ロシア海軍はソマリア沖海賊対処任務を続ける

ロシア連邦軍機関紙『クラースナヤ・ズヴェズダー』より
2012年12月11日17時44分配信
【海賊活動エリアで】
ロシア海軍は、2013年もアデン湾及びアフリカの角エリアにおける常時滞在を止める事は無い。
ロシア連邦国防省の海軍の広報サービス・情報管理部代表が発表した所によれば、この不安定なエリアへ、少なくとも3回の戦闘艦船の航海が計画されている。
彼は、2008年から2012年までに、我が戦闘艦が、海賊活動が活発なエリアへ13回の航海を行ない、733隻のロシア及び外国船舶を先導した事を想起した。
12月下旬、大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」、給油船「イルクト」、救助曳船「アラタウ」で構成される太平洋艦隊艦船支隊は、民間商船への海賊攻撃の警戒を始める。
黒海艦隊の大型揚陸艦「ノヴォチェルカッスク」と「サラトフ」は地中海航海の後、ノヴォロシースクへ戻った。
これは、南方軍管区広報サービスの発表である。
大型揚陸艦は、1ヶ月間に渡り黒海艦隊グループの一員として遠海ゾーンにおける任務を遂行した。
記事中で触れられていますが、ロシア海軍は、2008年10月の警備艦「ネウストラシムイ」以降、今年5月の大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」まで13回に渡りアデン湾へ海賊対処部隊を派遣しています。
1:警備艦「ネウストラシムイ」
2:大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラドフ」
3:大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」
4:大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」
5:大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」
6:警備艦「ネウストラシムイ」
7:大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」
8:大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」
9:大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラドフ」
10:大型対潜艦「セヴェロモルスク」
11:大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」
12:大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」
13:大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」
現在、アデン湾には、太平洋艦隊の大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」を中核とする海賊対処部隊が向かっています。
[ロシア-インド海軍合同演習「インドラ-2012」は終了した]
大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」

左がロシア太平洋艦隊海賊対処部隊指揮官ウラジーミル・ウドヴェンコ少将
中央は大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」艦長アンドレイ・クズネツォフ1等海佐。

更に、北方艦隊の大型対潜艦「セヴェロモルスク」もソマリア沖へ派遣される事が明らかにされています。
[北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスク、ソマリア沖へ]
大型対潜艦「セヴェロモルスク」

当初は、黒海艦隊の艦船グループ(親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」、警備艦「スメトリーヴイ」、大型揚陸艦「ノヴォチェルカッスク」、「サラトフ」、海洋曳船MB-304、大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」)がソマリア沖へ派遣される予定でしたが、ガザ地区の情勢悪化により中止され、地中海東部に留まりました。
[ロシア黒海艦隊戦闘艦船支隊、ガザ地区沖へ派遣?]
[ロシア黒海艦隊艦船支隊はガザ地区からのロシア人避難を準備する]
この内の大型揚陸艦2隻は、12月11日にノヴォロシースクへ入港しました。
[黒海艦隊の大型揚陸艦はノヴォロシースクへ到着した]
間もなくアデン湾へ到着する太平洋艦隊の大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」は、以前にもアデン湾へ派遣されており、2010年5月にはソマリア海賊に乗っ取られたロシアのタンカー「モスクワ大学」の解放作戦を実施しました。
【ソマリア海賊:露タンカー乗っ取り 翌日に解放】
『ロシア通信社ノーボスチ』情報グラフィックより。
2012年5月7日配信
【乗っ取られたタンカー「モスクワ大学」の突入解放作戦】
タンカー「モスクワ大学」を乗っ取ろうとしたソマリア海賊は1名が射殺され、10名が拘束されました。
しかし、拘束された10名も、ゴムボートに乗せられて海上へ放逐され、その後、死亡しました。
結果的に、「モスクワ大学」を襲撃したソマリア海賊は、11名全てが死亡しました。
ソマリア海賊にとっては最も嫌な相手でしょう。
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