ロシア海軍の将来航空母艦は65000-70000トンになる
- カテゴリ:ロシア新世代航空母艦

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2019年12月2日3時3分配信
【情報筋は新たなロシアの航空母艦の開発の進展について話した】
モスクワ、12月2日-ロシア通信社ノーボスチ
新たなロシアの航空母艦のコンセプトにおいては排水量7万トンの艦が提示され、その開発及び建造の費用は3000~4000億ルーブルと見積もられている。
『ロシア通信社ノーボスチ』は防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。
現在、ロシア海軍には、排水量5万9千トンの航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」のみが在籍しており、修理中である。

「この前の産業界およびロシア海軍司令部の協議会で、我々は、新たなロシアの航空母艦の最適な排水量は65000~70000トンであるという結論に達しました」
対談者は説明した。
彼は、この開発及び建造の為の資金は、今の国家軍備プログラム(2018-2027年の国家軍備プログラム)では提供されていない事を指摘した。
情報提供者は、軍当局は、計画設計局より提案されたコンセプトの中から、どれを新たな航空母艦のベースにするのかを未だ定めていないと付け加えた。
彼によると、2019年の国際海軍サロンでネヴァ川計画設計局が提示した航空母艦「ラマンチーン」を含め、幾つかのイニシアティブ設計が存在する。
開発者によると、艦の排水量は8~9万トンであり、60機の様々な飛行装置と6~10機の無人機が駐留できる。
この他、クルイロフ科学センターは、排水量8~9万トン、全長300メートルの航空母艦プロジェクト「シトルム」を開発している。
この艦は、無人機を含め90機の飛行装置を配置できるものと見られている。
ロシア軍指導部は、新たな航空母艦を建造する必要を何度も表明しているが、この決定が採択された場合、今の2018-2027年の国家軍備プログラムが履行された後に実現できる。
建造の為の技術は、2020年にケルチの工場『ザリフ』で起工される2隻の汎用ドック艦(国産の「ミストラル」の同類)の作成により開発される事が想定されている。
ロシア海軍の為の将来航空母艦Перспективный Авианосецの設計開発作業は2007年に始まりました。
将来航空母艦の設計を担当するのは『ネヴァ川計画設計局』になりますが、その叩き台となる概念設計案は、ロシア海軍向けなどの艦船の形状を研究する『クルイロフ国立科学センター』により作成されます。
『クルイロフ国立科学センター』は、2015年に多目的重航空母艦プロジェクト23000E「シトルム」を作成しました。
これは満載排水量9万~10万トンの通常動力の大型空母です。
[ロシア海軍将来空母概念設計案・プロジェクト23000E「シトルム」]
『クルイロフ』は、2018年8月下旬に軽航空母艦「シトルム-KM」の概念設計案を公表しました。
これは満載排水量44000トンの比較的小型の空母です。
[クルイロフ国立科学センターの半双胴(カタマラン)形式軽多目的空母は水中抵抗が大幅に低減する]
2019年6月末には76000トンの中型原子力空母の概念設計案の存在を公表しました。
[クルイロフ国立科学センターは半双胴形式の中型原子力空母の概念設計案を提示した]
一方、実際にロシア海軍向けとして建造される空母を設計する『ネヴァ川計画設計局』は、2019年7月上旬に将来空母設計案プロジェクト11430E「ラマンチーン」を公表しました。
これは満載排水量8万~9万トンの原子力空母です。
[原子力空母プロジェクト11430Eラマンチーンはサンクトペテルブルク国際海軍サロン(IMDS-2019)で公開された]
将来航空母艦の具体的な内容は未だ定まっていませんが、排水量は65000トン~70000トン程度になるようです。
[ロシア海軍の将来航空母艦は7万トン級になる]
つまり、上記の「シトルム」や「ラマンチーン」よりは小さな艦になります。
(「シトルム-KM」よりは大きいですが)
現用の航空母艦で最も近いサイズの艦は、グレートブリテン海軍の新鋭空母「クイーン・エリザベス」級になります。

ロシア造船業界も、以前から重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」(約6万トン)よりも大きな航空母艦を建造できると表明しています。
[ロシア造船業界はアドミラル・クズネツォフよりも大型の新世代航空母艦を建造できる]
将来航空母艦の建造は、早くても2020年代後半になるようです。
[ロシア海軍の為の新世代空母の建造は『2018-2027年の国家軍備プログラム』において開始される]
既に将来航空母艦の為の搭載機として、新たなVSTOL艦上戦闘機の開発が始まっています。
[ヤコブレフ新世代VSTOL艦上戦闘機]
この他、将来航空母艦の搭載機として、艦上早期警戒機と艦上無人機も新たに開発されます。
[ロシア海軍航空隊司令官は語る]
将来原子力航空母艦の本格的な開発作業は2023年から始まります。
[ロシア海軍の為の7万トン級原子力空母の開発作業は2023年に始まる]
将来航空母艦を建造する造船所については、最近では、サンクトペテルブルク市の『バルト工場』と『北方造船所』、或いはセヴェロドヴィンスクの『セヴマシュ』の協同建造が有力視されています。
[ロシア海軍の新世代原子力航空母艦の開発と建造には15年掛かる]
『バルト工場』

『北方造船所』

『セヴマシュ』

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