前の土曜日、黒海海峡をシリアへ向けて黒海艦隊の大型揚陸艦「アゾフ」が通過した。
これは、大型揚陸艦「アゾフ」にとっては、この2ヶ月間で3回目のシリアへの航海であり、今年初めからは少なくとも5回目となる。
海外メディアによれば、ロシア海軍の大型揚陸艦及び補助船隊、更にチャーター船は、ラタキアのフマイミーン飛行場のロシア航空群、タルトゥースの海軍物資-技術サービス供給基地、そしてシリア政府軍の為に貨物を送り届ける「シリア・エクスプレス」と呼ばれる作戦へ参加している。
輸送船「ケマー」(IMO 7500578、MMSI 271000812)は、1985年にトルコのイスタンブール造船所で建造されました。

2003年3月には「TKアントワープ」、2015年4月18日には「アリカン・デヴァル」と改名され、トルコの『デヴァル シッピング&トレーディング』社により運航されました。

2015年にロシア海軍が購入し、「ドヴィニツァ-50」と改名され、同年秋に黒海艦隊へ編入されました。

以後、黒海沿岸(ノヴォロシースク或いはセヴァストーポリ)からシリアのタルトゥースへ貨物や人員などを輸送する任務、いわゆる「シリア・エクスプレス」に従事しています。

「ドヴィニツァ-50」は、2019年には3回の「シリア・エクスプレス」へ従事しています。
・1月23日にボスポラス海峡を南下、2月7日に北上
・3月11日にボスポラス海峡を南下、3月26日に北上
・5月2日にボスポラス海峡を南下、8月10日に北上
そして11月28日、「ドヴィニツァ-50」はボスポラス海峡を通過し、その後、地中海へ入りました。
無論、今回の行き先もシリアのタルトゥースでしょう。
現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。
[黒海艦隊]
潜水艦「クラスノダール」:2019年3月中旬から地中海東部に滞在
潜水艦「スタールイ・オスコル」:2019年4月末から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・マカロフ」:2019年10月初頭から地中海東部に滞在
哨戒艦「ワシーリー・ブイコフ」:2019年11月初頭から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「ワレンチン・ピクリ」:2019年10月中旬から地中海東部に滞在
中型偵察艦「キルディン」:2019年6月初頭から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「アゾフ」:2019年11月末から地中海東部に滞在
軍用輸送船「ドヴィニツァ-50」:2019年11月末から地中海東部に滞在
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」:2019年6月末から地中海東部に滞在
対水中工作艇「キネリ」:2019年10月中旬から地中海東部に滞在
海洋曳船MB-304:2019年11月初頭から地中海東部に滞在
救助曳船SB-739:2019年11月初頭から地中海東部に滞在
救助曳船「シャフテル」:2019年11月下旬から地中海東部に滞在
[バルト艦隊]
工作船PM-82:2019年11月上旬から地中海東部に滞在
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